※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

朝の賑わいを見せる都内の住宅地。
コインパーキングにFCを停め、涼介と啓介は歩を進める。

「兄貴・・本当にこんな所に地獄のチューナーがいると思うか?」
「ケンタ経由の情報ではこの辺りにそれらしき人物がいるって話だ。それに藤原の親父サンも渋川の豆腐屋だろう?あながち有り得ない話じゃあないぜ」

そんな二人の脇を少女が駆け抜ける。

「北見のオッチャン!チャリ直ってる!?」
「!?」

少女の北見という言葉を確かに耳にした二人は少女の声がした方向に目を向けた。
そこには何処にでもいそうな風体の中年の男性が立っていた・・だが普通の男性と大きく異なるのは、彼の顔に大きな傷跡がある事だ。

「早く出して出して!遅れる」
「ハイハイ(笑)ところでオメーそんな短いスカートじゃパンツ見えるぞ」
「見えないんだナ コレが!じゃーね!」

二人の脇を駆け抜けた少女は、北見と呼ばれた男から自転車を受け取り走り去る。
男の出てきた建物をよく見ると”北見サイクル”という看板が掲げられている。どうやらココは自転車屋のようだ。

「兄貴・・アイツが地獄のチューナーなのか?」
「恐らくな・・行くぞ、啓介」

涼介は店の扉に手をかける。

「・・・・なんだ?お前ら」

客商売を営む人間には有りえない鋭い眼光が二人を迎える。

「実はちょっと自転車を見たくて」
「違うだろ兄貴!北見サン・・アンタ悪魔のZって知ってる?」

二人には一瞬北見の眉が動いたように見えたが北見の返答は素っ気無いモノだった。

「悪魔のZ・・?わからないナ なんの話だそれ・・・・」
「とぼけるんじゃねーよ 色々調べたんだ プロジェクトD――」

「啓介!」

頭に血の上りかけた啓介を涼介は抑える。

「北見サン・・弟の無礼は兄である私が謝ります 話だけでいいんです、聞かせてもらえませんか?」
「・・・・だからァしらねーよそんな車(笑)」

二人の問いかけをはぐらかし北見はポケットから煙草を取り出す。

クオオォーン

その時、北見の自転車屋に近づくエキゾーストノートが聞こえてきた。綺麗に繋がる6気筒の音である。
 
「この下品な音は・・」
「RB・・・・それもかなりのハイチューン」

ドゥドゥドゥ・・・・乱れの無いアイドリング音が響く。
住宅街には全く似つかない、白いBNR32-スカイラインGTRがそこにいた。

「いるゥ―――?北見のオッサン」

白いGTRから降りてきたのは女だった。