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これから先、少しの間、自分を取り巻く環境が変わるというコトに対する不安を、拓海自身が本能的に察知していたからかもしれない。

「わかったか?つまりこういう走り屋達の事なんだよ!ちょっとまってろ~!」

イツキは店内に駆け込み、一冊の雑誌を持ってきた。
車のチューニングや情報が載っているよくある雑誌である。

「たしかこの変に…あった!ほら!みろよ!」

イツキが指さしたページには見開きで大きく「首都高ランナー」の文字。

「へぇ…高速なんて走ってる人達いるんだな。」
「あいつら、金かけてキチンとセッティングだしたりしてるって言うからなぁ。それにくらべて俺らは…」
「なーにいってんすか!池谷センパイ!センパイの13もド派手にツインタービンにしましょうよ!ゆくゆくは俺のレビンも…くぅーー!」
「イツキ、お前の車じゃさすがに無理だな。」
「やべ、店長!?」
「全く、お前らしっかり仕事し…」

ガォァッ!

会話を切り裂くように衝撃音がスタンドに響いた。
店に入ってきた車をみて、一瞬全員が血の気が引いた気がした。

今の時代には無い形、響くインジェクションとは違う特有の音。
明らかに異形の車がソコにはいた。

「やべっ!客だ!いらっしゃいませー」
「えっと、ハイオク30で」
「はい、ありがとうございます!」

「すげーっ!Zだ!古い車でもあついぜ~!」
「ふーん、変な車だな…」

異形の車から降りる青年と拓海の眼があった。

「(何だ――?)」
「(何だろう――?)」
敵意などではなく、違う感覚。
口では言い表せない微妙な感覚が拓海にふりかかった。