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緩やかなRの峠道をFCは疾走する。
ちらりと涼介はルームミラーで後ろを確認する、FDとの距離は目測でクルマ10台分といった具合だ。

「上手い・・ココの走り方をよく知っている」

ルームミラーの中でFDは右に左にと軽やかなステップを踏みながら下り勾配を駆け抜ける。

―――先方の指定したコースは峠の中腹の駐車場から麓までの約8kmのセクションは下り上り下りの3つに
分けられる・・しかもココのコーナーのRは緩い物が多くブラインドは3つしかない それ以外の細かい部分の
加減速が後に響いてくるだろう・・それなら―――

涼介はアクセルの開度をほんの僅か絞る。

―――タイヤへの負担を極力防ぎ後半の下りセクションの高速コーナーで勝負をかける FDは間違いなく上りで俺を抜く!―――

左右への切り替えし、コーナー進入時のブレーキング、立ち上がり。
今現在のFCが持っているキャパシティをフルに引き出す事ができれば、FDを振り切る事も不可能ではない。
馬力だけではない扱い易さとトータルバランス・・それは秋名で涼介が拓海との決戦時に学ばされた物である。
細心の注意を払いながら、FCは最初のブラインドを抜け、上りセクションに突入して行く。

―――ゾクゾクするぜ・・最高のゲームだ―――

涼介は久しく忘れていたバトルの心地よい緊張感とスリルを感じていた。

ガシュゥッ!

涼介のFCを追い、FDも上りセクションに突入して行く。
先程までにあった、クルマ10台分のビハインドも6台分くらいに減ったように見える。
緩い上り勾配がだらだらと続く上にそこそこある道幅を生かし、オキはここぞとばかりに猛烈なペースアップを図る。

「オイオイ・・ちょっと飛ばし過ぎなんじゃねーかァ?」
「んなコト言ったってあいつマジ走りだぜ!いくら200馬力以上の差があっても手ェ抜いたら追いつけねーよ!」

持てるキャパシティの全てを使い切る。
走(ヤ)る以上は決して手を抜かない。
涼介が拓海とのバトルの中で、トータルバランスを学んだのであれば、オキはこれまでの走りの中で誤魔化しの無い
走りを学んで来た。

地元のプライド、そしてRE使い同士のプライドに賭けて引くわけには行かないという気持ちが動きとしてFDに現れる。
テールスライドを起すか起さないかの寸前のアグレッシブな動きをするFD。
先行するFCとの車間は見る見る迫り、ついにはフル加速で対向車線からのオーバーテイクも可能な距離になる。

―――強化クラッチがダイレクトにパワーを伝える・・駆動系が悲鳴を上げるのがわかる・・・・それを承知して踏む!―――

シュバァッ!

コーナーの立ち上がりからの直線勝負でのオーバーテイク。
ルームミラーの中でFCはじわじわと小さくなって行く。

「所長・・なーんか勿体無いよネ」
「ああ?ナンだよ急に」
「俺今楽しーのヨ・・ちょっと前に会ったヤツだけどこんなにツルんで走るのが楽しいって思ったコト今まで無かったのヨ」

オキはFDのアクセルを抜き始める。

「ココで抜くのは簡単だけどサ・・もっとこう アイツの走りを見てみたいと思うワケ 変なコト言ってると思うけどアイツが首都高 走りたいっていう気持ちがわかったって言うか・・伝わったって言うか・・・・」

ハザードを出しFDは減速する。

「組んでやってもイイんじゃない?新しいRE」