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枯れ木と岩場がむき出しになった荒涼とした山の頂にある駐車場。
赤城を根城とする走り屋の溜まり場は騒然としていた。

「おい・・なんで今更エンペラーが来るんだよ?」
「まさか群馬エリア完全制覇にまだこだわってるんじゃあ?」
「だったらどーするんだよ!涼介さんと啓介さんがいねえんじゃどうしようもねーよ!」

駐車場の一角に黒いエボⅢが入ってくる。
独特の形状のリアウィングに白地のEmperorの文字がコントラストを織り成し生える。
やがて運転席の戸が開きそこからは、頭にタオルを巻いたミリタリーファッションの男が現れた。

「やっぱり須藤京一だ」

走り屋の誰かが呟いた。
須藤京一・・レーシングテクニックを追求し、公道での速さを求める彼は以前に群馬県のあらゆる峠を荒らし回り無敵と言われた秋名のハチロクこと藤原拓海を打ち破った過去を持つ。
その速さは高橋涼介に勝るとも劣らない、一級の峠職人だ。

「高橋涼介はどこにいる?」

駐車場全体に響き渡る声で須藤が言う。
ざわ・・ざわ・・
たまっている走り屋はそれぞれが顔を見合わせる。

「涼介さんはここにはいない 一体何の用だ?」

ざわめく走り屋達の一角から声が上がり、浅黒い肌の青年が進み出る。

「高橋啓介の追っかけか」
「そっちこそ今更赤城に何の用だ?そんなに俺達に負けたのが悔しかったのか?」
「俺達か・・確かに高橋涼介は速かった だがお前はどうなんだ?」
「な・・んだとぉ!?」
「よせ!ケンタ」

須藤に飛び掛ろうとしたケンタと呼ばれた青年を仲間が取り押さえる。

「大黒柱の涼介も湾岸線での負け以来腑抜けになったと噂で聞いたが赤城に姿を見せていない様子を見るとあながちそれも嘘じゃあなさそうだな」
「須藤・・あまりいい気になるなよ!レッドサンズにいるのは涼介さんと啓介さんだけじゃねえんだ!」
「いいだろう・・お前に俺の相手が務まるかどうか見せてみろ お前に楽しく走るコトと速さを求める走りの違いを教えてやる・・
これはセミナーだ!」

須藤の挑発に乗せられる形でケンタはバトルを承諾する。
スタート地点にエボⅢと赤いS14が横並びになる。

「おい・・涼介さんに連絡だ!」
「わ わかった」

レッドサンズのメンバーは携帯を取り出した。