娘がガンにおかされました

原核単細胞生物について考えてみました

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匿名ユーザー

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あまりにも精巧で複雑な仕組み


生物の基本単位は細胞です。当然のことながらガンも細胞です。
組織のことがわかればガンのこともわかり、おのずとその治療法も見えてくると考え、私は細胞のことについて勉強してみようと考えました。
そして重大なことがわかりました。それは、細胞は私のような素人が理解できるような代物ではないということです。
何という精巧で、複雑な構造でしょう。勉強すればするほど謎は増えていくばかりです。
特に細胞分裂の仕組みなどは、何回それについて書かれている本を読んでも、その順序を覚えることすらできませんでした。このような精巧で複雑な仕組みが自然現象のなかで突然、偶然に発生する可能性はほとんどないという思いを強くしました。
それでも生物は発生して大繁栄を遂げています。
私が考えた準生物というのは、生物が発生しやすい環境を整えることと、発生したあと速やかに繁殖することができるためのものです。

原核単細胞生物


まず、単細胞生物のことを考えてみましょう。
単細胞生物は分裂することにより増殖します。
元と同じものを二つ作りだすということです。1→1+1にしなければなりません。
それには、3通りの方法が考えられます。
まず元の単細胞生物が成長して二つになって分裂をし、2匹になるという方法。つまり、1→2=1+1です(1)。
次に、まず分裂しておのおのが成長して元の姿になるという方法。たとえば、1=0・5+0・5→1+1です(2)。
そして、その中間も考えられます。つまりたとえば、1→1・5=0・75+0・75→1+1です(3)。



成長するということは外から栄養を取り入れ、それを自分の身体を作るために必要なものに変えるということです。どの時点で分裂が始まるのでしょう?
ところで、生物にとっての栄養とは何でしょう。
われわれ人間が食べるもの、肉も、魚も、米も、野菜も、海草も、キノコもすべて生物です。なかには鉄やガラスを食べる人もいるようですが、とても栄養になるとは思えません。
すべての生物にとってそのエサは生物です。真核単細胞生物もおそらく原核単細胞生物などをエサとしているでしょう。それでは、その底辺の原核単細胞生物にとってのエサとは何でしょうか? もちろん、他の生物の死骸や老廃物などもエサになるでしょうが、それももともとは生物です。
すべての生物のエサが生物だとすると、現在の生物は衰退の一途をたどりそれ以上繁栄することは考えられません。誰かが「無から有」を作り出さねば、生物の全総量は減ることはあっても増えることはありません。
その仕事をしているのが海草を含む「植物」です。
植物は光合成と土中の養分を有機物に変えることにより自ら成長しそれを動物などにエサとして提供しているのです。
でも、その仕事を実際にやっているのは葉緑体や根粒菌などの原核単細胞生物です。葉緑体は植物細胞のなかにある器官ですが、もともとは原核単細胞生物の藍藻が植物と共生していると考えられています。
そして根粒菌などのバクテリアが、土中のメタンやアンモニアなどの無機化合物から有機化合物を作りだしているのです。植物はそれらが作りだした栄養をもらい自分の身体を成長させているのです。つまり地球上の生物の第一次生産者は原核単細胞生物です。
原核単細胞生物の目的は有機化合物を作ることで、そのために分裂、増殖をします。真核単細胞生物以後の生物の目的は、分裂、増殖、進化をすることです。

原核単細胞生物の祖先


まず、地球上でもっとも原始的な生物である、原核単細胞生物について考えてみましょう。
なかでも、「藍藻類」か「嫌気性細菌」が最初に発生した生物であろうと、本に書いてありました。
私は、その両者にある重要な共通点を見つけました。
それはどちらも生物にとっての栄養を作ることができるということです。たとえば、藍藻は光合成により「グルコース」という糖質を作ります。
ところで、物質を分子単位で変化させるには、当然のことながらエネルギーが必要です。
分子同士は電子の交換力によって結合しているので、それを変化させるには少なくとも分子間に入り込めるような波長の短い粒子が必要です。大気がまだ希薄であった太古の地球では太陽光線も十分、高エネルギーの粒子であったと思われます。
ということは、地球上に大気と海が形成されたころには、かなりの有機化合物があった可能性もあると思います。それがたとえば、準生物の体内のような安定した環境に集められていったのではないでしょうか。
物質を変化させるには、「触媒」を利用する方法もあります。
それはある反応を起こすのに、その触媒を使えば低エネルギーでも反応が起こるということです。太陽エネルギーの源である核融合反応にも触媒は利用されています。
素人考えでは、本来なら波長が短い、高エネルギーの粒子が必要な反応も、その触媒のなかを低エネルギーの粒子が通り、ちょうど良いタイミングで反応させたい物質に衝突させることではないでしょうか。ですから反応の種類により触媒も変わるし、反応の前後で触媒の性質は変わりません。これは、粒子はただ触媒のなかを通過するだけですから、生物でいえばこれは「酵素」にあたります。
大気が形成された以後の地球ではあまり高エネルギー現象は起きなくなりました。これは、空気中の分子が太陽光線などのエネルギーを減じてしまうからです。
ここまで来るとだいぶ話が見えてきたのではないでしょうか。
原核単細胞生物の祖先とは、太陽の光のエネルギーを利用して無機物から有機化合物を作るための触媒、いわゆる酵素であったと思います。

遺伝子の形成


せっかく有機化合物ができても、放っておけば物質はまた分解して元の安定した状態に戻ってしまいます。これはエントロピーの法則からも明らかです。
ですから、安定した状態で常にエネルギーが流れてないと、有機化合物を維持することは困難です。それと広い空間にポツポツと有機化合物ができたのであれば、それらが出会うチャンスも少なくなり、さらなる複雑な反応が起こる可能性は低くなります。
つまりできるだけ狭い空間に、たくさんの有機化合物があるという状態が、さらなる複雑な有機化合物を作る上では重要な要素であり、物質の密度を高めるということです。
こうして物質はだんだん複雑な方向に進化していきましたが、これはいわゆる当てずっぽうのやり方で、役に立つ物質ができることもあれば、逆に害になる物質ができることもあるでしょう。もっとも優れた製品を大量生産することができれば、と考えるのは誰でも一緒でしょう。
そのことを可能にする物質ができました。それはビデオなどのテープのようなもので、物質の情報をより簡単な物質を使って記憶することができるものです。いわゆる物質の設計図のようなものですが、そのテープをダビングすることによって、その物質を大量生産することができるようになるのです。
具体的には、「リボ核酸」という物質に4種類の簡単な塩基を使い、その4種類の塩基の並び方によりアミノ酸の4種類を指定するという方法です。
酵素はタンパク質です。タンパク質はアミノ酸からできています。そのアミノ酸の種類と数と順序を指定すれば同じタンパク質ができる原理です。

生物の誕生


こうして、同じ物質ができるようになりました。
「増殖」と呼んでも良いかと思いますが、まだこれを「生物」というには早すぎるような気がします。それは増殖するのに必要な物質が自分の回りに集まるのを待たなければいけない点と、自らを分裂させる能力はまだないという点です。
生物と呼べる最低限の条件としては、
1・まず「膜」をもち自分の外界の区別をつけ、「膜」を通して物質の出し入れができるようになること。
2・その膜を自由に操れるようになること。
3・遺伝子を膜の中に入れ遺伝子の複製を作ること。
4・遺伝子の構成物質である糖質やリン酸などの物質を自由に操れること。
5・その遺伝子の情報を元に目的であるタンパク質を作ること。
6・それらの反応をつかさどる酵素を作ること。
などです。そしてこれらすべての反応に必要なタンパク質を作る情報を遺伝子にインプットしなければなりません。
気の遠くなりそうなややこしい作業ですが、それをやり遂げたものが、1匹だけいたのです。その1匹がわれわれの祖先となったのです。
この生物の目的は有用な有機化合物を作ることで、それを大量生産するために自身を分裂、増殖させる能力を身につけたと思います。
一度、分裂、増殖のためのノウハウができると、その情報はそのままにして、本来の目的である有機物を作るための「酵素」の種類を変えることにより原核単細胞生物の種類も増えていきました。遺伝子の書きかえが起きたのです。こうして生物由来の物質、有機化合物はその数も種類も飛躍的に増えていきました。
とにかく生物は非常に活動的です。材料とエネルギーがあればいくらでも分裂、増殖をする性質をもっています。
ただ、まだ他の原核単細胞生物を襲い、それを食べて栄養とする能力まではなかったと思います。あくまでも、膜の性質を利用して回りにある物質を吸収し、それを材料に分裂するという方法をとっていたと思われます。
生物に関する本を読んでみると、地球上に最初に生命が発生したのは、つまり原始原核単細胞生物が35億年前、真核単細胞生物が発生したのは約10億年前と書いてあります。原核単細胞生物はゆっくりゆっくり真核単細胞生物へと進化していったのですって。
ゆーじゃな〜い。

素人の疑問


私はここまで考えてきて少し疑問に思うことが出てきました。
それは、原核単細胞生物は、いったい何をしていたかということです。原核単細胞生物の性質をもう一度考えてみましょう。
まず、材料とエネルギーがあれば分裂、増殖するという能力があります。それでは材料もエネルギーもなかったらどうするのでしょう。じっとしていられるでしょうか?
生物にとってじっとしているのはもっとも苦手でしょう。材料もエネルギーもなければ、即、死を意味すると思います。
死といえば、原核単細胞生物にはまだ天敵はいませんでした。原核単細胞生物の細胞の構造から、まだ他の原核単細胞生物を食べてそれを吸収し、自身の栄養にする能力はなかったと思います。その当時はまだ原核単細胞生物しかいないので、原核単細胞生物を食べる生物はいなかったと思います。
そして何より非常に活動的な性質をもっていました。
原核単細胞生物のその分裂、増殖の勢いは凄まじく、1回の工程の終わるころには、もう次の分裂に取りかかるというものでした。現在の原核単細胞生物もこのような分裂、増殖の方法だそうです。
でもそれには条件があると思います。一つは分裂に必要なエネルギーが安定供給させること。もう一つは増殖に必要な物質がその近くに大量にあることです。
仮に、条件が整っていたとして、どのくらいの勢いで分裂、増殖したかちょっと計算してみましょう。
現在の原核単細胞生物は、1回の分裂、増殖に10時間くらいかかると本に書いてありました。その当時は現在よりも条件が悪いと思うので、これを10倍の100時間としましょう。人間の細胞は真核細胞でできています。その真核細胞の大きさは原核細胞の100倍だそうです。容積にすると、10×10×10=1、000倍です。すると原核細胞が真核細胞の大きさになるには、2の10乗(2^10)=1、024なので、100時間×10=1、000時間もかかることになります。
1日は24時間なので約40日、多めにみて2カ月としましょう。
人間の身体は60兆個の細胞でできているそうです。2を何回かけると60兆になるでしょうか? ガン細胞の増殖の関することが書いてある本に、40回分裂すると1兆個くらいになると書いてありました。仮に、2の40乗(2^40)を1兆とすると、60兆は2の46乗(2^46 正確には64兆ですが)、また多めにみて50個としましょう。すると2カ月×50=100カ月。また多めにみて10年で人間の身体の大きさくらいの原核単細胞生物が生まれることになります。でもこのうちの半分くらいは死んでしまでしょうから、ここまで20年としましょう。すると、次の20年、つまり40年後には人間60兆人分の原核単細胞生物がいることになってしまいます!!!
これはいかにいってもおかしいと思いませんか?
ちなみに、100年と100時間後には人間120兆人分ですよ!!

ビッグバン


実は今の計算には重大な誤りがあります。人間の身体の大きさになるまでに25年、そのうち半分は死ぬだろうから50年としましたが、もしちょうど半分が分裂するまで生き残れないとするとその数は永遠に増えることはありません。
たとえば、10匹細胞がいたとして、その半分の5匹が死に、残りの5匹が分裂するとまた10匹になります。つまり、ある程度数が増えたあとは、そのうちの半分が次の分裂まで生き残れないようなシステムがあれば良いのです。それには天敵が必要です。原核単細胞生物の天敵は、とりあえず真核単細胞生物でしょう。
現在地球上にどのくらいの数の原核単細胞生物がいるかわかりませんが、おそらく原核単細胞生物が誕生してから10年から100年の間には真核単細胞生物が発生したと考えられます。
地球の歴史からみると、ほんの一瞬のことで、今までの常識では考えられないことかもしれませんが、1日に2回分裂すると世代交代数は、10年で、2×365×10=7、300世代、100年なら73、000世代、人間なら20年を一世代として考えると、約14万年から250万年くらいの時間と考えられます。しかも、たった1個の細胞を変化させれば良いのですから意外と簡単なことかもしれません。
ついでにいうとすれば、私は単細胞生物から多細胞生物の進化も少なくとも1、000年くらいの時間の単位で行われていたと思っています。でなければ同じような理由で真核単細胞生物も増えすぎてしまうことになるでしょう。
まさに、生物のビッグバンです。
宇宙のビッグバンも最初の3分間で、主だった変化はすべて起こっています。150億年のうちのたった3分間で。

準生物


私のこの考えには重大な前提があります。
それは原核単細胞生物が発生した時点で、地球上に大量の有機化合物が存在していることです。それには、やはり準生物のような存在が必要だと思います。準生物もやはり段階的に進化したと考えられます。
第一段階は膜ができて、それを通して物資交換をし、自然現象でできた有機化合物を安定した状態に保つこと。この安定した状態に保つというのは、安定したエネルギー供給ということですが、これがなかなか難しいと思います。
一つのアイディアとしてその当時海水には大量の「鉄」が溶けていたそうです。準生物の体内でその鉄分を地球磁場の方向に整列させて、電位差を利用して電流を流すというのはどうでしょうか? 頭と尻尾に少し「鉄」を出し、頭を大気に、尻尾を海水に、または頭を海水に、尻尾を海底に、いう具合にです。
第二段階はこの安定した有機化合物が、「酵素」へと変化していくことです。これにより、生物にとって必要な物質が低エネルギーでも、大量にできるようになりました。地球上に酸素が増えてきたのもこの時期だと思います。これにより準生物も大きく、成長発展していったことでしょう。
第三段階は遺伝子が形成されて、酵素自体を増やすことができるようになったことです。また、遺伝子の情報を変えることで別の種類の有機化合物を作る能力もできていたかもしれません。これによりさらに爆発的に準生物は成長、発展し、有機化合物の量も現在のそれに近いくらいに大量にできていたと思います。
そして最終段階として、その酵素と遺伝子を膜で包み、できるだけ狭い空間に分裂、増殖のための物質を集めることです。そしてそれらの物質を操るための酵素も必要となり、その酵素を作るための情報も遺伝子にインプットしなければなりません。
こうして準備は着々と整っていきました。あとは誰が一番始めに分裂、増殖を始めるかです。最初に生物になったものだけが、この大量にある美味しい食事を独り占めにできるのです。
そして、生物のビッグバンが起きました。6億年か7億年前のことだと思います。

インフレーション


まず想像を絶する、原核単細胞生物の大増殖が起きました。
数10億年にわたってコツコツと準生物が作ってきた有機化合物は、みるみる生物に変わっていきました。人間60兆人分が10時間で120兆人分に増えるという不気味な光景が実際見られたことでしょう。
準生物を食いつくすと増殖の勢いも衰えました。インフレーションの終結です。
ですが彼らは本来、無機化合物を有機化合物に変化させることが目的です。条件の悪い場所にでも、すでに仲間の屍を乗り越えてどんどん進出していきました。
無性生殖で世代交代を短くし、遺伝子もどんどんと形が変わっていったようなので、環境に順応する能力も極めて高かったことでしょう。
こうして、世界中のどこにでも、原核単細胞生物は見られるようになりました。陸上への進出も容易に果たしたことでしょう。


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