「全速前進吸血鬼」(2008/08/06 (水) 02:38:41) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**全速前進吸血鬼
あの筋肉質の男の突進をもってしても、あの薄いガラスは割れなかった。
それどころか弾かれたようにも見える。そして、この首輪。
いつの間にかこんな処に飛ばされたというこの状況。全く持って非ィ科学的だ。
海馬は落ち着いて辺りを見渡し、周りに誰もいない事を確認、おもむろにデイパックへと手を伸ばす。
デイパックから支給品を全て取り出し、武器はないかと確認する。
自分を参加させたワポルの愚かさを思い、海馬は一人にやつく。
ククク……滑稽だよワポル。残念だが貴様の紙細工のような自信はすぐに打ち破られる事となる。
地上最強のデュエリストであるこの俺を敵に回した事が、貴様の運の尽きだ。
「ふぅん。こんなものか……まあ足りないモノは他の参加者から奪えばいいだけの事」
中に入っていた物で武器になりそうなモノは、拳銃と、何やら黒っぽいスーツ。スーツに関しては、説明書が用意されていた。
【スーシのせつ明だす
これお着たら強くなれまス。頑じょうにもなれます。
今回はロワ仕様としてダレでも着れるようにしてありマス】
簡単に言うと、身体能力、そして耐久力を格段にパワーアップさせる事が出来るスーツらしい。
非科学的だと思いつつも、とりあえず海馬はスーツを着てみる事にした。
幸いここは家屋が集まる集落。着替える場所などいくらでもある。
海馬は適当に選んだ家のドアを開け、土足で中に侵入する。
家の中は夜の闇も相まって、何も見えない。何者かが潜んでいるかもしれない。慎重に慎重を重ね、海馬は歩く。
扉を閉め、安全を確認し、海馬はデイパックからスーツを取り出す。
暗くて分かり難いが、明かりをつける訳にはいかない。そんな事をしては取るに足らない雑魚どもが集まってしまう。
「ふぅん……」
とりあえずスーツを着てみた。このままではなんとなくカッコ悪いので、上から元々着ていた服を着る。
体には特にこれと言って変化はない。身体能力パワーアップというのは嘘か?
ま……試してみるまで分からんか……
「…………」
家の壁に向けて拳を構える。自分がしようとしている行動を思い、海馬は自嘲気味に笑う。
俺はワポルなんぞには決して従わん。だが、俺以外の軟弱な馬の骨どもと手を取り合って奴に反抗、というのもあり得ない。
俺は俺一人の力でこのデスゲームを攻略してみせる。クク……下らん友情ごっこがいかに愚かか教えてやる。
ゲームに勝つ手段は、選んではならんのだ……
「滅びのバァァーーーーーストストリィィィィィムッッ!!」
海馬は叫び声と共に、拳を放つ。豪快な音と共に拳は壁を突き破り、巨大な穴を開ける。
海馬はしばし呆然としていたが、スーツの効力を理解し、顔を愉悦に歪める。
「………ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
そして高笑い。ワポルは完全に自分を嘗めているようだ。
視界の端で何かが蠢いた。海馬はさっと首を振り、壁に空いた穴から闇を注意深く見通す。
一人の女が机の下に隠れていた。恐怖に震えながら海馬を凝視している。
海馬は少女を見下しながら無言で壁の穴を通り少女に歩み寄る。
少女、小島多恵は恐怖に震えていた。
いきなり殺し合いと言うわけのわからないゲームに巻き込まれ、気づけばどこなのか分からない民家の中。
極め付きに、壁を簡単に破壊し、やたらと叫びまくる長身の男。どう見ても危ない人物にしか見えない。
歯がかみ合わず、カチカチと不快な音を出す。男が近づいてくる。怖い……怖いけど動けない……。
デイパックに入っていたのは、気味の悪い仮面と、自分では到底扱えそうもない巨大な武器。
これでどうやって戦えというのだろうか。仮面には一応よく分からない説明が附属されていたが、いまいち理解できない。
【やばい時に使うといいよ】使うって……どういう……?
「ケイちゃん……ケイちゃん……」
頭を押さえて机の下にひっこむ。最愛の人の名前を呟かずにはいられない。
何か役に立つかも、そんな藁にも縋るような思いで仮面を意味もなく抱きしめ、小島は涙を流す。
「ククク……どうやら俺には追い風が吹いているらしい」
男が近付いてきた。咄嗟に仮面を彼の視界の外へ隠す。相変わらず見下したまま、彼は冷たい口調で言う。
小島は相変わらず震えていたが、海馬がすぐに襲ってこないのを見て、少しだけほっとする。
「ケイちゃんと呟いていたな。そいつもこのゲームに参加しているのか?」
質問してきた。この殺し合いに乗っているなら、その問は無意味なはずだ。
小島はまた少しだけ平静を取り戻す。しかし、未だに声が出ない。まだまだ怖い。
しばらく、二人とも沈黙。
「……別にそいつを殺そうなどと思っているわけじゃない。俺は情報が欲しいだけだ。
貴様もあの薄汚いワポルという男が憎いのなら、俺に協力するがいい」
「…………ケイちゃん……」
小島が漸く口を開いた。海馬は薄く冷笑する。
一度声を出せば、あとは雪崩のように次々と言葉が出てきた。次々と次々と。
海馬は沈黙したままなのでなんとなく気まずかったが、小島はそれでも構わず話し続けた。
玄野計……彼氏について刻々と語り続ける。
「それだけか」
一通り話尽くした後、海馬は冷たく言い放つ。なんとなく不機嫌そうに見える。
「海馬さん……私、あの部屋で玄野君を見たような気がするんです。
あ、あのよければ……」
「一緒に探してくれとでも?」
小島の顔はぱっと明るくなる。お願いします、と海馬に言う。
だが……
「──だが断る。ふん、下らない。友情、愛、そんなもの犬のクソにも匹敵する愚かな考えだ。
小島、貴様はゲーム攻略のための切欠に過ぎん。何故俺が貴様の彼氏を助けなければならない」
矢継ぎ早に海馬は言い放ち、小島に拳銃を突きつける。小島の顔は再び真っ青になった。
薄く笑いながら海馬は話を続ける。
「今のままでは貴様は何の役にも立たない。だが、死ねば……貴様が死ねば、貴様の首輪と支給品は俺に受け継がれ
────ゲーム攻略へ一歩近づく事が出来る。お前のちっぽけな命は俺の糧となる!
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!」
「…………きゃああああああああ!」
小島は無我夢中で海馬に体当たりを食らわし、机から飛び出る。
海馬は冷静に、小島の背中に銃口を向け、引き金を引いた。
────パンッ!
破裂音と共に、銃弾が小島を貫いた。べしゃりと床に倒れ、周りを赤く染めていく。
海馬が小島のデイパックを拾い上げ、カツカツと近づいてくる。
「ケイちゃ……ケイ……ちゃん……」
しばらく玄野の名前を呟いていた小島だったが、その声は次第次第に小さくなっていく。
「ククク……いつまでもケイちゃんとやらの助けを乞い続けるがいい」
女の声が聞こえなくなった。死んだか……
ここは民家だ。ならば包丁があってもおかしくはない。
海馬は台所を漁る。しかし、予想に反し、包丁は見つからない。
ワポルは武器になるようなモノを置いていないのだろうか。
壁をいとも簡単に破壊出来たガンツスーツなら、小島の首をねじ切り、首輪を回収できるはずだ。
しかしそんな事をしては派手に返り血を浴びてしまう。まだまだ海馬には情報が足りない。
情報を得るためには他の参加者と嫌でも接触しなければならないだろう。返り血を浴びていては……確実に情報交換どころではない。
デイパックを小島の顔に被せればいいかもしれないが、些か不安が残る。
デイパックの生地はそれほど厚くはないし、顔や首を完全に隠しきれるほどの大きさもあるとは言い難い。
何とかなるかもしれないが、危険を冒すには少しリスクが高い。出来れば別の方法を用いたいものだ。
結局民家には、刃物は一本も置いていなかった。海馬は気を取り直し小島のデイパックに手を伸ばす。
何か都合のいい支給品が入っていればいいが……
海馬の期待は外れ、首を切るのに役立つ道具は入っていなかった。海馬は悔しそうに歯軋りする。
刃物だけではない、何か返り血を浴びないようにする工夫が必要だ。
仕方ない。とりあえずあの女の死体はここに置いといて、後で首輪を頂きに来るか。
刃物を探すがてら、他の参加者の様子でも確認するとしよう……。
海馬は民家から出て、歩きだす。目的はワポル打倒。しかし手段は選ばない。
彼が突き進むロードははたして栄光へと続いているのだろうか────
【A‐1 / 一日目 深夜】
【海馬瀬人@遊戯王】
【装備】:ベレッタ(残弾数6/7)@現実 GANTZスーツ(ロワ仕様)@GANTZ
【所持品】:支給品一式×2 手榴弾×4 RPG@現実 不明支給品0~2
【状態】:健康
【思考・行動】
1:返り血を浴びないように小島の死体から首輪を手に入れる。そして首輪分析
2:ワポル打倒を目指す。ただし手段は選ばない。友情ごっこなんぞに興味はない
※参戦時期はおそらく王国編以前だと思います
※小島多恵から色々と話を聞きました
海馬が消えた。ドアが開く音がしたからおそらく外へ出て行ったのだろう。
小島はまだぎりぎり、瀕死だがぎりぎり生きていた。
おそらく銃弾は急所から少し外れたのだろう。しかし、結果は変わらない。
小島はどちらにせよ、もうすぐ死ぬ。
ふと、今までずっと抱えていた仮面を取り出す。海馬に見つからなかったのは僥倖と言わざるを得ない。
突き詰めればただなんとなく、その程度の理由だ。小島はただなんとなく、仮面を顔へと持って行く。
もはや意識は薄れ、生と死の狭間を彷徨っている。小島の生存本能が、『こいつ』は味方だと言っている。
これを着ければ助かると言っている。本能に従い、ふるふると手を動かす。
小島を仮面を装着した。手についていた血液に反応し、仮面から骨針が飛び出る。
痛みは感じなかった。むしろ清々しい幸福感のようなもの、そんな感情が小島の胸を満たした。
「ウリィ……けいちゃん……」
【A‐1 民家/ 一日目 深夜】
【小島多恵@GANTZ】
【装備】:
【所持品】:石仮面@ジョジョの奇妙な冒険
【状態】:吸血鬼、瀕死、血液をかなり失っています
【思考・行動】
1:???????
|013:[[しんせかいの かみ]]|CENTER:[[投下順>本編(投下順)]]|015:[[殺人鬼と忍者]]|
|013:[[しんせかいの かみ]]|CENTER:[[時間順>本編(時間順)]]|015:[[殺人鬼と忍者]]|
|&color(skyblue){初登場}|小島多恵|031:[[鬼女 が 生まれた 日]]|
|&color(skyblue){初登場}|海馬瀬人|034:[[夜の海に加わる渦巻く影]]|
#divid(fontSizeManager){}
**全速前進吸血鬼
あの筋肉質の男の突進をもってしても、あの薄いガラスは割れなかった。
それどころか弾かれたようにも見える。そして、この首輪。
いつの間にかこんな処に飛ばされたというこの状況。全く持って非ィ科学的だ。
海馬は落ち着いて辺りを見渡し、周りに誰もいない事を確認、おもむろにデイパックへと手を伸ばす。
デイパックから支給品を全て取り出し、武器はないかと確認する。
自分を参加させたワポルの愚かさを思い、海馬は一人にやつく。
ククク……滑稽だよワポル。残念だが貴様の紙細工のような自信はすぐに打ち破られる事となる。
地上最強のデュエリストであるこの俺を敵に回した事が、貴様の運の尽きだ。
「ふぅん。こんなものか……まあ足りないモノは他の参加者から奪えばいいだけの事」
中に入っていた物で武器になりそうなモノは、拳銃と、何やら黒っぽいスーツ。スーツに関しては、説明書が用意されていた。
【スーシのせつ明だす
これお着たら強くなれまス。頑じょうにもなれます。
今回はロワ仕様としてダレでも着れるようにしてありマス】
簡単に言うと、身体能力、そして耐久力を格段にパワーアップさせる事が出来るスーツらしい。
非科学的だと思いつつも、とりあえず海馬はスーツを着てみる事にした。
幸いここは家屋が集まる集落。着替える場所などいくらでもある。
海馬は適当に選んだ家のドアを開け、土足で中に侵入する。
家の中は夜の闇も相まって、何も見えない。何者かが潜んでいるかもしれない。慎重に慎重を重ね、海馬は歩く。
扉を閉め、安全を確認し、海馬はデイパックからスーツを取り出す。
暗くて分かり難いが、明かりをつける訳にはいかない。そんな事をしては取るに足らない雑魚どもが集まってしまう。
「ふぅん……」
とりあえずスーツを着てみた。このままではなんとなくカッコ悪いので、上から元々着ていた服を着る。
体には特にこれと言って変化はない。身体能力パワーアップというのは嘘か?
ま……試してみるまで分からんか……
「…………」
家の壁に向けて拳を構える。自分がしようとしている行動を思い、海馬は自嘲気味に笑う。
俺はワポルなんぞには決して従わん。だが、俺以外の軟弱な馬の骨どもと手を取り合って奴に反抗、というのもあり得ない。
俺は俺一人の力でこのデスゲームを攻略してみせる。クク……下らん友情ごっこがいかに愚かか教えてやる。
ゲームに勝つ手段は、選んではならんのだ……
「滅びのバァァーーーーーストストリィィィィィムッッ!!」
海馬は叫び声と共に、拳を放つ。豪快な音と共に拳は壁を突き破り、巨大な穴を開ける。
海馬はしばし呆然としていたが、スーツの効力を理解し、顔を愉悦に歪める。
「………ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
そして高笑い。ワポルは完全に自分を嘗めているようだ。
視界の端で何かが蠢いた。海馬はさっと首を振り、壁に空いた穴から闇を注意深く見通す。
一人の女が机の下に隠れていた。恐怖に震えながら海馬を凝視している。
海馬は少女を見下しながら無言で壁の穴を通り少女に歩み寄る。
少女、小島多恵は恐怖に震えていた。
いきなり殺し合いと言うわけのわからないゲームに巻き込まれ、気づけばどこなのか分からない民家の中。
極め付きに、壁を簡単に破壊し、やたらと叫びまくる長身の男。どう見ても危ない人物にしか見えない。
歯がかみ合わず、カチカチと不快な音を出す。男が近づいてくる。怖い……怖いけど動けない……。
デイパックに入っていたのは、気味の悪い仮面と、自分では到底扱えそうもない巨大な武器。
これでどうやって戦えというのだろうか。仮面には一応よく分からない説明が附属されていたが、いまいち理解できない。
【やばい時に使うといいよ】使うって……どういう……?
「ケイちゃん……ケイちゃん……」
頭を押さえて机の下にひっこむ。最愛の人の名前を呟かずにはいられない。
何か役に立つかも、そんな藁にも縋るような思いで仮面を意味もなく抱きしめ、小島は涙を流す。
「ククク……どうやら俺には追い風が吹いているらしい」
男が近付いてきた。咄嗟に仮面を彼の視界の外へ隠す。相変わらず見下したまま、彼は冷たい口調で言う。
小島は相変わらず震えていたが、海馬がすぐに襲ってこないのを見て、少しだけほっとする。
「ケイちゃんと呟いていたな。そいつもこのゲームに参加しているのか?」
質問してきた。この殺し合いに乗っているなら、その問は無意味なはずだ。
小島はまた少しだけ平静を取り戻す。しかし、未だに声が出ない。まだまだ怖い。
しばらく、二人とも沈黙。
「……別にそいつを殺そうなどと思っているわけじゃない。俺は情報が欲しいだけだ。
貴様もあの薄汚いワポルという男が憎いのなら、俺に協力するがいい」
「…………ケイちゃん……」
小島が漸く口を開いた。海馬は薄く冷笑する。
一度声を出せば、あとは雪崩のように次々と言葉が出てきた。次々と次々と。
海馬は沈黙したままなのでなんとなく気まずかったが、小島はそれでも構わず話し続けた。
玄野計……彼氏について刻々と語り続ける。
「それだけか」
一通り話尽くした後、海馬は冷たく言い放つ。なんとなく不機嫌そうに見える。
「海馬さん……私、あの部屋で玄野君を見たような気がするんです。
あ、あのよければ……」
「一緒に探してくれとでも?」
小島の顔はぱっと明るくなる。お願いします、と海馬に言う。
だが……
「──だが断る。ふん、下らない。友情、愛、そんなもの犬のクソにも匹敵する愚かな考えだ。
小島、貴様はゲーム攻略のための切欠に過ぎん。何故俺が貴様の彼氏を助けなければならない」
矢継ぎ早に海馬は言い放ち、小島に拳銃を突きつける。小島の顔は再び真っ青になった。
薄く笑いながら海馬は話を続ける。
「今のままでは貴様は何の役にも立たない。だが、死ねば……貴様が死ねば、貴様の首輪と支給品は俺に受け継がれ
────ゲーム攻略へ一歩近づく事が出来る。お前のちっぽけな命は俺の糧となる!
ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!」
「…………きゃああああああああ!」
小島は無我夢中で海馬に体当たりを食らわし、机から飛び出る。
海馬は冷静に、小島の背中に銃口を向け、引き金を引いた。
────パンッ!
破裂音と共に、銃弾が小島を貫いた。べしゃりと床に倒れ、周りを赤く染めていく。
海馬が小島のデイパックを拾い上げ、カツカツと近づいてくる。
「ケイちゃ……ケイ……ちゃん……」
しばらく玄野の名前を呟いていた小島だったが、その声は次第次第に小さくなっていく。
「ククク……いつまでもケイちゃんとやらの助けを乞い続けるがいい」
女の声が聞こえなくなった。死んだか……
ここは民家だ。ならば包丁があってもおかしくはない。
海馬は台所を漁る。しかし、予想に反し、包丁は見つからない。
ワポルは武器になるようなモノを置いていないのだろうか。
壁をいとも簡単に破壊出来たガンツスーツなら、小島の首をねじ切り、首輪を回収できるはずだ。
しかしそんな事をしては派手に返り血を浴びてしまう。まだまだ海馬には情報が足りない。
情報を得るためには他の参加者と嫌でも接触しなければならないだろう。返り血を浴びていては……確実に情報交換どころではない。
デイパックを小島の顔に被せればいいかもしれないが、些か不安が残る。
デイパックの生地はそれほど厚くはないし、顔や首を完全に隠しきれるほどの大きさもあるとは言い難い。
何とかなるかもしれないが、危険を冒すには少しリスクが高い。出来れば別の方法を用いたいものだ。
結局民家には、刃物は一本も置いていなかった。海馬は気を取り直し小島のデイパックに手を伸ばす。
何か都合のいい支給品が入っていればいいが……
海馬の期待は外れ、首を切るのに役立つ道具は入っていなかった。海馬は悔しそうに歯軋りする。
刃物だけではない、何か返り血を浴びないようにする工夫が必要だ。
仕方ない。とりあえずあの女の死体はここに置いといて、後で首輪を頂きに来るか。
刃物を探すがてら、他の参加者の様子でも確認するとしよう……。
海馬は民家から出て、歩きだす。目的はワポル打倒。しかし手段は選ばない。
彼が突き進むロードははたして栄光へと続いているのだろうか────
【A‐1 / 一日目 深夜】
【海馬瀬人@遊戯王】
【装備】:ベレッタ(残弾数6/7)@現実 GANTZスーツ(ロワ仕様)@GANTZ
【所持品】:支給品一式×2 手榴弾×4 RPG@現実 不明支給品0~2
【状態】:健康
【思考・行動】
1:返り血を浴びないように小島の死体から首輪を手に入れる。そして首輪分析
2:ワポル打倒を目指す。ただし手段は選ばない。友情ごっこなんぞに興味はない
※参戦時期はおそらく王国編以前だと思います
※小島多恵から色々と話を聞きました
海馬が消えた。ドアが開く音がしたからおそらく外へ出て行ったのだろう。
小島はまだぎりぎり、瀕死だがぎりぎり生きていた。
おそらく銃弾は急所から少し外れたのだろう。しかし、結果は変わらない。
小島はどちらにせよ、もうすぐ死ぬ。
ふと、今までずっと抱えていた仮面を取り出す。海馬に見つからなかったのは僥倖と言わざるを得ない。
突き詰めればただなんとなく、その程度の理由だ。小島はただなんとなく、仮面を顔へと持って行く。
もはや意識は薄れ、生と死の狭間を彷徨っている。小島の生存本能が、『こいつ』は味方だと言っている。
これを着ければ助かると言っている。本能に従い、ふるふると手を動かす。
小島を仮面を装着した。手についていた血液に反応し、仮面から骨針が飛び出る。
痛みは感じなかった。むしろ清々しい幸福感のようなもの、そんな感情が小島の胸を満たした。
「ウリィ……けいちゃん……」
【A‐1 民家/ 一日目 深夜】
【小島多恵@GANTZ】
【装備】:
【所持品】:石仮面@ジョジョの奇妙な冒険
【状態】:吸血鬼、瀕死、血液をかなり失っています
【思考・行動】
1:???????
|013:[[しんせかいの かみ]]|CENTER:[[投下順>本編(投下順)]]|015:[[殺人鬼と忍者]]|
|013:[[しんせかいの かみ]]|CENTER:[[時間順>本編(時間順)]]|015:[[殺人鬼と忍者]]|
|&color(skyblue){初登場}|小島多恵|031:[[鬼女 が 生まれた 日]]|
|&color(skyblue){初登場}|海馬瀬人|034:[[夜の海に加わる渦巻く影]]|
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: