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2.の基本的考え方に基づき、改定の内容は、次の4点に整理できます。

(1)保育所の役割の明確化
改定の背景を踏まえ、保育所の役割を保育指針に位置づけました。すなわち、保育所は、養護と教育を一体的に行うことを特性とし、環境を通して子どもの保育を総合的に実施する役割を担うとともに、保護者に対する支援(入所する児童の保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援)を行うことを明記しています。その上で、保育所における保育の中核的な担い手である保育士の業務とともに、保育所の社会的責任(子どもの人権の尊重、説明責任の発揮、個人情報保護など)について規定しています。

(2)保育の内容の改善
①発達過程の把握による子どもの理解、保育の実施
誕生から就学までの長期的視野を持って子どもを理解するため、第2章「子どもの発達」において、発達過程区分に沿った子どもの発達の道筋を明記し、第3章「保育の内容」において、乳幼児期に育ち経験することが望まれる基本的事項を示すとともに、乳児、3歳未満児、3歳以上児など
発達過程に応じた特有の配慮事項を示しています。
②「養護と教育の一体的な実施」という保育所保育の特性の明確化
養護と教育が一体的に展開される保育所の生活において、保育の内容をより具体的に把握し、計画-実践-自己評価するための視点として「ねらい及び内容」を「養護」と「教育」の両面から示しています。
③健康・安全のための体制充実
子どもの健康・安全の確保が子どもの保育所での生活の基本であるとの考えの下に、子どもの発育・発達状態の把握、健康増進、感染症など疾病への対応、衛生管理、安全管理などの諸点に関し、保育所が施設長の責任の下に取り組むべき事項を明記しています。加えて、不適切な養育に関する早期把握、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)など地域の専門機関との連携にも言及しています。
また、食育基本法の制定などを踏まえ、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、食育の推進を明記しています。さらに、健康・安全、食育に関する計画的な実施のため、全職員の連携・協力、専門的職員の確保など保育の実施体制を規定しています。
④小学校との連携
子どもの生活や発達の連続性を踏まえた保育の内容の工夫、小学校の子どもや職員間の交流など積極的な連携に取り組むことを奨励するとともに、就学に際し、子どもの育ちを支えるための資料を「保育所児童保育要録」として小学校へ送付することを義務づけています。

(3)保護者支援
保育所における保護者への支援については、保育士の業務として明記するとともに、独立した章(第6章「保護者に対する支援」)を設け、保育所に入所する子どもの保護者に対する支援及び地域における子育て支援について定めています。特に、保育所の特性を生かした支援、子どもの成長の喜びの共有、保護者の養育力の向上に結びつく支援、地域の資源の活用など、保護者に対する支援の基本となる事項を明確にしています。

(4)保育の質を高める仕組み

第4章「保育の計画及び評価」において、これまでの「保育計画」を改め「保育課程」として規定することとしています。「保育課程」の編成により、保育所全体で組織的及び計画的に保育に取り組むことや、一貫性、連続性のある保育実践が期待されます。また、各保育所では保育課程を踏まえ、それぞれの指導計画や食育の計画などを作成することや、指導計画の作成上の留意事項を明確化しています。その中で、障害のある子どもの保育について、関係機関と共に支援のための計画を個別に作成することを規定しています。
保育所においては、保育課程、指導計画に基づく保育士等による保育実践の振り返りを重視するとともに、保育の内容等の自己評価及びその公表を努力義務としています。保育所での自己評価等を踏まえ、職員が保育所の課題について共通理解を深め、体系的・計画的な研修や職員の自己研鑽等を通じて、職員の資質向上及び職員全体の専門性の向上を図ることを求めています。
また、第7章においては、保育の資質向上のための施設長の責務についても明確化しています。
以上が主な改定内容ですが、このほかにも今日的視点を踏まえて、様々な点が強調されています。
例えば、保育所の役割や保育士の専門性について明確にしながら、子どもの健やかな成長のためには家庭や地域社会との連携、協力が欠かせないということ、子どもの人権擁護、虐待防止の観点からも保育所の果たす役割が大きいこと、子どもの自発的、主体的な活動を重視するとともに、子どもの生
活の連続性、発達の連続性、遊びや学びの連続性と関連性を大切にすることなどが規定されており、保育所保育の特性を生かした質の高い保育実践が望まれます。
また、保育指針の根拠法令、関連法令や幼稚園教育要領などとの整合性がこれまで以上に図られていることも、今回の改定の特徴です。それらを踏まえ、保育所が社会的責任を果たしていくとともに、保育の内容の充実や子どもの保育、教育を担う保育士の専門性の向上が求められています。
全国の保育所が、これまでの保育実践の蓄積や受け継がれてきた保育の精神、児童福祉の理念を踏まえ、新保育所保育指針を核に、さらに豊かに保育を展開し、子どもの幸せに寄与していくことが期待されます。