MI-O 第21~30話


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MI-O 第21話「新幹線の中の風景」 2007年 12月 30日 16:03


新幹線が静岡辺りに来た頃にふと南は目を覚ました。それに気付いた美央はあわてて

「まだ寝てていいですよ。名古屋に着いたら起こしますから。」

と南に言った。しかし南は美央に

「いいよ、麻雀打ちは起きてからが勝負や。」

と数時間後に行われる勝負に備えてコンディション作りを始めた。そんな南に感心しながら美央は

「名古屋には何があるのですか?」

と南に聞いた。南は即座に

「ん、名古屋には名古屋城があるけど。」

と答えた。美央は驚いて

「名古屋城という雀荘があるのですか?」

と南に新に聞き直した。南は意味がわからず

「名古屋城はただの城だけど。」

と返答した。それを聞いて美央はあきれて

「師匠、観光じゃないのだから名古屋には何が目的で行くのか教えてください。」

と南に問い質した。

MI-O 第22話「生活費」 2008年 01月 04日 19:51


美央の問いに南は

「飯代と交通費を稼ぎに。」

と素っ気なく答えた。それを聞いて美央は呆れて南に

「ただそれだけの為に名古屋で降りるのですか。」

と文句を言った。美央にしてみればせっかく修業に来たのに意味もなく寄り道することが腹立だしかった。その文句に南は憮然として

「あのなぁ、ゲストじゃないのだから全部自腹やぞ!誰も面倒見てくれないのだからてめえで稼がないでどうやって食っていくんや。」

と逆に問い詰めた。それを聞いて美央は事の重大性に気付きすぐに謝った。南の言う通りである、生活費は自分で稼がなければいけない立場だった。

美央は貯金があるとはいえ出来るだけ使いたくなかった。だから名古屋で負けることを恐れて不安になってきた。そんな美央に追い打ちを掛けるように南は美央に

「稼げなかったら帰ってもらうから。」

と冷たく言い放った。

MI-O 第23話「誤算」 2008年 01月 05日 17:51


その南の一言が美央の胸に重くのしかかった。麻雀を教えてもらうという簡単な気持ちは消え去り、勝たないとすべてが終わるというプレッシャーが美央の心を押し潰そうとしていた。

「浮けばいい、浮けばまた打つことが出来る。」

南は言い過ぎたと思いあわてて追加した。しかし美央はすぐには元気になれず無言で聞き入れるだけだった。

さすがに負けたからといって帰す訳にはいかないと南は美央が負けた時のことを考え計算を始めた。

美央が負けるといつもの倍稼がないとプラスにならない、後、美央の分の生活費もいるからと必要金額の多さに南は頭を抱えた。

美央がプラマイゼロなら稼ぎは普段、美央の生活費がいるから普段の稼ぎじゃ足りない。南はとんでもないことを引き受けたと今頃になって後悔した。

MI-O 第24話「おいしいものを食いたかったらまず稼げ」 2008年 01月 07日 21:11


逆に美央は浮けばいいと思い心が軽くなった。別に今日稼がなくても他の日に大きく稼げばいい、そう思い楽観し始めた。

二人の気持ちがずれたまま新幹線は名古屋に到着した。二人は駅に降りると真っすぐ栄に向かった。

地下鉄に乗り栄駅で降りる。そして地下ショッピング街を素通りして外に出た。美央の名古屋名物を昼食にとの思惑は外れ、向かった先はただのコンビニだった。

「昼飯はパンだ、食い終わったらすぐに打ちに行く。」

と南は美央に言った。その今までの楽観を吹き飛ばすような厳しい指示に美央は戸惑った。雀荘は別に急ぐ必要も無く、普通に食事を取っても何も問題が無かった。

しかし美央はこの指示を理解できたから、文句一つ言わずに指示通りパンで昼を済ませることにした。

意味はおいしいものを食いたかったらまず稼げという意味だった。

MI-O 第25話「本物のプロ」 2008年 01月 10日 22:50


美央が買ったパンはありきたりのものだった。そして南の真似をして牛乳も買った。

コンビニを出て買ったものを食べる二人、まるで他の人が見れば苦学生のような感じだった。

美央はパンを食べながら、今まで女子プロとしていい思いをしてきたけどそれはプロとしてはで無いと深く感じていた。

目の前に麻雀を生業として生きてきた本物のプロが居る。プロとして何でも与えられてきた自分自身を恥じ、欲しいものは自分で取りに行く本物のプロになりたいと美央は思った。

そう思うと美央は今食べたパンの味が一生忘れられない気がしてきた。

逆に南はいつものことなのでさしたる感情も無く、考えることはただ勝つことだけだった。

MI-O 第26話「本当のスタート」 2008年 01月 11日 22:01


南にしてみれば夢も希望もなくただ勝つだけの人生である。勝てなければ自分自身がお荷物になる。

今回は勝負する前から美央というお荷物を背負ったような気持ちで悲愴感を漂わせていた。

二人は気持ちを違えながらもフリー雀荘に辿り着いた。美央は南に

「コンビだと思われないように離れて入りましょうか?」

と言った。南は首を横に振り

「思われてもいい、同卓になったら逆に稼ぎが減る。」

と美央の提案を断った。美央は確かにとうなずき二人は同時に店に入った。

メンバーのいらっしゃいませの掛け声が二人に掛けられ、美央は始めた雀荘に入った時のように緊張して萎縮した。

MI-O 第27話「前途多難な幕開け」 2008年 01月 12日 20:58


南はメンバーに

「この子は初めてやからルール説明してやって。」

と言った。美央はメンバーからルールを説明された。ピンのワンツー、一発赤裏に祝儀500円と普通のルールだから美央はほっとした。

ルール説明をされてるうちに南は卓に入り美央は取り残されたように待ち相席で入れるのを待った。

南は普段の倍稼がないといけないと思い気持ちはあせっていた。そして出足で仕掛けるべきとこを仕掛け損ねて静かにつまずいた。

このつまずきで南は流れを失い和了から長く遠ざかることになった。仕掛けは空回りしリーチは不発になった。

そして南が負けモードになったことを知らずに美央は他の卓に入ることになった。

MI-O 第28話「偶然の勝利」 2008年 01月 14日 20:31


美央は卓に入るなり絶対に負けられないと思い打ち方を改めた。

前回、南にうまく打たれたことを思い出しその打ち方を真似ることにした。

まだ打ち方そのものを教わったわけではなく見よう見真似である。当然美央は意味もわからずただ真似るだけだった。

打ち始めるとその美央の異様な打ち方にたまらず上家が

「お嬢さん、リーチ掛けないとチップもらえないよ。」

と一発裏ドラを狙わないと儲からないと突っ込んだ。しかし美央は

「今はチップより点棒が欲しいから。」

とさりげなく切り返した。美央はチップより主導権、主導権さえ取ればあとからいくらでもチップが入ってくる、とそう思ってた。

そんな美央を他家達は美央がフリーに慣れてないと思い美央を甘く見た。

他家達が美央を軽く見た為、美央の仕掛けが無警戒になり和了に結びついた。そして一戦目は美央はトップになった。

一方、南は相変わらず苦戦していた。

MI-O 第29話「天と地」 2008年 01月 16日 21:57


南は他の三人に押さえ込まれて前に進めずにいた。

美央は二戦目も仕掛けて勝とうとしたが今回は警戒されて動きを止められた。所詮付け焼き刃、美央は南のようにうまく打てなかった。

仕方なく美央は真似事が駄目ならと自己流に切り替えて打ち続けた。そして初戦で他家の動きを止めた効果もあり二戦目もトップになった。

美央は浮けばいいと思っていたのに充分勝ったので、勝ち分を守ろうと三戦目をラス半にした。そして三戦目を二着で締め、美央は浮きどころかノルマを達成した。

そして喜び報告するために南の方に向かったが、そこで見たものは苦戦している南と中身の薄い箱だった。

MI-O 第30話「拒絶反応」 2008年 01月 17日 21:07


南の苦戦は美央には想定外だったからどうしていいかわからずその場で立ち止まったままになった。

そんな美央に南は気付き、美央と目を合わせた後、罰が悪そうに視線を卓に戻した。

美央も南に掛ける言葉が無く無言で待合席に向かった。

美央は待合席に座りながら、南の打ち方が必ずしもうまくいくとは限らないという現実に直面して悩んだ。

このまま旅打ちを続けて意味があるのか?

必ずしも強くなれないなら旅打ちはする必要が無いように思えてきた。そう考え、美央は旅打ちを続ける意欲が無くなってきた。

しかし、美央は心の中でそのドライな考えを拒絶した。自分自身使えないと団体に切り捨てられた立場だったから。