MI-O 第125話(実質131話)「厳戒態勢」 2008年 06月 23日 20:33
「こっちからは見えなくても向こうからはしっかり前を監視してるから、変な素振りしたら怖い人達があわてて出てくるぞ!」
と南が美央に説明した。美央は怯えながら、
「他の人達は何で平気なんですか?」
と南に聞いた。南は
「そりゃああの人達は堅気には手を出さないからみんな安心して前を通ってる。」
と答えた。それを聞いてほっとした美央は
「脅かさないでくださいよ。」
と溜め息混じりで南に文句を言った。
「不審な行動すれば堅気でも何でも事務所に連れていかれるって。あの中に作業着着て数人待機してるのだから。」
と南は美央に言い返した。
作業着?
ヤクザが作業着を着るって美央には理解出来なかった。
※ここから136話(実質142話)まではコミュ限定公開となるが、ミナミさんはその部分を無かった事にしたいらしく、再び127話から書き直しをしています。
MI-O 第126話(実質132話)「精神力」2008年 06月 25日 21:31
「作業着の方が動きやすいから。事務所を襲撃されたらすぐに襲撃者を捕まえなあかんから少しでも早く動けるように服装に気を付けてるわけや。」
と南が美央に作業着の意味を説明した。その説明を聞いて美央は住んでる世界の違いを感じながらただ納得した。
南は美央がヤクザの話を聞いて怯え戸惑ってるから、話を変えることにして美央に
「美央が男に勝てないのは精神力だけや。」
と言った。そう唐突に言われて美央は余計戸惑った。精神力が男に負けてるとは思ってないがヤクザに怯える自分自身を見つめると、男に負けてるのかなと心が葛藤せざるを得なかった。
MI-O 第127話(実質133話)「メンタル面の強化」2008年 06月 27日 20:07
続けて南は
「これからメンタル部分を強化して男に負けない強さを身に付けてもらうから、嫌なら先に言ってくれ。」
と美央に言った。それを聞いて美央は
「嫌じゃないです。強くなるために師匠の言う通りにします。」
と答えた。
「じゃあこれから厳しくやっていくからまず手始めに将棋から始めるぞ。」
と南は美央に言い、美央は「はい。」と返事した。二人はネカフェに辿り着き店に入った。そして3時間パックとペアシートを頼み、ペアシートに座って将棋を始めた。
第128話(実質134話)「開戦」2008年 06月 29日 15:29
前回と違い今回は最初から南が指し美央がそれを観た。始めは美央には何を目的に駒を動かしてるかわからず、美央はまったくついていけなかった。
しかし、ある程度駒組みが進み形が出来てくると美央にも攻めの陣形と守りの陣形がわかってきた。ただ詰め将棋と違い敵の王将は遠くにあるから、これからどうやって敵の王を取るのかわからなかった。
そうこうしているうちに南が歩を進めて開戦した。向こうは歩をぶつけられて初めて長考した。
「次はどうする?」
と南は美央に聞いた。美央は駒の動かし方は知ってるが戦術的なことはわからず答えようか無かった。
第129話(実質135話)「隙を与えない強さ」2008年 07月 01日 18:19
その答えようが無くて困っている美央に教えるようにバタバタと局面が進んだ。
このまま攻め続けるのかと思えば、腰を溜めるように南は駒を打った。
師匠はわずかな隙すら与えないようにして勝とうとしている
そう美央が思うほど南は厳しい一手を放ってた。美央が初対戦の時に押さえ込まれるように南に負けた訳を、美央は今初めて知ることが出来た。
勢いを封じ込まれる、麻雀をさせてもらえない、そうなったら誰も勝つ事は出来ないだろう。対戦相手が反撃してきたら南は一転して受けに回り、相手の攻めを切らせに来た。
こんな人にどうやって勝てばいいの?
美央は改めて南の強さを実感した。
第130話(実質136話)「休養」2008年 07月 04日 12:32
しかし、形勢は美央に分かる程甘いものでは無かった。南が受けに回ったのは攻め切れないからであり、美央が思ってるような余裕など無かった。
局面が進み南の王も危ない状態になってきた。返す刀で南は相手玉に迫り、何とか相手玉を詰むことが出来た。
南は体力を使い果たし美央に声を掛ける気力も無かった。美央も観てるだけで疲れてしまい何もしたいと思わなかった。
そして南はペアシートを立ち漫画の本を探しに行った。美央も疲れてて将棋も麻雀もする気になれないから漫画の本を探しに行った。
第131話(実質137話)「意識の違い」2008年 07月 05日 20:57
美央はこれといって見たい漫画は無かったが、懐かしの少女漫画を見つけてそれを持って元の場所にに戻った。
戻ってみるとすでに南が週刊漫画ゴラクを見ていた。
「『天牌』見てるのですか?」
と美央は南に声を掛けた。
「そうや。」
南は軽く返事した。
「師匠もそんな超能力の漫画が好きなのですね。」
と美央は南に言った。それを聞いて南は
「こういうレベルに近付きたくて俺は努力してるからこうやって麻雀で食っていけてる。」
と美央に返した。そう南に言われ、美央は意識の違いを思い知らされて言葉が出なかった。
第132話(実質138話)「遠い存在」2008年 07月 06日 21:07
美央が即座に否定的なことを言おうものなら、南は美央に才能が無いと思い美央を東京に帰していただろう。
しかし美央は南のハイレベルな麻雀を理解出来たからまだ修業を続けることが出来た。
レベルが違い過ぎて何も言えない美央に
「まだ日は長い、とりあえず休んどけ。」
と南は言った。美央は素直に従い休むことにした。
師匠の麻雀は私には理解出来ないかも
休みながら美央はそう思った。実際に9索が二枚切れてる状態で789の三色に決め打ちして9索を自摸和了する瞬間を見てるから美央には南が遠い存在に思えてきた。
第133話(実質139話)「抑えられる情熱」2008年 07月 09日 21:18
別に師匠に追い付けなくていい、あいつらに勝ってあいつらのプライドをズタズタにしてやればいい
美央は美央をここまで追いやった日本プロ麻雀興行の連中に復讐することを願い休んだ。
「そろそろ行くか?」
と南は美央に言って、二人はネカフェを後にしてプロレス会場に向かった。
美央は歩きながら麻雀を打ちたいと思っていた。朝勝っていたから余計に心が抑えれなかった。しかしそんなことを南が許すはずも無く、美央は無理して心を抑えそれで会話が出来なかった。
逆に南もこれといって言うことなく二人は無言で歩いた。
第134話(実質140話)「整理券」2008年 07月 10日 21:50
角を曲がり大阪プロレスの前に行く道に出ると、大阪プロレスの前に人だかりが出来ていた。
それを見て美央は驚いた。覆面を被った芸人がこんなに人気があると思えなかった。しかし、大阪だからだと美央は一人納得した。
その人だかりの中に交じって二人は会場が開くのを待った。
会場が開き、大阪プロレスの関係者が整理券番号を読み上げ、呼ばれた番号の人が次々と会場に入っていった。
整理券を持ってない美央は心配になって南に
「整理券無いと入れないみたいですよ。」
と言った。
最終更新:2008年07月22日 03:30