広島東洋カープバトルロワイアル2005
59.名探偵
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moriizou
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居間に残った玉山健太(52)と大島崇行(46)は、
同郷どころか同校出身の、実に長い付き合いである先輩後輩の間柄だった。
しかし今は、二人の間には重苦しい空気が流れていた。
あからさまにけげんそうな顔をしている大島にどう説明するか、玉山はずっと考え込んでいた。
同郷どころか同校出身の、実に長い付き合いである先輩後輩の間柄だった。
しかし今は、二人の間には重苦しい空気が流れていた。
あからさまにけげんそうな顔をしている大島にどう説明するか、玉山はずっと考え込んでいた。
「健太さん、一体どうしたんすか?」
「…大島、これは、全部俺の推測なんだ。けど…」
「…大島、これは、全部俺の推測なんだ。けど…」
ようやく頭の中がまとまった玉山は小声で、今までのいきさつを話した。
田中敬人が死んだと聞いて、小島は不気味に笑った。
”ああ、そうだったな”なんて言って。
「そうだった??どうだったってんだ!あいつ、やべーよ!」
しかし、つい先程冷静さを取り戻したばかりだったというのに、玉山はまた興奮していた。
「だから、逃げよう大島!今のうちに、早く!」
玉山は大島の腕をつかみ、無理矢理にでも逃げ出そうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「なんでだよ!今逃げないと…今、クソッ!!」
「小島が…田中さんを、かぁ…」
田中敬人が死んだと聞いて、小島は不気味に笑った。
”ああ、そうだったな”なんて言って。
「そうだった??どうだったってんだ!あいつ、やべーよ!」
しかし、つい先程冷静さを取り戻したばかりだったというのに、玉山はまた興奮していた。
「だから、逃げよう大島!今のうちに、早く!」
玉山は大島の腕をつかみ、無理矢理にでも逃げ出そうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「なんでだよ!今逃げないと…今、クソッ!!」
「小島が…田中さんを、かぁ…」
それは玉山にとっては不運としか言い様がなかった。
小島が田中を殺したという考えは、正しくないとは言い切れない。
だが、それが間違っている事を知っている人物が、
このゲームに参加している中ではただ一人だけいたのだ。
小島が田中を殺したという考えは、正しくないとは言い切れない。
だが、それが間違っている事を知っている人物が、
このゲームに参加している中ではただ一人だけいたのだ。
そう、他でもない。田中敬人を殺した、大島崇行だ。
(健太さん、…大丈夫か?)
田中さんを殺したのは自分だ。それは間違いない。
(あぁ、だから思い出させんなって!グロいんだから!)
ただ、気になる事が一つ。
なんで小島さんは”笑った”んだろうか?本当に狂ってしまってるのか?
(あぁ、だから思い出させんなって!グロいんだから!)
ただ、気になる事が一つ。
なんで小島さんは”笑った”んだろうか?本当に狂ってしまってるのか?
が、そんな些細な疑問はこの俺にかかればすぐに解決することになる。
田中さんの言葉をよく思い出してみた。
田中さんの言葉をよく思い出してみた。
─ で、末永に会う前に、小島と逢ったんだ。けど、…俺、あいつを脅して追い返してしまったんだ… ─
小島さんを、脅して、追い返した。
小島さんは、田中さんが死んだと聞いて、笑った。
小島さんは、田中さんが死んだと聞いて、笑った。
…なるほど。
小島さんは田中さんを恨んでいた…ってことか?
そりゃムカつくよなー。脅されて追い返されたら。
小島さんは田中さんを恨んでいた…ってことか?
そりゃムカつくよなー。脅されて追い返されたら。
(わかった!)
全てがつながった。かっこいいだけじゃなくて頭もいいんだね、俺って。
全てがつながった。かっこいいだけじゃなくて頭もいいんだね、俺って。
(…まぁ、言えないけどね。“安心して下さい!田中さんを殺したのは俺です!”なんてね)
信用できるとはいえ、かなりの錯乱状態にある先輩。
出会って一年も経っていないが、襲われたというのに顔色一つ変えなかった強心臓の先輩。
仲間を求める自分の前に、二人が現れた。
さて、どうしたものか。
出会って一年も経っていないが、襲われたというのに顔色一つ変えなかった強心臓の先輩。
仲間を求める自分の前に、二人が現れた。
さて、どうしたものか。
【生存者残り34名】
リレー版 Written by ◆CSaSPFPJ7o