何かを熱弁しているらしいのはまだ若い野手、松本高明(背番号45)だ。 最初にこの島中に放り出されたとき 森の中で一人佇んでいた男にたどたどしい英語で声をかけたのは彼だった。 『Will you go with me』 それは男にとって少々意外なものであったのだが。 (……どうして、だろう) 普通こういう場合は言葉のあまり通じない外国人を避けるものなんじゃないだろうか 何を考えているのかわかったもんじゃない、普通はそう思うものじゃないんだろうか。 今までこういう事態に陥った事はないが少なくとも自分ならそうすると思う。