拳銃(韓国)

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K5 9mm拳銃


性能緒元
口径 9mm×19パラベラム
全長 189mm
全高 105mm
重量 800g
装弾数 12+1発
作動方式 ブラウニング・ショートリコイル
有効射程 100m
銃口初速 351m/s

韓国軍は1948年に創設してからコルト社のガバメント・モデル(使い古したM1911A1を民間用のパーツでリペアしたもの)とS&WのM10リボルバーを制式拳銃として使用してきた。他にも陸軍第707特殊任務大隊がS&W M459とベレッタM92SBを、海軍UDT/SEALSがH&K P7M13を使用してきたが、K5はこの中のガバメント・モデルの後継として開発された韓国国産の自動拳銃である。

K5は独特なメカニズムを採用した拳銃で、海外にDP51の名で発表した時はセンセーショナルだった。これは「ファスト・アクション」方式を実用化した銃だったからである。通常の拳銃は初弾にハンマーをコッキングしてから発射する「シングル・アクション」と、初弾にトリガーを引けば自動でハンマーが動く「ダブル・アクション」の二種類に分けられる。現代の拳銃はほとんどがダブル・アクション方式だ。使用者は平時にハンマーをデコッキングしたまま携帯するので、急に撃つ時はシングルよりダブルの方が早く撃つ事が出来るからである。しかしダブル・アクション方式には初弾のトリガーが2倍以上重くなるという致命的な弱点がある。その弱点を改良したのがK5が採用した「ファスト・アクション」方式で、ハンマーをコッキングした後にデコッキングしてもハンマーとは関係なく内部の部品は撃発待機中となり、軽くトリガーを引くことが出来、初弾の命中率も高くなる。このファスト・アクション方式はベルギーのFN社が開発したものだ。しかしK5のファスト・アクション方式にも弱点がある。それはトリガーが反応する位置が正確に決まっていないので、発射のタイミングがとれない事だ。最もこの点はプロのシューターでもない限り気にならないという。

ユニークな機構を持つK5だが外見は極一般的な自動拳銃のそれであり、ベレッタのフレームにS&Wのスライドを取り付けたような形状になっている。実際フレームの形とトリガー・バー、グリップはベレッタを大いに参考にしたようだ。スライドはコンパクトで銃のサイズも小さく、手の小さい韓国人にも無理なく使える。左右両側についているセーフティとマガジン・キャッチの位置はとても扱い易く操作性が良い。スライド上にあるベレッタ風のフロント・サイトとリア・サイトにはトリチューム・ダットが付いている。マガジンには残弾を確認できる孔が開いている。本体の分解は簡単にでき、整備性は良い。K5用のホルスターは2種類あり、通常のヒップ・ホルスターと戦車兵用のショルダー・タイプが用意されている。どちらも革製でアメリカ軍のM1911用ホルスターとほぼ同じ形である。

K5の民間バージョンはDP51と呼ばれ、アメリカのFirstshot社が販売している(Firstshot社はK2ライフルの民間型DR-200も販売している)。DP51はK5とほとんど同じ形状と機構を持つが、アメリカでは全く人気が無く売れない拳銃になっているという。40S&W弾を使用するDH40モデルと.45ACP弾を使用するDP45モデル、.22LR弾用のDH52モデル、.380ACP弾用のDH380モデルも開発されたが、アメリカ市場にはほとんど受け入れられてないようだ。

K5を支給された将兵(将校と戦車兵などの特技兵)は「ガバメントよりも当たらない」といってこれを嫌い、ほとんど持ち歩かないという。彼らは拳銃の開発をしたことがない大宇精密が作った拳銃に、しかもファスト・アクションという特殊なメカニズムを持つK5に、大きな不信感を持っているようだ。


M1911A1 45口径拳銃




【参考資料】
コンバットマガジン(株ワールドフォトプレス)


2007-07-16 00:21:53 (Mon)

最終更新:1970年01月01日 09:00