当初、韓国海軍は「ドイツ製214型潜水艦(KSS-II)」→「国産3,500トン型通常動力潜水艦(KSS-III)」→「国産4,000トン型原子力潜水艦(SSX)」と段階的に整備していく計画で、KSS-IIIには国産巡航ミサイルを搭載して戦略兵器として運用する予定だったが、このKSS-IIIを建造する過程を省き、すぐにでも原子力潜水艦を建造する方が効果的な戦略兵器の確保につながると軍首脳は判断した。海軍はこのため、2003年6月にADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)と海軍潜水艦担当官からなる30人余りのSSX事業団を設置し、このSSX事業団は潜水艦設計、KAERI(Korea Atomic Energy Research Institude:韓国原子力研究所)は核推進システムの設計を担当した。事業団は2004~2006年に基本設計概念の研究を終え、2007年から建造に着手し、2012年から2~3年間隔で3隻就役させる計画を立案した。なお、原子力潜水艦は原子力発電所のように低濃縮核燃料を使用するため、朝鮮半島非核化宣言には違反しない。
【2006年10月1日追記】
DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)の関係者は2006年9月27日、3,000t級の次期潜水艦事業(KSS-Ⅲ)は原子力機関でなく、通常動力を採用すると発言した。以前からKSS-Ⅲは攻撃原潜として計画されているという噂が流れており、今回韓国海軍が原潜の建造を諦めたのは周辺諸国の反発を考慮した為と推測されている。KSS-Ⅲは2018年頃から建造が始まる予定。ただ元々韓国海軍は攻撃原潜の建造をKSS-Ⅲの次に行う計画だったので、今後もKSS-Ⅲの後に整備する次々期潜水艦として開発を進める可能性も捨て切れない。