チャムスリ型は2タイプある。基本となる標準型と若干小さい準同型で、輸出名はそれぞれシー・ドルフィン(Sea Dolphin)及びワイルド・キャット(Wild Cat)と呼ばれている。どちらも船型はアシュビル型を参考に設計されているが上構が小さく、主機はガスタービンではなく独MTU社製のディーゼルである。操舵室と戦闘指揮所は分かれており、意思の疎通は伝声管で行う。操舵室は密閉されているが、指揮所は屋根もない露天式である。チャムスリ型は上記のように北朝鮮高速艇の襲撃に備え、韓国漁船団の護衛や領域哨戒を主任務としているため、小~中口径の自動速射砲を主兵装としている。兵装は幾つかのバリエーションがあり、標準型の前期タイプは艇前部に30mm連装機関砲1基と後部に20mmバルカン砲2基を装備し、後期型は30mm連装機関砲を40mm単装機関砲に換えている。準同型艇は艇前部に20mmバルカン砲1基と後部に40mm単装機関砲を装備しており、一部の艇が20mmバルカン砲を30mm連装機関砲に換装した。これらの機関砲はいずれも砲手が乗り込んで直接操作し射撃するタイプだが、防弾板などの装甲が全く無く砲手は敵の弾に無防備に晒されており、西海海戦では次々と死傷者を出して問題になった。この戦訓を受け要所に防弾鋼板が設置され、緊急排水用のポンプと衛星通信装置が装備する改修が行われた。機関銃や小銃の簡易銃座(防弾版付)も増設されている。またFCS(Fire Control System:火器管制装置)の類は一切無く照準は砲手が目視で行っていたが、近年光学式のFCSの導入が進められているという。キロギ型のチャムスリ271号と272号は艇後部の砲を撤去し、MM38エグゾセ対艦ミサイル連装発射筒2基を装備していたが(艇前部の40mm単装機関砲は残っていた)、無理にミサイルを搭載したためバランスが悪く、2隻とも既に退役となっている。両艇はPKMと区別するためにPKMM:Patorol Killer Medium Missileと呼ばれた。