艦載機関砲? > CIWS(韓国)

Mk15ファランクスBlock1B 20mmCIWS


口径 20 mm/99 M61A1 Gatling OGB
銃身長 1.981m(78口径)
銃身数 6門
初速  
発射速度 3,000~4,500/分
射程 1,490m
旋回範囲 360度
俯仰範囲 -20~+85度
俯仰速度 115度/秒
マウント重量 6,577.2kg

ファランクスはアメリカのゼネラル・ダイナミック社(現在は、レイセオン社が販売を行っている)が開発した西側最初のCIWS(Close In Weapon System:近接防御システム)であり、1978年から生産を開始した。アメリカ海軍だけでなく、20カ国を超える国々に850基を越えるファランクスが輸出されており、世界で最も多く使用されているCIWSの1つ[3]。

ファランクスは、近距離における対艦ミサイルの迎撃を目的として開発され、Mk75砲架に、砲、弾薬、捜索レーダーと照準レーダー、火器管制システムを一体化しており、外部のセンサーの支援や管制無しで自律的な自動迎撃が可能[4]。システムはモジュール化されており全体の重量は6,577.2kg(Block1Bの場合)と比較的軽量で、搭載艦艇からは操作用電源と冷却水の供給を受けるのみで作動が可能なため、艦の側は大規模な改修を行うことなくファランクスを搭載することが出来る[5]。ファランクスは、至近距離に接近する対艦ミサイルを確実に撃墜するために、高い発射速度を有する航空機用の20mmM61A1バルカン砲を転用している。原型のM61A1は毎分5,000発の発射速度を有しているが、対艦ミサイル迎撃ではそこまでの発射速度は必要ないため、銃身を回転させるモーターの回転数を落として、最大発射速度を3,000発/分(一銃身辺り500発/分)としている[5]。M61A1の真下には20mm機関砲弾の弾倉(950発収納)が配置されている。この即応準備弾により少なくとも5つの目標撃破が可能であるといわれている[5]。

Block1Bは2000年からアメリカ海軍での運用が開始されたファランクスの改良型で、対艦ミサイルの迎撃能力の向上に加えて、非対称戦闘に備えた小型ボートなど対水上目標や低高度からのヘリコプターや無人機などの脅威への対処能力が付与されているのが特徴である[1][2][6]。ミサイルの迎撃能力を高めるため、20mm機関砲の銃身長を従来の59,8口径から78口径に延長し、弾薬もより破壊力の強い物に換装されている[2]。この改良では、銃身寿命の延長と散布界の改善も図られている[1]。Block1Bでは水上目標に対する追尾照準用にレドーム横に新たに光学/赤外線センサーが装備され、水上目標に対して昼夜を問わず照準・射撃を行う事が可能となった[2]。

韓国海軍ではFFX(韓国次期フリゲイト計画)用のCIWSとしてレイセオン社のファランクスBlock1B 20mmCIWSタレス社のゴールキーパー30mmCIWSの二つの候補を比較検討していた。

韓国海軍ではファランクスは運用されておらず、導入に当たっては要員の訓練や維持整備等のインフラ建設を新たに行う必要があったのに対して、ゴールキーパーは既に韓国海軍の多くの艦艇で使用されており、訓練や整備面での新規投資は必要なく、弾薬の国産化も実現しているなどの利点があった。また、ゴールキーパーはファランクスに比べて機関砲弾の集弾率では遜色があったが、口径の違いによる有効射程の長さと一発辺りの破壊力では圧倒的な優位に立っていた[7]。しかし、ファランクスが改良を重ねて対艦ミサイルへの迎撃能力を向上させたことにより、有効射程の長さと一発辺りの破壊力におけるゴールキーパーとの差は従来ほどでは無くなった。また、小型艇やUAVなど多様な脅威に対する改良の面においても、ファランクスが先んじていた[7]。ファランクスがアメリカ海軍を始めとして20カ国を超える国々に多数が配備され、多額の資金を投じて継続的な改良が続けられていたのに対して、ゴールキーパーは60~70基ほどの運用に留まっており、近年では纏まった数の採用を獲得できなかった事により生産ラインが停止した状況にあった[7]。ゴールキーパーのメーカーであるタレス・ネーデルラント社は、韓国に対してゴールキーパーの改良型の共同開発や生産ラインの韓国への移転を提案したが、いずれも多額の資金を要する事もあり提案は頓挫している[7]。ファランクスが大量生産による量産効果が期待できるのに対して、ゴールキーパーは元々ファランクスよりも高価なシステムだった上にユーロの為替レートの変動もあって、一基辺りの調達費用はファランクスの二倍以上になると推定されていた[7]。FFXは調達コストの削減が重視されており、調達費用の多寡は重要な要素の1つであった。

最終的に2009年6月、韓国海軍はFFXの近接防空火器としてレイセオン社のファランクスBlock1Bの採用を決定した[6]。ファランクスBlock1B一基あたりの調達コストは約1,100万ドルとの事[6]。韓国海軍がファランクスを採用するのは今回が初となる。

【参考資料】
[1]NavWeaps「United States of America 20 mm Phalanx Close-in Weapon System (CIWS)」
[2]レイセオン公式サイト「Raytheon Company Phalanx」
[3]Guide to Military Equipment and Civil Aviation「Mk 15 Phalanx Block 1B」
[4]『艦載兵器ハンドブック改訂第2版』(海人社/2003年)103頁。
[5]梅野和夫『世界の艦載兵器』(光人社/2007年)132~136頁「近接防御火器システム・ファランクスMk15」
[6]FAS「MK 15 Phalanx Close-In Weapons System (CIWS)」
[7]ディフェンスタイムズ「比較優位が難しい海軍の次期近接防御機関砲CIWSとSAAMミサイル機種選定(韓国語)」(2009年5月17日)
[6]THE KOREAN TIMES(オンライン版)「New S. Korean Frigate to Carry US Armament」(Jung Sung-ki/2009年10月6日)

タレス ゴールキーパー30mmCIWS


口径 30mm七銃身機関銃GAU-8/A
銃身数 7門
初速 1,020m/秒(HE弾)、1,150m/秒(APDS弾)
発射速度 4,200発/分
射程 3,000m
俯仰範囲 -20~+80度
重量 6,358kg(砲塔と装填された1,190発の弾薬含む)/システムの総重量9,881kg[1]

オランダ海軍の要求を受けて1976年からシグナール社(現タレス・ネーデルラント)で研究が始まったCIWS(Close In Weapon System:近接防御システム)であり、1978年からシグナールをリーダーとして、マウザー社(独)、エマーソン社(米)を加えた共同開発が開始された[2][3]。シグナールはレーダーと火器管制システムを、マウザーは四連装30mm機関砲を、エマーソンは砲架をそれぞれ担当した。しかし、完成した試製品(SEM-30)は、性能試験の結果、弾薬の散布界が広すぎるとして、オランダ海軍を満足させるには至らなかった[3]。

オランダ海軍の評価を受けて、シグナールでは砲架と機関銃を変更した改良型SGE-30を開発した。SGE-30は、アメリカのジェネラル・エレクトリック社製の軽量砲架EX-83に同社製の30mm七銃身機関銃GAU-8/Aを搭載したものである[3]。SGE-30は1979年11月から性能試験が実施され、オランダ海軍の要求を十分に満たす性能であると評価され、正式発注が行われると共に「ゴールキーパー・システム」の名称が与えられた[3]。ゴールキーパーの生産は1984年から開始された[2]。

ゴールキーパーは、ガトリング式機関砲に捜索用レーダーと照準用レーダーを搭載して、自律的に対艦ミサイルに対する迎撃が可能な自己完結型システムという点ではファランスクス20mmCIWSと同じだが、対艦ミサイルなどを確実に破壊するために、より大口径の米ジェネラル・エレクトリック社製の航空機用30mmガトリング機関砲GAU-8/Aを採用している[2]。GAU-8/Aは元々、アメリカ空軍のA-10攻撃機用に開発された機関砲であり、ゴールキーパーの搭載に当たってもほぼ改装なしに転用されている。そのスペックは、初速1,021m/秒、最大射程3,000m、発射速度4,200発/分(射撃速度を2,100発に変更する事も出来る)と、ファランクスの20mmM61A1バルカン砲を大きく上回っている[3]。ファランクスに比べると機関砲弾の集弾率では遜色があったが、口径の違いによる有効射程の長さと一発辺りの破壊力では圧倒的な優位に立っていた[4]。

ゴールキーパー・システムは、30mm七銃身機関銃GAU-8/A、EX-83砲架、フライキャッチャー射撃指揮レーダー(目標捜索レーダーと追尾レーダーで構成)、弾倉(1,190発収納)、火器管制システム、マウント作動用電源などで構成されている[3]。システムが大型のため、ファランクスのようにシステムモジュールを置くだけでは済まず、砲架の真下の艦内にもある程度の装置を配置する様になっており、その分工事の手間が必要。

韓国海軍ではこれまでに16基のゴールキーパーを調達して、クァンゲト・デワン級駆逐艦(KDX-I)チュンムゴン・イ・スンシン級駆逐艦(KDX-II)セジョン・デワン級イージス駆逐艦(KDX-III)ドクト級ドック型揚陸艦(LPX)に搭載している。韓国海軍が搭載しているのは三星テックウィンでライセンス生産したものである。

[1]NavWeaps「Netherlands 30 mm (1.2) Goalkeeper SGE-30」
[2]艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社/2003年)110頁。
[3]梅野和夫『世界の艦載兵器』(光人社/2007年)132~136頁「近接防御火器ゴールキーパー・システム」
[4]ディフェンスタイムズ「比較優位が難しい海軍の次期近接防御機関砲CIWSとSAAMミサイル機種選定(韓国語)」(2009年5月17日)

40mm連装機関砲「露蜂」

▼コムクスドリ型ミサイル艇1番艇「ユ・ヨンハ」(PKG-711)に搭載された40mm連装機関砲「露蜂」。

口径 40 mm
銃身長 70口径
銃身数 2門
初速 1,005m/秒
発射速度 300発/分(一門当たり)
射程 12,000m(最大)/6,000m(対水上)/4,000m(対空)
旋回範囲 360度
装填弾薬数 1,970発

40mm連装機関砲「露蜂(nobong)」は、大宇(現S&T重工業)が開発した韓国国産の40mm連装機関砲[1]。開発は1988年8月に開始され、1993年12月に開発完了、1996年6月に配備が開始された[2]。韓国では1970年代から20mm機関砲、20mmバルカン砲、40mm/L70機関砲の改良、部品生産などを行っており、「露蜂」の開発はこの技術的な蓄積の上で可能となったとされる[2]。大宇は、既にスウェーデン・ボフォース社製の40mm機関砲L/70、同機関砲を元にして開発されたイタリアのブレダ社製40mm連装機関砲「コンパクト」のライセンス生産を実施しており、「露蜂」の開発では両機関砲の技術が利用されていると思われる。

「露蜂」は、40mm機関砲、自動給弾装置、火器管制システムなどで構成されている。搭載されている70口径40mm機関砲は、砲口初速1,005m/秒、発射速度300発/分(一門辺り)、最大射程12,000m(最大)/6,000m(対水上)/4,000m(対空)の性能を有している[2]。丸みを帯びた砲塔は、アルミニウム製であり軽量で腐食にも強いとされる。弾倉は砲塔直下の艦内に収納されており、1,970発の40mm機関砲弾が収納されている[1]。機関砲の制御を行う火器管制システムはマッハ2程度の速度で飛来する超音速対艦ミサイルに対しても対応可能な能力を有しており、良好な命中精度を確保しているとされる[2]。ただし、「露蜂」は主に沿岸警備艦艇や揚陸艦など沿岸部での活動を主任務とする艦艇を中心にして搭載され、大型水上艦艇への搭載は行われていない事を考えると、対空任務よりも北朝鮮の沿岸警備艦艇を意識した対水上艦任務の方にウェイトが置かれている装備であると思われる。

「露蜂」は対空、対水上目標に対する近接防空火器として、1990年代に建造が開始されたコージュンボン級戦車揚陸艦(アリゲーター型)ウォンサン級機雷敷設艦チョンジー級補給艦、最新のコムクスドリ型ミサイル艇(PKG)など幅広い艦艇に装備されている。また、海軍だけでなく韓国海洋警察の警備艦艇の一部でも搭載が行われている。

「露蜂」の砲塔システムの生産は斗山インフラコアで行われており、S&T重工業は40mm機関砲の生産を担当している[3][4]。

【参考資料】
[1]私たちの海軍(ROKNAVY.COM)「40mm nobong」
[2]国防科学研究所公式サイト
[3]斗山インフラコア公式サイト
[4]KDN自主国防ネットワーク「ユン・ヨンハ号就役」(2008年12月17日)

オットー・メララ 70口径40mm連装機関砲「コンパクト」(Twin 40mm/L70 Compact)

▼ウルサン級フリゲイトに装備されている70口径40mm連装機関砲「コンパクト」

口径 40mm
砲身長 70口径
銃身数 2門
初速 1,000m/秒
発射速度 300発/分(1門当たり。改良型「Twin 40mm/70 K(T)」では330発)
射高 8,700m
射程 12,500m
旋回範囲 360度
旋回速度 90度/秒
俯仰範囲 -13~+85度
俯仰速度 60度/秒
マウント重量 A型5,500/7,300kg(弾薬含まず/弾薬搭載時)/B型5,300kg/6,300kg(左に同じ)

オットー・メララ 70口径40mm連装機関砲「コンパクト」(Twin 40mm/L70 Compact)は、元々イタリアのブレダ社が開発した艦載機艦砲70口径40mm連装機関砲Type70「コンパクト」である[1]。

ブレダ社はスウェーデンのボフォース社製70口径40mm機関砲を元にして、1960年代からイタリア海軍向けに単装型(Type107、Type564)、連装型(Type64、Type106)など各種の40mm機関砲搭載砲塔を開発する事になった[1]。それに続いて登場した連装砲塔型がコンパクトである。

コンパクトは、40mm連装機関砲を強化プラスチック製無人砲塔に搭載している。ドーム型の砲塔の両側面と後面には整備用のハッチが取り付けられており、砲塔直下には、砲塔と一体化した即応準備弾を装填した回転式弾倉が配置されている。回転式弾倉はType A(736発装填)とType B(444発装填)の二種類のタイプが存在する[1]。弾倉から薬室への装填、発射、排莢の一連の動作は自動化されており、毎分最大300発(1門辺り)の発射速度を確保している[1]。砲塔の旋回、俯仰動作はエレクトリック・サーボ方式で行われ、砲塔内部に旋回、俯仰用サーボ・モーターが設置されている[1]。

40mm機関砲用の弾薬としては、曳光徹甲弾、曳光榴弾(遅延信管付き)、破片弾(近接信管付き)などが用意されている[1]。近接信管付き破片弾は、対艦ミサイルや航空機に対して至近距離で爆発して多数の弾片を発生させる事で目標を撃破することを狙っており、弾薬の直撃により目標の撃破を行うファランクスやゴールキーパーとは異なるアプローチを採用している[1]。1976年にイタリア海軍が実施した試験では、亜音速対艦ミサイルが900mに接近するまでの撃墜確率は30%であったとの事[2]。

イタリアのセレニア社とエルサグ社は、コンパクト40mm連装機関砲と射撃統制システム、目標追尾レーダーを組み合わせたCIWS(Close In Weapon System:近接防御システム)「ダルド・システム」を開発した[1]。「ダルド」はシステム全体の名称であり、レーダーや機関砲はユーザーの要請に応じて自由に組み合わせることが出来るのが特徴。コンパクト40mm連装機関砲を使用する場合、航空機や対艦ミサイルなどの経空脅威に対して900~3,000mの迎撃距離を設定しているが、他のCIWSよりも遠距離から迎撃を開始でき、目標距離2~3kmで射撃を開始した場合、1kmに接近するまでに98%撃墜可能であるとされている[1]。

ブレダ社では「コンパクト」に続いて発射速度を二門合計で毎分900発に向上させた「ツイン・ファスト40」などを開発している[2][3]。ブレダ社は、1990年代にイタリアのオットー・メララ社と合併してOTOブレダ社となり、その後合併は解消されたが40mm機関砲についてはオットー・メララ社が開発を担当する事になり、オットー・メララの商品として販売が行われている[4]。

韓国海軍では、ウルサン級フリゲイトポーハン級コルベットの後期建造艦の艦載機関砲としてコンパクト40mm連装機関砲を採用している。当初、目標追尾用レーダーは装備されていなかったが、後部に上部構造物を増設し目標追尾用の三星タレスST1802レーダーを追加装備した艦も登場しており、経空脅威に対する迎撃能力を向上させている[5]。ただし、韓国海軍ではダルド・システムは採用していないため[6]、40mm機関砲用の火器管制システムは別途開発されたものと思われる。

韓国では大宇(現在はS&T重工業)がコンパクトのライセンス生産を担当しており、発射速度を毎分330発(一門辺り)に向上させて装填弾薬数を768発に増加させた改良型「Twin 40mm/70 K(T)」を開発し、1994年6月から生産に入った[6]。大宇は、ウルサン級用に15基、ポーハン級用に40基のコンパクト40mm連装機関砲を生産している[6]。

【参考資料】
[1]艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社/2003年)111頁。
[2]NavWeaps「Italian OTOBreda 40 mm/70 Bofors Compact, "Fast Forty" and other Variations」
[3]梅野和夫『世界の艦載兵器』(光人社/2007年)189~191頁「近接防御火器ダルド・システム」
[4]OTOメララ公式サイト
[5]얼음댕이의 블로그「신궁다연장 발사기의 등장에 즈음하여 올려보는 대한민국 울산급 호위함의 개량안」(2009年5月23日)
[6]Forecast International「Oto Melara Compact 40/Fast 40 Systems – Archived 5/2006」

ボフォース L/70 40mm機関砲

▼チャムスリ型戦闘艇に装備されているL/70 40mm機関砲

口径 40mm
銃身数 1門
初速 1,000m/秒
発射速度 300発/分(1門あたり)
射程 8,700m

L/60の後継として戦後開発されたスウェーデン・ボフォース社製の40mm機関砲。1951年から生産が行われており、世界中の海軍艦艇に搭載されているベストセラー中口径機関砲である。L/60から銃身を延長して初速を上げるとともに、給弾機構を改めて発射速度を2倍以上に引き上げている。

韓国海軍ではL/60 40mm機関砲やKCB 30mm機関砲を代替する形で、中~小艦艇に幅広く搭載されている。韓国での生産は大宇(現S&T重工業)が担当している。

ボフォース L/60 40mm機関砲

▼L/60 40mm機関砲の連装型シールド付
▼L/60 40mm機関砲連装型のMkI
▼L/60 40mm機関砲の単装型

口径 40mm
銃身数 1門
初速 800~880m/秒
発射速度 120発/分
射程 8,400m
俯仰範囲 -5~+90度

1925年から開発が始まったスウェーデン・ボフォース社の機関砲。1930年代から世界中の海軍で採用され、単装、連装など様々なタイプが使用された。日本を始め各国でライセンス生産されている。戦後、改良型のL/70が開発されたが、L/60も旧式艦艇を中心に未だ使用されている。韓国海軍ではチャムスリ型戦闘艇(PKM/キロギ型)の前期型やドンヘ級コルベットに搭載されている。

エリコン KCB 30mm連装機関砲

▼チャムスリ型戦闘艇に装備されたKCB 30mm連装機関砲

口径 30mm
銃身数 2門
初速 1,080m/秒
発射速度 1,300発/分
射程 10,000m

スイス・エリコン社製の機関砲。様々な砲マウントに搭載されたタイプが存在するが、韓国海軍が装備しているのはアメリカ・エマーレック社が開発した連装モデル。ウルサン級フリゲイトポーハン級コルベットの前期型、チャムスリ型戦闘艇(PKM/キロギ型)の中期型など様々な艦艇に搭載されているが、L/70 40mm機関砲に次第に置き換えられつつある。

ジェネラル・エレクトリック 20mm機関砲「シー・ヴァルカン」

▼チャムスリ型戦闘艇に装備されたシー・ヴァルカン20mm機関砲

口径 20mm
銃身数 6門
初速 1,030m/秒
発射速度 750~1,500発/分
旋回速度 80度/秒
俯仰範囲 -10~+55度
俯仰速度 60度/秒

Mk15ファランクスと同じ6銃身ガトリング機関砲M197を人力操作式の有人小型砲塔に装備したもので、韓国海軍ではチャムスリ型戦闘艇のほか、海洋警察の警備船にも装備されている。

M2/K6 12.7mm重機関銃


性能緒元(M2)
重量 38.0kg(三脚架を含まず)
全長 1,650mm
口径 12.7mmNATO(M33)
銃身長 1,143mm(8条右回り)
作動方式 ショートリコイル
発射速度 400~600r/m(M2HB)
銃口初速 887.1m/s
最大射程距離 7,000m
有効射程距離 700~1,000m

米コルト社のジョン・ブローニングが開発した傑作機関銃。1933年に米軍に制式採用されて以来、地上部隊用のみに留まらず、車載、艦載、戦闘機などの主要武器としても採用され、70年以上に渡って現在まで使用され続けている。米軍はもちろん、西側各国の軍隊で標準的重機関銃として採用されている。M2を韓国でコピー生産したのがK6重機関銃。K6の構造はM2とほとんど同じだが、違うのはバレルが改良されてキャリング・ハンドルが取り付けられた事だ。これによりバレルの交換がM2より容易になり、耐久性も高まったという。構造が変わらないためK6とM2はほぼ全ての部品に互換性があり、極端にいうとバレルと幾つかの部品をK6用のものに交換するだけでM2はK6へと変身する。

韓国海軍ではチャムスリ型戦闘艇の近接火器として搭載が行われている。また、武装不審船や海賊撃退用の小火器としてセジョン・デワン級イージス駆逐艦(KDX-III)チュンムゴン・イ・スンシン級駆逐艦(KDX-II)などの大型艦艇に搭載が行われている。

M60 7.62mm機関銃

▼射撃訓練を実施する「チュンムゴン・イ・スンシン」(DDH-957)搭載のM60

性能緒元
重量 10.5kg
全長 1,067mm
口径 7.62×51mmNATO
銃身長 560mm
作動方式 ガス直圧式オープンボルト
発射速度 550r/m
銃口初速 853m/s
有効射程距離 700~1,500m

米サコー・ディフェンス社が1957年に開発した汎用機関銃。米軍を始めとする各国に採用され、分隊用支援火器としてベトナム戦争を初め多くの実戦で使用された。現在米軍はM60の後継としてM240を配備しており、M60は使用されていない。

韓国海軍ではチャムスリ型戦闘艇の一部がM60を搭載している。また、武装不審船や海賊撃退用の小火器として12.7mm重機関銃M2/K6と共にチュンムゴン・イ・スンシン級駆逐艦(KDX-II)などの大型艦艇に搭載が行われている。

【参考資料】
世界の艦船(海人社)
艦載兵器ハンドブック改訂第2版(海人社)
Global Security
Military Analysis Network(Federation of American Sientists)
Naval Technology


2010-03-07 07:49:38 (Sun)

最終更新:2010年03月07日 07:49