FX-II(韓国第二次戦闘機計画)


▼F-15K

2006年1月の報道によれば、韓国空軍は2020年までに戦闘機420機態勢を目指すという。内訳はF-16(KF-16含む)が180機、F-15K(FX-I)が40機、KFX(国内開発)が40機、F/A-50が100機、FX-IIが80機。FX-Iは機種選定ですったもんだした挙句にF-15Kに決定したが、FX-IIは未定。F-15Kを追加発注する可能性もあるという。

【2006.05.18追記】
韓国国防省は第二次FX(FX-Ⅱ)として、2009年からF-15Kを20機追加導入する計画を進めている事を明らかにした。当初は40機を追加して合計80機のF-15Kを運用する予定だったが、予算不足で20機の追加に留められた。この2007~2011年中期国防計画は盧武鉉大統領によって最終決定される。

【2007.01.17追記】
韓国防衛事業庁は第二次FX整備計画(FX-Ⅱ)として、2010~2012年の間にF-15Kクラスの戦闘機20機を海外から導入する事を明らかにした。2006年の報道ではF-15Kを追加で20機導入するとされていたが、今回の発表では導入する機体は競争入札で選ばれるとされており、米ボーイング社のF-15Kのほかに仏ダッソー社のラファール、欧ユーロファイター社のタイフーン、露スホーイ社のSu-35等から選定されるようだ。なおDAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)航空機事業部長の金得煥氏によれば、米ロッキード社のF-35はエンジンを1基しか搭載していないため、作戦性能要求に適合せず選定機種には含まれないという。DAPAは2008年1月までに機種を選定し、同年2月に契約を締結したいとしているが、F-15Kが選ばれた第一次FXでも選定方法の不透明さが指摘されて問題となっただけに(F-15Kの項を参考)、今回も事業は順調に進むかどうか微妙な状況である。

【2007.02.12追記】
米ボーイング社は韓国空軍の第二次FX整備計画(FX-Ⅱ)について、韓国の企業15社と提携して参入すると発表した。

【2007.02.16追記】
DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)の金長官は2007年2月16日に国防省内で記者会見を開き、第二次FX整備計画として2010年から3年間かけてF-15Kクラスの戦闘機20機を導入する事業を正式に進めると発表した。この計画書によれば2007年3月までに要求仕様書を提示し、その後提案された機体について評価チームが検討作業を行って複数の候補機を選び出した後、その中からKIDA(Korea. Institute for Defense Analyses:韓国国防研究院)やADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)、空軍関係者などが評価を行い2008年1月に最終選定機種を発表する予定。

【2007.03.09追記】
2007年3月9日、DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)による第二次FX事業計画の説明会が行われ、米ボーイング社とロッキード・マーチン社及び欧ユーロファイター社の3社が参加し要求仕様書が渡された。仏ダッソー社は参加しなかったため、当初売り込むと思われていたラファールはこの事業の入札機体から外れる事になる。ボーイング社はF-15Kを、ユーロファイター社はタイフーンをそれぞれ売り込む予定だが、ロッキード・マーチン社がどの機体を提案するかは不明。ロッキード・マーチン社は最新鋭のステルス戦闘機であるF-22ラプターを開発・生産しているが、この事業にF-22を提案する可能性は全く無いという。

【2007.04.18追記】
約2兆3,000億ウォン規模といわれるFX-II事業だが、当初予想されていたユーロファイター社とロッキード・マーチン社の入札は行なわれず、ボーイング社のみが単独で入札する事態になった。

【2008.01.23追記】
韓国DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)と米ボーイング社は第二次FX事業のF-15K 20機発注についての価格協議を完了した。関連器材やサービス業務も含め総額20億ドルの契約となる見通しで(エンジンは別にGE社と協議中)、米国防省の最終承認を経て本契約となる。2007年10月に起きた米空軍のF-15C墜落事故で問題となっている機体の構造問題について、ボーイング社はF-15KはF-15Eをベースにした機体なので何ら問題ないと主張している。

【2010年8月1日追記】
第二次FX事業の契約は2008年5月に調印され、合計21機(1機は2007年10月の事故で失われた機体の代替分)が発注された[1]。第一次FX事業(FX-I)で発注されたF-15Kは韓国のサムスン・テックウィン社でライセンス生産されたF110-STW-129Wターボファンエンジンを搭載していたが、FX-IIではエンジンはアメリカのプラット&ホイットニー社で生産されたF100-PW-229EEPに変更されている。両者の性能は殆ど同じで、エンジン変更は二系統のエンジンを用意することで冗長性を確保することや提示された価格やエンジンの信頼性などを考慮して決定されている。

【参考資料】
朝鮮日報
中央日報
連合ニュース
Kojii.net
Defense-Aerospace
M&M「F - 15K 2次事業の1号機の初飛行成功」(2010年4月26日)[1]

【関連項目】


2010-08-01 03:49:01 (Sun)

最終更新:2010年08月01日 03:49
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