CN-235輸送機(韓国)



性能緒元
重量 8,800kg
全長 21.4m
全幅 25.81m
全高 8.17m
エンジン GE CT7-9C(1,750shp)×2
最大速度  
巡航速度 445km/h
航続距離 1,773km
上昇限度  
乗員  

CN-235はターボプロップ双発多用途輸送機で、スペインのCASA社とインドネシアのIPTN(現Diagantara)社が共同で開発・生産し、両社が共同出資して設立したエアクラフト・テクノロジー社(通称エアテック)が販売を受け持っている。

1980年1月に初期設計が開始され、1981年5月に両社1機ずつの原型機の製作に入り、1983年9月10日同時に完成、初飛行はCASA側が1983年11月11日、IPTN側は1983年12月30日に成功した。受注機数は2003年中期で247機(展示・試験用8機を含み軍用型が212機、民間型45機)ですでに212機が引き渡されている。多くの派生型が作られており、235M、MP、MPA、AEWなどの軍用輸送型、哨戒型がある。

多用途を目的としているだけに外観は軍用輸送機の形態をとり、着陸装置を胴体両側面のバルジ内に収めている。胴体後下方には大型貨物扉を装備する事ができ、胴体後方は断面を大きく切り上げてあるので物資・兵員等の空中投下が容易に行えるうえ、離着陸時の機首引き起こし角を大きくでき、STOL(Short TakeOff and Landing:短距離離着陸)の運用に適している。胴体幅は室内床面で幅約2.4m、後方のコンテナ/パレット搭載用のランプ・ドアの大きさは3.04m×2.35mである。前脚・主脚ともシングル車輪を採用しているが、主脚はタンデム式となっている。未整備の飛行場や不整地で離着陸する際に離陸重量との関係を考慮して、軍用輸送機規格に合わせたものと考えられる。主翼はアスペクト比が約11と大きく、ドルニエ社が開発したTNT翼ほどではないが翼端を三角に切り落とし、誘導効力の減少を図っている。

旅客型とした場合は中央通路を挟んで2-2の4列の座席配置で、30inピッチの時は44席、32inピッチの時は38席が取り付けられる。貨物型の場合は大型機用のLD-3コンテナを4個、または88in×125inの標準パレットを2枚搭載できる。また兵員は空挺兵は32名、通常輸送では48名となっている。

韓国はインドネシアからCN-235Mを8機輸入し、その代金として国産練習機のKT-1をバーターで提供した。当時インドネシアはアメリカから防衛物資の輸出停止措置を受けており、KT-1はアメリカ製の部品が多数使われているために問題となった。CN-235Mは第5戦術輸送航空団の第256、258戦術輸送飛行隊に配備されている。

▼貨物を載せたパレットを連続空中投下するCN-235
▼フォークリフトを使って後部ランプから貨物を搭載するCN-235
▼CN-235の貨物室内部

【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)
Kojii.net
Jane's Defence Weekly


2008-02-03 18:23:36 (Sun)

最終更新:2008年02月03日 18:23