KT-1練習機「雄飛」

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。



性能緒元
重量 1,872kg
全長 10.26m
全幅 10.60m
全高 3.67m
エンジン P&Wカナダ PT6A-62A(950hp)×1
最大速度 480km/h
航続距離 1,668km
上昇限度 9,140m
乗員 2名

韓国航空産業の自立計画の一環として開発された、ターボプロップ初級練習機。1988年に計画が始まった時点では、韓国国防省はスイスのピラタスPC-9のライセンス生産を考えていたが、結局TKX-1として1,000億ウォンを投入しての自主開発を決定した。計画と設計をADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)、試作は大宇重工が担当して、1991年6月から原型機の製造に着手した。

試作機は飛行試験用4機、静過重・疲労試験用に3機が製造された。試作1号機は550hpのPT6A-25Aを装備して1991年12月に初飛行したが、離陸から10分後にはテスト用の遠隔計測装置が故障してしまい、無意味な初飛行となった。試作3号機のテスト飛行を担当したアメリカ人パイロットは「操縦するのが不可能な、キチガイ飛行機」との感想を述べている(2007年8月7日付朝鮮日報紙)。1996年に行われた試作4号機のテスト飛行では、勝手に風防が吹き飛ばされる事故を起こしている。開発試験は1997年まで続行し、1998年6月には先行量産型(5号機)が登場した。この間に機首の短縮化や水平尾翼取り付け位置の変更などが実施された。1998年に樹立された韓国の新政府は、国有航空宇宙工業の再構築を指示した。これに応じて大宇重工、現代宇宙航空、三星航空宇宙、及び大韓航空の各社が合同で、1999年10月にKAI(Korea Aerospace Industries:韓国航空宇宙産業)を設立した。KTX-1計画もKAIの業務となり、名称もKT-1に改められた。KT-1は1998年9月に開発作業と機能試験が完了して、1999年より量産が始まり、2000年6月から空軍に就役した。

KT-1のキャノピーは前方風防が枠なしで、前後座席間に仕切り枠を設けたPC-9タイプの右横開き、コクピット内には空調装置が設けられ、0-0方式のマーチンベーカーMk16LF射出座席を取り付けた。エアブレーキは胴体下部にあり、フラップ、脚の上下を含めて油圧で作動する。

韓国空軍は老朽化したT-37とT-41の代替に85機、KT-1から派生した戦場統制型のKO-1を120機生産する事を計画している。また海外への輸出も盛んに行われており、インドネシアにKT-1B 13機が6,000万ドルで、メキシコ(2006年9月契約)にKT-1 24機を1億6,000万ドルで輸出している。韓国はメキシコに続きグアテマラにもKT-1 8機の輸出を考えているという。朝鮮日報の報道によれば、トルコの練習機事業にKAI社はKT-1を積極的に売り込んでいるという。2007年1月にはトルコ空軍のパイロットと技術者達が韓国を訪れ、KT-1に対する評価を行った。事業規模は5億ドルで、受注に成功すればK9自走砲に次ぐ国産兵器の大型輸出契約になる。トルコの新型練習機導入事業にはKAI社のほかにブラジルのエンブラエル社が応札しており、EMB-314(EMB-312H)スーパーツカノを提案しているという。スーパーツカノはブラジル空軍をはじめエジプト空軍や英空軍のほか、フランス、ベネズエラ、アルゼンチン、ペルー、クウェート、ケニアなどに採用され700機以上が生産されているベストセラー練習機で、P&Wの1,600shpエンジンを積んだEMB-314はKT-1より遥かに高性能。

KAIではKT-1にカナダのCMC Electronics社製のグラスコクピットや電子装備を搭載したKT-1C、KT-1Cの軽攻撃型KO-1Cを開発中で、KO-1Cは対麻薬戦用機としてメキシコ、ベネズエラなどラテンアメリカでの採用を狙っている。なお、追加発注や新規の輸出が無ければ、2007年のKO-1の生産後にはKT-1の生産ラインは一時閉鎖される可能性がある。

【2007年7月16日追記】
2007年6月20日、トルコ防衛調達局の防衛産業部局は、次期新型練習機事業についてKAI KT-1を採用することを発表した。契約総額は約4億5000万ドルで、内容は36機(+最大19機のオプション)とスペア部品の供給。これらのパーツは2013年までに輸出される。トルコは入札に応じた各企業に対して、60%のオフセットとトルコ企業に業務を割り当てることを要求していた。そのため、トルコに輸出されるKT-1の機体コンポーネントの一部は、トルコで生産されたものが使用されることになる。将来的には、トルコでのライセンス生産が行われる可能性もある。

2003年11月13日、KT-1(第3訓練航空団所属)1機が訓練中に滑走路近くの河川敷に墜落した。教官は脱出したが、訓練生は死亡した。

▼デモ飛行中のKT-1

▼試作機(XKT-1)

▼KT-1Cの模型

【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)
朝鮮日報
Flight Global-KAI offers upgraded versions of KT-1 in bid to extend production
Kojii.net
Defense-Aerospace
DefenseNews.com-S. Korea Emerges as Major Industry Partner for Turkey
Turkish Defence News-Turkey set to forge major S. Korea defense deals

【関連項目】
KO-1戦場統制機


2008-12-27 01:16:37 (Sat)