T-103練習機(Il-103)



性能緒元
重量 900kg
全長 8.00m
全幅 10.56m
全高 3.14m
エンジン テレダイン・コンチネンタル IO-360-ES2B(210hp)×1
最大速度 220km/h
巡航速度 180km/h
航続距離 800km
上昇限度 3,000m
乗員 1+4名

軽練習/訓練・多用途機として旧ソ連のDOSAAF(陸海空軍協力協会)の要求仕様に基き設計・開発が進められ、1990年のモスクワ航空宇宙ショーで初公開、1994年5月に原型初号機が初飛行した。本来の練習/訓練機としてROSTO(ロシア国防スポーツ技術機構)に採用されたほか、警察、ビジネス、農業その他の多用途機としても計画・提案されている。韓国の他にベラルーシやペルー、ラオスなどに輸出されている。

機体構造は低翼単葉、アルミ合金及び一部にチタニウム合金、グラスファイバー複合材が使用されている。輸出を考慮してエンジンを米国製としたほか、米国の耐空性基準に合わせて設計されている。キャビンは前方に教官と訓練生用に2席、後方に2~3人用のベンチ・シートがある。ベンチ・シートを撤去すれば220kgまでの貨物搭載も可能。乗降はキャビン両脇のガル・ウィング式のドアにより行われる。降着装置は前車輪式の固定3車輪、操縦装置は操縦桿方式だが、オプションとして操舵輪や複式操縦装置に変更可能。

韓国では国産のKT-1で初/中等訓練機を統合する予定だったが、結局基礎訓練に用いるのには無理があり、T-41の代替として本機を23機輸入した。今後韓国空軍の飛行訓練体系はT-103>KT-1T-50という流れになるだろう。

【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)


2007-07-28 00:37:39 (Sat)

最終更新:2007年07月28日 00:37
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