韓国滑腔誘導爆弾計画


▼開発中のGPS誘導滑腔爆弾

韓国が滑腔精密誘導爆弾を国内開発していると2006年11月28日に朝鮮日報が報じた。ADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)が現在開発中で、通常の自由落下型爆弾にGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)やINS(Inertial Navigation System:慣性航法装置)等の誘導システムと制御用フィン、滑腔用の翼を取り付けるというもの。攻撃機などに搭載して、敵司令部などの重要固定目標を遠距離から安全に破壊するために使用される。ミサイルとは違い推進装置は付いていないが、滑腔用の翼を持つために高高度から投下すれば100km近い距離を飛翔する事ができる。またGPSなどの誘導装置の搭載により精密攻撃(誤差10~15m)が可能になっている。滑腔誘導爆弾はJDAM等の通常誘導爆弾より射程が長く、またミサイルより価格が安い事から各国で開発が行われており、アメリカ軍のAGM-154 JSOW(Joint Stand-Off Weapon)、中国のLS-6(雷石6)?などが存在する。

韓国政府消息筋によれば国産滑腔誘導爆弾の実験は行われており、100kmの飛翔も成功裏に終わったという。今後3~4年でさらに誘導装置の完成度を高めた後、SAM(Surface-to-Air Missile:地対空ミサイル)に何重も防護された北朝鮮の重要目標の攻撃用として実戦配備が行われる予定。同消息筋は輸出の可能性も示唆した。韓国は戦時統制権委譲後を睨み、この国産誘導弾配備の前にアメリカからJDAMを900発導入する。

【2007.03.21追記】
韓国国防省の金長官が2007年3月21日に発表した内容によれば、韓国の兵器開発当局は現在試験中の精密誘導滑腔爆弾が2012年に完成するという。これはADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)が開発した既存の自由落下型爆弾に装着する精密誘導・滑腔キットで、これまで基礎研究と開発が行われ、飛翔試験も既に成功している。2007年度からは正式化の為の最終開発が行われる予定で、430億ウォンを投じて2012年の完成を目指す。DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)の関係者によれば、この精密誘導・滑腔キットの装着は、韓国軍が保有する全ての通常型爆弾に装着可能だという。

▼韓国紙に掲載された画像

【参考資料】
朝鮮日報
連合ニュース


2009-03-22 01:16:09 (Sun)

最終更新:2009年03月22日 01:16