韓国次期装輪装甲車計画


韓国の防衛事業推進委員会は2007年9月5日、装輪装甲車事業の基本推進計画を決定した。この新型装輪装甲車は6輪で10名の兵員を搭乗させる事ができ、水上浮航能力を持つ。武装は車内からリモートコントロール可能な機関銃を装備する。計画では2011年までに試作車を開発する事になっている。現在斗山インフラコア社、三星テックウィン社、現代重工社の3社がそれぞれ試作車を開発しており、この事業の受注競争はこの3社で行なわれるだろう。既に3社とも試作車を完成させており、国防委員会は2008年度国防予算審議会において、すぐにでも業者の選定を行なって量産体制に入ることが可能という結論を出した。

韓国国防省は今後増加するであろう海外展開(平和維持活動など)や、旧式化したKM900装甲車の後継として国内飛行場や重要目標の警備などに装輪装甲車は必須と考えている。また次期装軌式装甲車として開発が行われているNIFVは高価なため、今後退役していく大量のK200系装甲車を1対1で代替する事が難しく、それを補うためにも安価な装輪装甲車が必要とされている。地方予備役師団は移動用に無防備なトラックしか装備していないが、機動力と生存力を高めるために装輪装甲車の配備も考えられると軍関係者は語った。アメリカ軍もストライカー装輪装甲車を中心とした、輸送機などで迅速に海外展開出切る機動力の高い旅団の編制を行なっており、韓国軍もこの事例に刺激されたものと思われる。もし軍から正式に次期装輪装甲車が発注されれば500~1,000輌(2007年3月19日付の韓国ディフェンス・ニュースでは約2,000輌と伝えられた)という大量の契約が見込まれる事から、韓国の各開発会社は海外の軍需企業と連携しつつ受注の機会を虎視眈々と狙っているという。



2007-10-28 23:39:47 (Sun)

最終更新:2007年10月28日 23:39