韓国無人偵察機計画


▼第1次試作機

▼ソウル・エアショー2007で展示された第2次試作機のモックアップ

韓国はこれまでイスラエル製のRQ-2やアメリカから技術を導入して国内開発したRQ-101などのUAVを保有してきたが、これらの機体のリバースエンジニアリングで得た技術情報を元に完全国内開発した新型UAVを現在製作している。このUAVはKAL(Korean Air:大韓航空)が中心となって開発した機体で、民間での使用を前提に開発が行なわれているが、大韓航空によれば簡単な改修で軍事用UAVに転用する事が出来るという。開発は2004年9月から始まり、2007年8月22日に第1次試作機による長距離飛行テストに成功した。国産化率は97%で、機体のみならずエンジン、統制システム、監視装備などほとんどが国産だという。運用に必要な人数は5人で、3.5tトラック2台に統制システムと機体3機を積む。機体下部には26倍ズームの光学カメラを装備しており、半径40km以上を約2時間半の間、リアルタイムで監視する事ができる。

KALは2009年までに第1次試作機での試験結果を元にした、より洗練された第2次試作機を開発し実用かする予定。この第2次試作機の全長は3メートル、翼幅4メートルで、航続距離は往復160km(滞空時間約6時間)。長い滑走路がない山間部でも離陸できるようSTOL性能を高め、夜間でも監視作戦を行なえるようにFLIR(Forward Looking Infra-Red:前方監視赤外線)装置を取り付ける予定で、その映像はリアルタイムで司令部に送信できるようになる。動力はガソリン・エンジンで、機体後部にプロペラを装備する。KALは10年間で5,000億ウォン、海外への輸出も含めれば8,000億ウォンの利益が見込まれるとKAL関係者は語っている。制式化されればこのUAVは「飛鳥」と命名されるだろう。大韓航空はソウル・エアショー2007において、飛行制御システム、通信システム、エンジン、機体射出・回収装置などの開発契約を韓国国内の専門業者らと交わした。

【参考資料】
連合ニュース
PowerCorea


2007-11-17 17:49:02 (Sat)

最終更新:2007年11月17日 17:49