T-80U戦車(韓国)


▼韓国陸軍機甲学校のT-80U。ロシア迷彩のまま使用していた。

性能緒元
重量 46.0t
全長 9.9m
全幅 3.4m
全高 2.2m
エンジン GTD-1250 ガスタービン 1,250hp
最高速度 70km/h
航続距離 450km
渡渉深度 5.0m(シュノーケル使用時)
武装 2A46M 51口径125mm滑腔砲×1(44発)
  9M119対戦車ミサイル「レフレクス」
  12.7mm重機関銃×1
  7.62mm機関銃×1
装甲 複合装甲/爆発反応装甲
乗員 3名(車長、砲手、操縦手)

韓国軍は経済協力借款の償還として、ロシアから各種の兵器を導入している。T-80U/UKもその中のひとつで、1996年からT-80U 33輌とT-80UK(指揮戦車型)2輌をBMP-3歩兵戦闘車などと共に導入し、全羅南道・長城郡の機甲学校にアグレッサー(Aggressor:対抗部隊)として配備した。200~300輌を導入する計画もあったが、K1A1の生産・配備により立ち消えになったという。現在はアグレッサー任務から外れ、2005年末までに江原道中東部の第3機甲旅団にBMP-3と共に配備された。韓国軍に送られたT-80Uは輸出仕様ではなく、ロシア軍装備と同じグレードのものだといわれている。

T-80U(オブイェークト219AS)は、T-80の欠点であったガスタービン・エンジンの信頼性の低さや整備のやり難さ、高燃費等の改善を行った改良型主力戦車である。レニングラード・キーロフスキー工場がエンジン開発陣とともに協力し、改良型ガスタービン・エンジンをT-80Aに搭載して完成させた。1985年に登場したT-80Uは、当初1,100hpのGTD-1000TFエンジンを搭載してた(現在のエンジンはGTD-1250)。また、この頃T-72にも装着され始めていた爆発反応装甲ブロック(EDZ、通称「コンタクト」)を標準装備し、砲塔周囲や車体前下部にワイヤーメッシュ入りゴム製補助装甲(対HEAT弾用)も装備するなど、今日よく知られるようになったT-80Uの基本スタイルが確立された。T-80Uは自動装填装置付きの2A46 125mm滑腔砲と、同砲から発射する対戦車ミサイル9M119「レフレクス」(NATOコード:AT-11 Sniper/スナイパー)を主武装としている。9M119はレーザー誘導方式の対戦車ミサイルで、目標に直角に命中した場合はRHA(Rolled Homogeneous Armor:均質圧延装甲)換算で750mmの装甲を貫徹する事ができる。最大射程は5,000m。GTD-1250ガスタービン・エンジンはT-80Uに良好な機動力を与えており、出力/重量比は27.2hp/トンにもなる。このため路外での機動性やダッシュ力は極めて高い。T-80Uはロシアの輸出商品として、積極的に海外各国へ売り込まれた。現在T-80はロシア本国のほか、韓国、UAE(アラブ首長国連邦)、キプロス、パキスタンなどの各陸軍が導入している。

▼射撃訓練を行うT-80U
▼T-80Uの側面
▼第3機甲旅団に配備され、韓国陸軍の迷彩が施されたT-80U

【参考資料】
軍事研究(株ジャパン・ミリタリー・レビュー)
戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)
PowerCorea
戦車研究室
朝鮮日報


2007-11-23 01:43:42 (Fri)

最終更新:2007年11月23日 01:43