Tu-204旅客機(北朝鮮)


Tu-204-100性能緒元
最大離陸重量 94,600kg
全長 46.16m
全幅 41.80m
全高 13.90m
エンジン アヴィアドビガーティリ(旧ソロヴィヨフ) PS-90Aターボファン(16,000kg)2基
巡航速度 810~850km/h(12,100m)
航続距離 4,300km(最大ペイロード時)
必要離陸距離 2,045m
着陸滑走距離 2,000m
乗員 2名
乗客 184~212席

Tu-204はロシアのツポレフ設計局で開発された中距離用双発ジェット旅客機。旧式化したTu-154やIl-62の後継として計画された。開発が始まったのは1983年からで、1989年1月に試作機が初飛行した。Tu-204の基本タイプは1995年に形式証明を取得し、1996年2月からブヌコヴォ航空で運航を開始した。Tu-204はエアバスやボーイングなどの同級機と比べて価格が割安で(約4,000万ドル)、エンジンも信頼性の高いロールス・ロイス社製のものを使用している事もあって、ロシア以外にもイランやシリアなど世界各国の航空会社から発注が相次いでいる。また通常の旅客機・貨物輸送機としてだけでなく、ロシア大統領府専用特殊機(Tu-214VSSN)や海洋哨戒機型(Tu-204P)なども開発・提案されている。

ツポレフ設計局はそれまで旧ソ連製の旅客機の問題点とされてきた経済性の低さを改善するため、Tu-204の開発においてカーボンなどの複合素材を広範囲に使用し、エンジンも信頼性の高い英ロールス・ロイス社製RB211-535ターボファンを搭載した(基本型はソロヴィヨフ社製PS-90A)。主翼にはロシアが独自に開発したスーパークリティカル翼型を採用し、翼端にウィングレットを設けている。操縦系統は3重フライ・バイ・ワイヤ方式を採用し、コクピットも6個のCRTを装備したグラスコクピットで西側製旅客機と同等の技術水準である。運航乗員は2名。座席数は最大214席だが、3クラスに分けて174席で運用する事もできる。貨物輸送型のTu-204C(Tu-204S)、ペイロードを増加させたTu-214、胴体を短縮した近距離用のTu-224なども開発された。

北朝鮮の高麗航空は2007年12月に、以前からロシアに発注していた2機のTu-224(Tu-204-300)の引き渡しを受けた。2008年2月から平壌~瀋陽間の路線に投入されるという。

【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)


最終更新:2007年12月16日 14:11