M1981 122mm自走加農砲



旧ソ連製のD-74(若しくは中国製の60式)122mm加農砲を北朝鮮が独自に自走砲化した車輌。北朝鮮軍の制式名称は不明。1981年に存在が確認されたため、米軍が「M1981」というコード名を付与している。

M1985の車体は北朝鮮が開発した共通装甲シャーシ「トクチョン(Tok-Ch'on)」を利用している。トクチョンは、ソ連が1950年代に開発したATS-59砲兵トラクターを元にして北朝鮮が開発した車両であり、同国で実用化された各種自走砲のシャーシとして使用されている[1]。1つのシャーシから各種派生型を開発することは、開発期間を短縮し、共通シャーシの量産で生産単価を下げることが可能となり、乗員や整備員にとっても共通のシャーシを使用することで訓練や整備面で有利になる、など各種のメリットがある。

122mm加農砲の榴弾による最大射程距離は24kmで、緊急時には離脱装弾筒付徹甲弾による対戦車戦闘も可能。砲の側面に装甲板はあるものの、砲は露載に近い形で装備されており、乗員の保護はほとんど考えられていない[2]。

他の北朝鮮の装甲車輌と同様に、携行SAMを装備している[2]。

【参考資料】
[1]JED「TOK-CH'ON SERIES OF TRACKED SP ARTILLERY SYSTEMS」
[2]金元奉・光藤修『最新朝鮮半島軍事情報』(講談社/2000年)59~67ページ

Grobal Security
Jane's Infomaiton Group
清水惇『北朝鮮軍の全貌』(光人社/2005年)

【関連項目】
D-74 122mm加農砲(60式)


2013-05-02 00:00:37 (Thu)

最終更新:2013年05月02日 00:00