西側コードネームM1992 30mm自走機関砲は、ソ連のZSU-23-4「シルカ」対空機関砲をベースに開発された北朝鮮国産の自走対空砲であり、北朝鮮製対空自走砲の中で唯一全天候性能を有する車両でもある。北朝鮮軍での制式名称は不明であり、M1992はアメリカ軍が付けた仮称。M1992の機関砲に関しては、Jane's Land-Based Air Defence 2006-2007では23mm機関砲としているが、本稿ではNorth Korea Country HandbookやGlobal Securityの記述により30mm機関砲とする。
JED The Military Equipment Directoryによると、M1992の派生型として、砲塔に地対空ミサイルを搭載したガン・ミサイルコンプレックス型が開発されているとの事。これは、地対空ミサイルと30mm機関砲を組み合わせることにより、相互の弱点(機関砲の射程の短かさ+ミサイルの反応時間の遅さ)を補い合い、より効果的な防空能力を発揮する事を目指した改装であると見られる。
【参考資料】
Jane's Land-Based Air Defence 2006-2007(Jane's Information Group)
North Korea Country Handbook(MARINE CORPS INTELLIGENCE ACTIVITY/1997年)
Global Security
JED The Military Equipment Directory