▼ソウル・エアショー2007で公開されたロテム社製6輪装甲車。以前発表されたタイプと比較してライトや車体後部側面の形状など様々な部分が変化しており、幾分洗練された印象を受ける。
▼ディフェンス・アジア2006で公開されたロテム社製6輪装甲車
■6輪型性能緒元
重量
15.7t
全長
6.6m
全幅
2.7m
全高
2.1m
エンジン
ディーゼル 380hp
最高速度
100km/h
浮航速度
12km/h
航続距離
800km
武装
12.7mm重機関銃/40mm自動擲弾銃×1
装甲
乗員
2(車長、操縦手)+10名
■8輪型性能緒元
重量
20.0トン
全長
7.2m
全幅
2.7m
全高
2.7m
エンジン
ディーゼル 380hp
最高速度
100km/h
浮航速度
12km/h
航続距離
800km
武装
20mm機関砲×1
対戦車ミサイル×2
装甲
乗員
3(車長、砲手、操縦手)+8名
ロテム社(現代重工)が韓国陸軍の次期装輪装甲車計画に提案している車輌。社内の形式番号はKW-1で、愛称は「スコーピオン」とされている。6輪型と8輪型が開発されており、基本のAPC(Armoured Personnel Carrier:装甲兵員輸送車)タイプの他にもIFV(Infantry Fighting Vehicle:歩兵戦闘車)タイプ、戦車駆逐車タイプ、自走迫撃砲タイプ、自走対空砲タイプ(700輌量産されるという報道もあった)など様々な派生型が計画されている。2006年10月に韓国で行われたディフェンス・アジア2006では走行デモンストレーションを行ったが、翌日に後輪の車軸が変形して走行不能に陥ってしまった。
2007年10月のソウル・エアショーで公開された装甲車は前年公開されたものとだいぶ形状が異なっており、ロテム社が鋭意開発を進めている事が分かる。この新タイプは仏GIAT社のVBCIや独クラウス・マッファイ社のボクサーのように車体全面にボルトがあり、恐らくアルミ合金製の車体に高硬度の防弾鋼板を増着させているものと思われる。また以前のタイプにあった車体後部側面の出っ張りが無くなり、前部のライトも横にはみ出すタイプから埋め込み型になるなど、全体的にすっきりと洗練された印象になった。ロテム社はこの装甲車用としてハイブリッド・エンジンも同時に発表している。
【2007.12.16追記】
韓国DAPA(Defense Acquisition Program Agency:防衛事業庁)は2007年12月13日、現代ロテム社(旧現代精密工業)とインドネシアの軍産業センターが装輪装甲車の共同開発・生産についての了解覚書を締結したと発表した。この覚書締結は2006年12月に行なわれた両国首脳による「戦略的パートナーシップ」宣言を基にしており、2007年8月に両社の合意が実現した。韓国とインドネシアの軍事的繋がりは強く、
70mm自走ロケット砲 や
KT-1練習機「雄飛」 、
コージュンボン級戦車揚陸艦 などがインドネシアに輸出されており、またインドネシアからは
CN-235輸送機 を輸入している。現代ロテム社製の6輪装甲車はインドネシアに400輌輸出される計画で、他にも東南アジア各国に売り込まれる予定。
▼ソウル・エアショー2007で公開された6輪装甲車の後部。
▼同会場で展示されたロテム社製のハイブリッド・エンジン。
▼ディフェンス・アジア2006の会場を疾走する6輪型。この後、車軸が折れて走行不能になってしまい回収された。
▼6輪型の後部
▼6輪型の兵員室
▼120mm砲を装備した戦車駆逐型(8輪)
▼戦車駆逐型の車体内部。自動装填装置の弾倉部が見える。
▼自走迫撃砲型(6輪)
▼自走対空砲型(8輪)。K30「飛虎」自走対空砲と同じ砲塔を装備している。
▼40mm機関砲を装備した歩兵戦闘車型(8輪)
▼20mm機関砲と対戦車ミサイルを装備した歩兵戦闘車型無砲塔タイプ(8輪)
【関連項目】
韓国次期装輪装甲車(DOOSAN社)
韓国次期装輪装甲車(SAMSUNG社)
2007-12-16 12:49:58 (Sun)
最終更新:2007年12月16日 12:49