KM900装輪装甲車(6614型)



性能緒元
重量 8.5t
全長 5.86m
全幅 2.50m
全高 1.78m
エンジン フィアット Model8062.24 液冷スーパーチャージド・ディーゼル 160hp
最高速度 100km/h
浮航速度 4.5km/h
航続距離 700km
武装 12.7mm重機関銃×1
装甲 8mm
乗員 1+10名

伊フィアット社とオットー・ブレダ社が共同開発した4輪装甲車。6616型(Type6616)偵察装甲車と、多くのコンポーネントが共通化されている。1970年から開発が開始され、1972年に試作車が完成した。生産数は1160輌で、チュニジア、イタリア陸軍等で使用されている。

車体は防弾鋼板の溶接構造で、前部左側に操縦手席、右側に機関室が位置し、後部は兵員室になっている。兵員室の定員は10名で、うち1名は銃手である。乗員及び兵員の乗降は、視察装置と射撃ポートを備えた車体中央部左右のハッチと、視察装置と射撃装置を2基備えた車体後部のランプ・ドアで行われる。なお視察装置と射撃ポートは車体両側面にも3基ずつある。また兵員室上面にはM113装甲兵員輸送車と同型のキューポラがあるほか、2枚のハッチが設けてある。武装はキューポラに装備されている12.7mm重機関銃だが、7.62mm機関銃装備の銃塔を搭載することもできる。また車輪の駆動により水上浮航も行うことができ、最大浮航速度は4.5km/hだ。なお、ボスニアで平和維持任務に就いていたイタリア陸軍の車輌には、増加装甲と3連装の発煙弾発射機が装備された。

韓国では約400輌が現代重工でライセンス生産され、主に首都防衛司令部や飛行場警備、暴徒鎮圧用として使用されている。また派生車輌として81mm迫撃砲搭載型も生産された。

▼車体側面に3箇所の銃眼があるのが分かる
▼KM900のキャビン。ベンチシートではなく、個別に座席が設けられている

【参考資料】
戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)


2009-05-10 01:47:27 (Sun)

最終更新:2009年05月10日 01:47