70mm32連装自走ロケット砲(韓国)



韓国のHANWHA(韓国火薬)社が開発した70mm(2.75inch)32連装ロケット砲システムを、K311 1.25トントラックに装備させた小型自走ロケット砲システム。2004年に発表された。韓国軍にはまだ制式採用されていない(2007年1月現在)。安価で効果的な兵器として輸出も積極的に行われており、インドネシアに200基(ロケット砲のみ?)を8,000万ドルで輸出する契約が結ばれている。

M270「黒龍」やK136「九龍」のような大型の自走ロケット砲が軍団レベルでの火力支援を行うのに対し、この小型MLRS(Multiple Launch Rocket System:多連装ロケット・システム)は連隊レベルの部隊に火力を提供する。小型で軽快な車輌に搭載されており、3人という少人数で運用できるため(但し再装填にはもっと兵員が必要になる)、連隊規模の部隊にも問題なく追随できるという。小口径(70mm)のロケット弾のため重装甲の目標の破壊は難しいが、対人・対軽装甲車輌・対小型舟艇・対低空目標(ヘリ等)用途には威力を発揮する。K223ロケット・モーターの先に装備する弾頭は各種あり、500m四方を制圧する高性能榴弾、9個の子爆弾を内蔵し3,000m四方を制圧する対装甲車輌弾(子爆弾は90~120mmのRHAを貫徹)、低空飛行のヘリコプター等を撃墜するために1,200個の散弾を内蔵するフレシェット弾(飛散範囲35m)、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)やIR(Infra-Red :赤外線)センサーで誘導される精密攻撃弾(CEP/半数必中界:1~2m)などが用意される予定。射程はHE弾(通常榴弾)で7.8km、フレシェット弾で6.0km。


2007-07-15 14:08:34 (Sun)

最終更新:2007年07月15日 14:08
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