本車の開発は1971年にアメリカ陸軍が広域制圧兵器に対する研究に着手した事を端に発する。そして1974年にはGSRS(General Support Rocket System:全般支援ロケット・システム)計画として具体化し、1976年3月に開発提案要求が出されてボーイング社とヴォート社(LTV社)の案が選択され、1977年8月に本格的な開発契約が結ばれた。1979年には新世代歩兵戦闘車として開発が進められていたXM2/XM3と機関系や足回りなどのコンポーネントを共用することが決まり、1980年にLTV社案が選ばれて生産された。開発は三段階に分かれて進められ、その第一段階は基本と成る車体とランチャー、ロケット弾をアメリカが担当して進め、第二段階ではAT2空中散布型対戦車ロケット弾をアメリカと西ドイツ(当時)が担当、第三段階ではアメリカを主体として各種弾頭が開発された。車体はM270の呼称が与えられ、前部にアルミ合金製の装甲キャビンを設けて3名の乗員を収めている。車体後部にはロケット弾とランチャーを左右それぞれ6発ずつ収めるコンテナ(発射ポッド:Launch Pod)が搭載されており、弾頭には任意に各弾種を装着する事が可能だ。
【参考資料】
月刊航空ファン(文林堂)
戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)
朝鮮日報
戦車研究室
Military Analysis Network(Federation of American Sientists)
Kojii.net
Defense-Aerospace