9K115-2対戦車ミサイル「メチスM」(AT-13サキソフォン)(韓国)



9M131性能緒元
全長 80.0cm
直径 9.4cm
重量 13.8kg(発射機10.5kg)
弾頭重量 4.6kg(HEATタンデム)
最大速度 287m/s
射程 80~1,500m
貫徹力 850~900mm(含ERA)
誘導方式 半自動指令照準線一致誘導

ロシアのKPB設計局が開発した9K115対戦車ミサイル「メチス」(NATOコード:AT-7 Saxhorn/サキソホン)の改良型で1992年に公表された。韓国軍は改良型のメチスMを歩兵部隊の中距離対戦車火力として発射機70基、ミサイル1,250発をロシアから導入し、歩兵連隊内の重火器大隊にM40 106mm無反動砲の代替として配備した。メチスMは比較的構造が簡素で誘導方式も簡単なため、徴兵制を採っている韓国軍には相応しい装備だろう。メチスMは新型戦車の防御力テストなどにも使用されている。

メチスMは比較的軽量で、通常2名(射手、弾薬手)で運用される。メチスMはタンデム式のHEAT(High Explosive Anti-Tank:対戦車榴弾/成形炸薬弾)弾頭を持っており、ERA(Explosive Reactive Armour:爆発反応装甲)を装着した戦車も撃破する事が可能。また燃料気化弾頭型も発射する事ができ、壕内の歩兵などに対して威力を発揮する。誘導方式はSACLOS(Semi-Automatic Command to Line-Of-Sight:半自動指令照準線一致)と呼ばれるタイプで、射手がランチャーに備えられている照準器で目標を狙い続けると、コンピュータが発射されたミサイルの後部にある赤外線発信器と照準装置の視線との差異を自動的に計算し、無線を通じてミサイルに飛行経路補正データが送られる仕組みになっている。誘導方式としては簡単で射手に特別な技術は必要なく、移動目標に対しても命中率は高い。また照準方式の性質上、装甲車輌だけでなく低空を低速で飛行するヘリコプターなども攻撃する事ができる。その代わり射手はミサイルが命中するまで目標を捕捉し続けなければならないため、反撃される危険性がある。メチスの射程距離は1,000mだったが、メチスMで1,500mまで延びた。

▼市街地の演習で配置に付く第26機械化歩兵師団のメチスM
▼夜間発射訓練中のメチスM
▼メチスMを積んだK200A1装甲兵員輸送車

【参考資料】
Military Analysis Network(Federation of American Sientists)
kojii.net


2009-05-09 23:52:34 (Sat)

最終更新:2009年05月09日 23:52