KPSAM携帯対空ミサイル「神弓」



性能緒元
全長 1.6m
直径 0.08m
重量 15.0kg
弾頭  
最大速度  
最大射程 7,000m
最大射高 3,500m
誘導方式 2波長赤外線誘導

ADD(Agency for Defense Development:国防科学研究所)とLGイノテクなどの国内企業が共同で開発した初の国産携帯対空ミサイル「神弓(シングン)」は、1995年から開発が始まった。2003年には射撃実験を終え、2004年から本格的に量産が開始されている。韓国軍は1億ドルで第一次量産契約を結んでいる。2007年5月16日には第二次量産が決定された。国防科学研究所神弓事業団長の李氏によれば「8年間に700億ウォンの予算を投入し、世界で5番目に携帯対空ミサイルの独自開発に成功した」と発言し「本格的量産体制により5,000億ウォンの輸入代替効果を得るだろう」としている。韓国は神弓の輸出にも力を入れており、IDEXなどの国際兵器ショーに積極的に出品している。

もともと「神弓」は、フランスから「ミストラル」携帯対空ミサイルのシーカーの技術供与を受けて開発される予定だったが、フランスが拒否したため一時計画が頓挫した。その後「神弓」はロシアの9K39「イグラ」(NATOコード:SA-18 Grouse/グロース)をベースにして韓国独自の技術を加え開発された。2波長赤外線誘導方式の神弓は最大射程7,000m、最大射高3,500mで、7回実施された射撃実験では90%を超える命中率を記録した。神弓はマッハ2.1で飛行し、近接信管を装備した弾頭により目標が半径1.5m内に入ってきた場合、自動的に爆発して約800個の破片をばら撒き敵航空機やヘリコプターを撃墜する。ミサイルの重量は15kg、長さ1.6m、直径8cm。弾頭部のコンポーネントはロシアから供給を受けているという。国防科学研究所によれば神弓はアメリカ製FIM-92「スティンガー」、露製9K39「イグラ」、仏製「ミストラル」などの外国製携帯対空ミサイルと比べて、命中率、運搬の容易性、価格の面で優れているという。

2007年4月の連合ニュースによれば、防衛事業庁は神弓に装着する夜間戦闘用照準器の国内開発が完了し、今後量産が行われると発表したという。この夜間用照準器はADDと三星タレスが共同開発したもので、2000年頃から25億9,000ウォンをかけて開発された。

【2009.06.20追記】
韓国のLIG NEX1社が「神弓」用のIFF(Identification Friend or Foe:敵味方識別装置)を開発した。ADDと共同開発していたもので、4年の期間と50億ウォンの費用が投じられた。国内向けのみならず輸出も視野に入れているとの事。
(Kojii.net/DefenseNews)

▼「神弓」のランチャーと発射架台、ミサイル本体の入ったケースを運ぶ韓国兵
▼ランチャー前方の八木アンテナはIFF用
▼「神弓」は発射架の使用が前提になっており、ランチャーのみでの肩撃ちは出来ない
▼「神弓」の照準部
▼ミサイル本体(ダミー)

▼「神弓」用夜間照準器
▼開発中の「神弓」4連装発射機

▼「神弓」動画(射撃訓練、夜間射撃、威力試験、分解搬送、ミサイルの運搬方法など)
▼「神弓」4連装発射機の動画

【参考資料】
Jane's Defence Weekly
Kojii.net
朝鮮日報
連合ニュース
PowerCorea


2009-07-04 23:05:40 (Sat)

最終更新:2009年07月04日 23:05