Bo-105軽ヘリコプター(韓国)



性能緒元
重量 1,300kg
全長 8.56m
全幅 9.84m(プロペラ直径)
全高 3.02m
エンジン アリソン 250-C20R-3(420hp)×2
最大速度 372km/h
巡航速度 242km/h
航続距離 574km
ホバリング限度 3,200m
武装 12.7mmガンポッド×1
  70mmロケット弾ポッド×1
乗員 2~6名

世界初のリジッド・ローターと複合材ブレードを持つ小型双発タービン機。ドイツのベルコウ社(MBB社、現ユーロコプター社)で開発が始まったのは1962年からで、初飛行は1967年。主ローター・ブレードは4枚で、複合材の使用によりそれまでの金属製ブレードと比べて段違いの耐用性を持つ。これは当時のヘリコプターとしては革新的な事であった。ブレードはチタニウム製のヘッドに固定され、ヒンジ類がないため操縦反応が早く運動性が極めてよい。小型機に双発エンジン搭載は贅沢なため珍しいが、片発停止に対する安全性はその分高い。元は民間型だが、軍用ヘリコプターとしてドイツ陸軍が連絡・観測型の105Mを100機、対戦車攻撃型の105P(PAH-1)を212機採用した。軍用型は胴体左右に小型のウィングを持ち、HOT対戦車ミサイルやロケット弾を搭載可能。速度も民間型より若干早くなっている。Bo-105の生産総数は約1,400機で、世界50ヶ国以上で使用された。ドイツのヘリコプター産業の基盤を造った傑作ヘリコプターと言える。

韓国ではKLH(韓国軽ヘリコプター)計画により1998年に採用され、2機をユーロコプター社から購入、その後2001年までに10機をKAI(大宇)でライセンス生産した。採用されたのは105CBS-5と呼ばれる改良型で、Bo-105系の機体では最も高性能。一機当たりの価格は100億ウォン。

【2009年4月6日追記】
THE KOREA TIMESネット版の2009年3月20日付の記事によると、韓国軍所属のBo-105が、搭載している目標捕捉・指示照準装置(TADS:target acquisition and designation system)を製造していたアメリカ企業が倒産した事により、運用に支障を来たしているとの事[1]。陸軍の情報提供者は、軍が保有する13機(記事ママ)のBo-105の内、観測任務に従事する事が可能な機体は2機に過ぎないことを明らかにした。原因としてBo-105に搭載されるTADSを製造していた米企業の倒産を上げている。Bo-105が搭載するTADSはAH-64アパッチが搭載している装備と同じもので、安定化された光学電子センサー、レーザー測遠機、レーザー目標照準装置、暗視装置等で構成されており、最大探知距離は昼間18km、夜間5.8km。情報提供者は、韓国軍は対応策として国内企業に代替TASDの開発を発注する事を計画していると述べた。

▼Bo-105の後部
▼キャビン後部には4人掛けのシートがある。ウィングに12.7mmガンポッドを装備
▼対戦車ミサイルのランチャー。左右のウィングに1発ずつ装備できる
▼ウィング上に装備されているチャフ・ランチャー
▼Bo-105のローター前に装備されている球状のものがTADS(目標捕捉・指示照準装置)

【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)
Aviation Now / 航空の現代
THE KOREA TIMESネット版「Spy Copter Operations Hit Obstacle」(2009年3月20日)


2009-05-09 20:36:50 (Sat)

最終更新:2009年05月09日 20:36