韓国ティルトローター無人機計画



韓国の2012年の完了を目標とする「国産無人航空機開発事業」が本格的に始まっている。NEX1フューチャー社は韓国製無人航空機開発の第2段階事業に着手、無人航空機の頭脳に相当する飛行操縦コンピュータの製作に入ったと2005年7月5日に発表した。

NEX1フューチャー社が開発に参加している無人航空機はプロペラを活用した垂直離着陸型の航空機で、最高時速は500km、5時間の連続飛行が可能。機体の大きさは全長5.0m、全幅7.0mで機体重量は950kg。100kgまでの装備を付加する事ができる。自動飛行機能などの先端技術が集約された知能型無人航空機だ。山林、海洋、気象分野での遠隔探査、監視、追跡など民需分野はもちろん、国防分野にも活用される見通し。NEX1フューチャー社は航空電子分野を担当している大田研究所を中心に、飛行体の形状に合う搭載用飛行操縦コンピュータの詳細設計及び製作を担当する。飛行操縦コンピュータは航空機の各種機能を制御する。また同機は特定部分が故障しても飛行が可能なようにする多重化機能を持つ。 チョン・ギジン所長は「今回の製作は航空機の核心技術である飛行制御分野の国産化に大きく寄与するだろう。韓国型ヘリコプター事業(KHP)と次世代戦闘機開発はもちろん、誘導武器などにもこの技術が応用できるだろう」と話している。同所長は「既に今年1月に第1段階の研究開発で、実物試製品製作と飛行検証のためのハードウェアとソフトウェアを開発した」と述べた。

総額1400億ウォンの事業費が投入される無人航空機開発にはNEX1フューチャー社をはじめ12の韓国企業とKARI(Korea Aerospace Research Institute:韓国航空宇宙研究院)、KIMM(Korea Institute of Machinery and Materials:韓国機械研究院)、ソウル大学、KAIST(Korea Institute of Science and Technology:韓国科学技術院)など7つの大学などが参加している。今後無人航空機の開発事業は2009年3月までに飛行操縦コンピュータをはじめとする搭載装備、垂直離着陸が可能な新概念飛行体製作、最終組立及び試験評価などの第2段階研究開発事業が行われる。2009年4月から2012年3月までの第3段階期間には飛行体設計補完及び知能化技術適用、飛行試験を経て無人航空機の開発を完了する計画。初飛行は2008年6月に行なわれる予定。

【2007.12.01追記】
2007年11月22日、韓国国産のティルトローター式無人機が全羅南道高興の韓国航空宇宙研究院航空センターにおいて初飛行に成功した。この試験は垂直に離陸したあと、水平飛行に移行する事が目標だった。また同機は29日に行なわれた公開イベントでも同様の飛行に成功した。今回試験に使用された機体は、大きさを40%縮小したテスト用。なおエンジンはドイツ製を使用している。

▼2007年11月22日に初飛行したティルトローター無人機

【参考資料】
Kojii.net
Defense-Aerospace
News from Daedeok Valley KOREA
朝鮮日報
PowerCorea


2007-12-09 11:58:54 (Sun)

最終更新:2007年12月09日 11:58