「篠沢秀夫著『愛国心の探求』(文春新書)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p class="MsoNormal">33 :無名草子さん :2008/04/02(水) 21:38:47<br />
篠沢秀夫『愛国心の探求』。<br />
まず前半はフランスと日本における国家形成の歴史の比較。<br />
後半は国民国家ナショナリズム肯定論。<br />
歴史や国家論にしても政治思想にしても著者の専門外であり、やはり余技の域を出ていないと思われる。<br />
「愛」を強調する愛国心肯定も、なんとも楽観的かつ能天気な代物。<br />
愛国心が恋愛と同等な愛なのだとしたら、愛せない人に押し付けることはできないはずだが。<br />
敗戦・GHQ占領というトラウマを原点としている点で江藤淳と境遇は近いが、<br />
篠沢のナショナリズムには江藤のような屈折した情念はこもっていないし、<br />
小林よしのりのように大東亜戦争全肯定に至るような激しさもない、<br />
よく言えば穏健で穏当なもの。悪く言えば深みがなく能天気な「右のお花畑」とでも言えようか。<br />
モダニズム的教養人による、罪のない「愛国趣味」といった趣。<br />
フランス史に関するトリビアなど楽しめる要素はあるので、読み物としては悪くないが。<br />
ひとつ思うのは、俺は自分なりの愛国心は既にあるので、いまさら他人に愛国心を推奨される必要はないし、<br />
逆に愛国心が嫌いな人がこれを読んで愛国心に目覚めるといったこともなさそうだし、<br />
あまり意味がないんじゃないかと。</p>
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