633 :無名草子さん:2009/02/20(金) 21:34:55
野崎昭弘『離散数学・数え上げ理論』読了。例によってダラダラ締まりのない長文にて詳しくしつこくレビューしマス。
「数え上げる」という「算数」を極めて数学へと至る、という感じの内容。
実際、この種の問題は名門私立中入試でよく出題されるようですね(ブルーバックス『算数100の難問・奇問』などを参照)
冒頭で出されている程度の問題をば算数を駆使してスラスラ解ける小学生というのは普通に存在するわけである。
(まぁそんなガキは泣かしたったらええんですけどね)
1章~3章は、順列・組合せ、パスカルの三角形、確率など。
どちらかというと確率は脇役で、いかに漏れなく効率的に数えられるかというところに重点がある。
4章~5章では、分割数とオイラーの定理、フィボナッチ数・カラタン数とその応用。
ここで「漸化式」と「閉じた公式」が出てきて、次第に算数から数学への橋渡しの様相を呈してくる。
6章からは第二部ということで、やや本格的な理論に足を踏み入れる。
6章では包除原理が扱われる。普通はわかりやすく説明するために、ベン図が用いられることが多いと思うのだが、ここではあえて使っていない。
イメージの助けを借りずに抽象的思考力を鍛えよということか。
7章では、賭博と差分方程式ということで、再び確率が主役となると共に、差分方程式の解法まで説明される。
賭博というネタは数学音痴でも興味を持続できる格好の餌である。そのせいか飽きずに読めた。
8章では自然数のk乗和を、最初は幾何的な方法で、次数が上がると代数的な方法で求め、さらに解析学の方法で鮮やかに求めて見せてその威力を知らしめる。
最後に母関数を使って統一的な公式を導き、多少数学らしい世界を垣間見せてくれる。

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最終更新:2009年04月13日 01:55