国家社会主義の綱領-第ニ章-第八節


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第二章


第八節 住環境整備


日本海側開発


 上記で説明した通り、これからは国家復興のために日本海側の過疎地を開発するべきです。ちなみに、この日本海側の地域は、別名「裏日本」と呼ばれています。今では、日本海側の農村の一部は過疎化が進行してゴーストタウン化しているため、逆に国家主導の都市計画や農業計画にうってつけの土地となりえます。加えて、中露との関係が強化されれば、当然ユーラシア大陸との貿易が盛んになります。そうなれば、これまで長く無視されてきた日本海側の地理的な有利性が注目されるようになるでしょう。恐らく、札幌、新潟、福岡が国際貿易の重要な拠点となります。そして、日本海側で最重要な地域が若狭湾です。現に日露戦争当時、日本海軍はロシア海軍が本土に上陸する地点は若狭湾であると想定し、京都への侵攻を防ぐため舞鶴鎮守府を設置しました。加えて、舞鶴から高浜町にかけての海岸沿いには砲台を設置した事もありました。つまり、若狭湾は軍事戦略的にも非常に重要な土地なのです。したがって、今後ロシアの脅威が拡大する事があれば、舞鶴の海軍基地を増強し、要塞化する必要が出てきます。また、若狭湾はリアス式海岸を持ち、舞鶴は天然の良港であるため、既に国際港湾都市です。近隣には、小浜港、駿河港などがあります。そして、この若狭湾と兵庫県三木市をつなぐ舞鶴若狭自動車道が1987年に開通しています。この三木市は、神戸市に隣接した場所です。したがって、若狭湾からロシア貿易をやる場合、日本国内における物流の拠点は恐らく神戸市になります。また、神戸市における物資の取引は、しばらくはユーロ建てかルーブル建てで行われるでしょう。この若狭湾からウラジオストクまで船舶で積み荷を運んだ後には、シベリア鉄道で欧州まで物資を輸送する手段があります。若狭湾が総合開発され、ロシアのウラジオストクのみならず、上海や香港など中国の諸都市との交易も盛んになれば、若狭湾周辺は半世紀後にはかなりの都市圏を形成していても不思議ではありません。それは外交関係にも変化を及ぼし、中露と日本が蜜月時代に入る事をも意味します。そうなれば、若狭湾を有する近畿地方は日本の心臓部となります。仮にそれが実現すれば、天皇陛下が京都御所へご帰還なされる事も、ありえない話でありません。それは東京から京都への遷都を意味するため、新国家が建国されるのに等しい意味を持つ大きな出来事となります。
 次に考えられるのは、福岡と朝鮮半島との間に海底トンネルを建設する案です。更に、それをシベリア鉄道に接続すれば、大陸直通の大鉄道網を築く事が出来ます。これは、欧州と日本との直通便になるため、シベリア鉄道の利用権を握るロシアは膨大な利益が期待できます。この大開発計画に参加する主要国家は日独になるため、ロシアは日独の技術と資本が投下される事になり、大発展を遂げる事になります。既にシベリア鉄道の電線化工事は終了しているため、次は全線の複線化工事が課題ですが、日独が本格支援すればすぐに実現される事でしょう。したがって、大きな利益が期待できるロシアがこの案に乗って来る可能性は十分にあります。また、ロシアが本腰を入れて圧力をかければ、日本と北朝鮮との国交正常化は十分期待できます。そもそも、日本がロシア寄りになれば、日本政府にとって金正日政権は不必要になり、倒される可能性が高いです。これらの理由から、以下で提唱する都市計画や農業計画は、ロシア貿易の重要性と、過疎化で土地に余裕のある裏日本で実施するべきです。
 一方で、余りにも人口が過密して住環境が悪化した太平洋側の都市の一部は、将来的には遺棄する事も考えられます。特に東京から横浜にかけての地域は、2008年現在で世界最高の人口密度です。しかも、私有地が細分化されすぎたせいで再開発は非常に困難になっています。そのため、東京オリンピックの頃につくられた首都高は現在の交通需要には全く応え切れておらず、東京の慢性渋滞は解消されなくなっています。加えて、東京では未だに下水が完全に整備されていません。何よりも最大の不安要素は、関東大震災が再び起こる事です。したがって、仮に東京で大震災が起こった際には、東京都市圏を遺棄して新しい居住区を裏日本に建設するべきです。これが現実のものとなれば、三千万の人口を有する関東地方から裏日本に膨大な人口が移動するため、非常に大規模な移住計画になります。過去には、第二次世界大戦当時にロシア西部から、シベリアへと人口が大量移住した例がありましたが、東京を遺棄して日本海側に疎開する計画は、恐らくそれに匹敵する規模のものになるでしょう。

建築基準強化


 国土利用を政府の管理下においた上で、総合的な住環境の整備を行うべきです。そもそも日本人が、衣食住の中の食に非常にこだわるのは、それだけ住環境に不満があるからではないでしょうか。つまり、住に不満があるので、食で補おうと言うわけです。そのため、これからの日本は、もっと衣食住の中の住を重視すべきです。仮に住宅建設が飽和すれば、その上に華美な装飾を施しても良いのです。まず、2008年の現在、建築基準の厳格化が実施されていますが、あれは耐震強度偽装事件に対する対処療法的な政策です。そういった対処療法ではなく、確固たる思想に基づく建築文化の熟成を目指すべきです。その思想とは、同世代の協力と、世代間の相続を重視するものです。そのため、孫の世代まで遺せるだけの、高い耐久性を持った建築物を造るべきであると主張します。私は個人的には、アルベルト・シュペーアが提唱していた廃墟価値の理論を支持します。これは、新築されるすべての建築は、数千年先の未来において美学的に優れた廃墟となるべく建築されるべきであるという理論です。これは建築物の使い捨てをやめて、資源を節約するという意味もあります。また、耐久性の高い建築物を作るのは、有事に対する備えでもあります。例えば、欧州において建築物に分厚い壁を備える事を求めるのは、有事の際に小銃弾が建築物の壁を貫通するのを防ぐためです。そのため、確固たる思想に基づく建築文化とは、有事を想定した建築文化の事です。
 したがって、建築物に高い耐久度を要求するために、建築基準の厳格化を進めるべきです。これは地震大国の日本では特に重要な政策です。実は日本では、戦時中に物資が不足した時期に建築基準が著しく緩められ、1980年に再び厳格化されるまで放置されてきたのです。そのため、1980年以前に作られた建築物は既に老朽化している上、現在の耐震基準さえも満たしていないものが多いのです。当然、これらの建築物は震災の際には非常に危険です。こういった、明らかに耐震基準を下回る建築物を解体する事業も、危機管理の一環として行う必要があります。しかし、率直な所そういった作業は余りにも手間がかかってしまいます。したがって、前述の通り、太平洋側の過密都市の一部は丸ごと遺棄する手段も考えられます。
 また、国内にある老朽化したコンクリート建築を発破解体した後に、別の建材を用いた丈夫な建築物をつくらねばなりません。特に、日本列島改造論によって国土が乱開発された70年代初頭のコンクリート建築には海砂がつかわれており、近年では鉄筋の腐蝕が進行して極めて危険な状態です。コンクリートは酸性雨で酸化が進み、急激に劣化が進んでいます。一方で、コンクリートに並んで現在最も多用されている建材であるアスファルトも、原油価格の急騰で費用が跳ね上がっているため、将来的には利用できなくなる可能性が非常に高いです。したがって、将来的には炭化ケイ素の煉瓦を建材にした建築文化を築かねばならなくなるでしょう。煉瓦建築は関東大震災の際に大きな人的被害をもたらしてしまったため、現在の日本ではほとんど見られなくなりました。しかし、耐震性を高めた煉瓦建築を研究開発して、炭化ケイ素を用いた頑強な煉瓦建築を築く必要があります。
 また、建築基準の強化に際しても、耐震性の確保だけでは足りません。これから先の時代を見据えて、より包括的な内容のものにすべきです。具体的には、新規に作られる全建築物に対して、断熱材を使うことを法律で義務づけるのです。既に、ドイツやオランダにおいては、すべての建築物に断熱材をつかうことが法律で義務づけられています。仮に断熱材が導入されれば、夏はエアコンの冷気が逃げず、冬は暖房の暖気が逃げないため、エネルギーの節約にもつながるのです。これは石油危機以降、米国でも推進されてきた事業であり、日本は先進国で断熱材の導入がもっとも遅れた国の一つとなってしまっています。そのため、早急に断熱材の導入を推進すべきです。これらの一連の土地政策と建築基準の強化によって、戦後の焼け野原でバラックを立てて雨風をしのいだ時期の建築文化から脱却して、欧州並みの建築文化を日本に導入すべきです。
 そして、日本海側の総合開発には、確固たる都市計画に基づいた余裕のある都市建設を行う必要があります。孫の世代に完璧な都市を遺す事が今後の課題です。そのために、都市計画の先進国であるドイツから建築士を雇い、完全な都市計画を構築すべきです。この都市計画においても有事を想定し、都市の地下には核シェルターを完備させるべきです。仮に陛下が京都御所にご帰還されるのであれば、特に京都は防備を固めておかねばなりません。政府が緊急事態を宣言した際には、即座に市民を収容できる地下空間をつくり、その中で数年は暮らせるだけの設備を完成させておく必要があります。ちなみに、北京の地下には一千万人の市民を収用できる大地下施設が既に建設されているという噂を私は耳にした事があります。しかし、これは中国の軍事機密であるため、事の真偽と詳細は不明です。
 そういった優れた建築文化を築くためには、それを支援する社会体制が必要です。まず、今の日本の建設業界の現状について説明させて頂きます。現在、日本の建築会社は民間銀行から資金を借りて、建物を作っているのです。そのため、工期が延びるほど銀行への利払いが嵩んでしまいます。こういった背景から、工期短縮のために企業の幹部が建設現場に圧力をかけるため、手抜き工事が増えてしまうのです。これは何も企業の幹部が全て悪いばかりではなく、企業の経営上やむをえない事です。そのため、耐震強度偽装事件は起こるべくして起こった事件であると言えるのです。しかし、住宅は高額な上に、人命に関わるものです。そのため、今の建築業界の慣行は改めるべきです。長く安心して住める家作りをするためには、やはり時間的な余裕が必要です。そのため、行政が低利で建築業界に融資して、建設現場での十分な工期を確保させるべきです。これは、現場で働く労働者への配慮でもあります。何より、住宅建設は国民の生命財産に関わる事だからこそ、行政による綿密な管理が必要です。

国土美化政策


 国土利用を政府の管理下においた上で、是非やるべきは国土美化政策です。これはドイツの戦後復興において徹底的に推進された事業です。この国土美化政策は、雇用創出のためのケインズ的な政策であるため、これは財政が安定してからやるべき政策です。国土美化政策の目的は、意外な事に安全保障にあります。ドイツにおいては送電線を地中に埋める事業を多大な労力をかけて行ってきました。これは単なる国土美化ではなく、実は安全保障という意味も兼ねているからです。仮に有事が起こった際には、地上にむき出しになった送電線は敵国の軍用航空機に狙われてしまうからです。そのため、日本においてもドイツに倣って、地上にむき出しになっているライフラインを地中に埋める事業を行うべきです。しかし、送電線を地中に埋める事業に関しては、常温超伝導物質の発見を待つべきかもしれません。仮に常温超伝導物質が発見されれば、変電所を必要としない送電設備が現実のものとなります。そのため、この物質が発見されて新しい送電線が開発されてから、送電線を地中に埋める事業を推進するのも合理的な案です。
 また、都市の美観を高めれば、犯罪率の低下が期待できます。現に、壁の落書きを丁寧に消す作業を試みた結果、犯罪率が低下した事例がニューヨークで報告されています。また、景観規制の厳しいシンガポールは、汚職の少ない国の一つだとして知られています。ちなみに、シンガポールも土地は国有化されているのです。そのため、私有地を国有化した後の日本でも、景観規制を設けて建築物の色、高さ、大きさなどを統一する試みを始めるべきです。したがって、日本海側の総合開発においては、都市の美観に徹底的にこだわり抜くべきです。具体的には、日本と欧州の伝統的な建築様式を融合させ、普遍的な美を備えた都市を構築すべきです。もちろん、完成した建築物には将来的に華美な装飾を施す事を目指します。そして、近代的な高層建築はパリのラ・デファンス地区のように限定された一カ所に集中させるべきです。

第九節 食糧自給化


国営農場創設


 また、国土を国有化した後に行うべきは都市計画ばかりではありません。それは、食糧自給率を高めるための農業計画です。まず現在の日本の食糧自給率は40%を切り、しかも農業の担い手は七十代が主流となっています。このままでは、間違いなく十年以内に日本の農業は壊滅してしまうでしょう。また、食糧自給率が余りにも低すぎるため、有事の際に海外から食糧の輸入がストップした場合には国民が餓死してしまう事も想定されます。また、自由貿易によって安い外国産の食糧を輸入すべきだと言う声もありますが、将来的には人口爆発で食糧が不足し、国際的に食糧の価格高騰は避けられません。
 そのため、早急に食糧自給率の向上を図る必要があります。その農業計画の内容は、地方の過疎地を利用して、国営の集団農場を創設し、雇用創出と自給率向上を同時に狙う事業です。また、過疎地であれば土地が余っているので、広い住宅を作って与える事が出来ます。そのため、その農場とセットで広い住宅を作り、労働者に対して報酬として提供するのです。その費用に関する事ですが、地方の過疎地を国有化するため、土地代はかかりません。この国営農場の建設候補地は、前述の通り裏日本です。特に新潟県は重要です。なぜなら、若狭湾に大都市を建設する場合、近隣した土地から食糧を供給しなければならないからです。したがって新潟県を大農地として開墾し、そこに大きな労働力を投入するべきです。次は、北海道が有力な候補地です。なぜなら、広大な土地があり、しかも気候が寒冷で、地球温暖化の影響をうけにくいからです。実は地球温暖化の影響で、米の粒が大きくなってしまい、東北の米は大味になり、品質がほんの少し落ち始めています。また、それは寒冷な土地での栽培に適しいている蕎麦にも当てはまる話です。そのため、最高級の米と蕎麦は、既に北海道産の品とされているのです。この米と蕎麦の話は2007年7月初版発行の高城剛著「サヴァイヴ!南国日本」からの引用です。
 この国営農場には団塊世代の人々を主に動員すべきです。これは、定年退職後の雇用確保という意味合いがあります。この団塊の世代の老後に関する話ですが、老後に年金を貰ってゲートボールをするだけになると、本人からしても生活にハリがなくなるのではないでしょうか。なぜなら、社会から疎外され、社会に貢献できなくなるからです。そうなれば、息子や娘から疎まれても無理はないでしょう。老後に何をやっていいですよ、自由ですよと言われると、大半の人は途方に暮れるだけです。そのため、「孫のためにお米を作ろう」いうスローガンで農業を奨励すべきです。実際に、作った米を孫の家に送る宅配サービスを実現する事も十分可能なはずです。こういった事業に、世界最高の正確度を誇る日本の宅配便を利用しない手はありません。しかも、全ての住宅にブロードバンド環境を提供して、パソコンを通じて無料のテレビ電話である Skypeを利用できるようにすべきです。それにより、孫といくらでもテレビ電話で会話できるようになります。
 しかも、適度な肉体労働は、健康維持にもつながます。また、組織的な定期検診を徹底して疾病の予防と早期発見を試みるべきです。そして、全てのカルテは住基ネットで管理し、必要とあらばインターネットを通じていつでも本人が参照できる制度を作るべきです。こういった総合的な取り組みを行えば、医療費をギリギリまで圧縮でき、同時に健康な老後を実現できるようになります。つまり、老後に広い家に住んで、健康な体で農業を営める社会体制を国ぐるみで築くわけです。
 加えて、この政策は団塊世代の人々が持つマイホームを、早期に手放させる効果も狙ったものです。つまり、田舎に広い家を用意する事で、都市部にある彼らのマイホームを早期のうちに政府へ収用させてしまうのです。また、この政策で食糧自給を実現し、人口の分散を実現できれば、生活環境が改善されるため、出生率の上昇も期待できます。蛇足ですが、東京湾にアクアラインを開設するより、こういった事業を立ち上げた方が遥かに国民のためになるのではないでしょうか。なぜなら、最小限の投資で、一石二鳥どころか三鳥も四鳥も狙えるからです。また、食糧自給の次の課題は、エネルギー自給です。これは安全保障の要でもあります。
 また、この国営農場における農業なのですが、できうる限り有機農業を目指すべきであると主張します。なぜなら、近代的な機械農業が実質的に破綻し始めているからです。70年代に、ソビエト政府は中央アジアにおいて、綿花の増産のために大規模な灌漑を行いました。その結果として、短期間には綿花の収穫量が急増しました。しかし、その後は大規模な塩害が発生して、綿花の収穫は激減し、灌漑を実施した地域は人が住めない塩の砂漠に変わってしまいました。これからは、米国中部のグレートプレーンズが同じようになります。なぜなら、地下水の過剰な汲み上げで、地下水脈の推移が急激に低下し始めているからです。これが進めば、いずれは地下水脈が枯渇して農業を維持できなくなります。しかも、化学肥料のつかい過ぎで地力が疲弊し、米国の農地は更に荒廃し始めています。加えて、温暖化による砂漠化と、塩害の被害が急速に広がりつつあります。そのため、アメリカの企業式農業は半世紀後には破綻する事がほぼ確実です。どうやら、現行の機械農業は、塩の砂漠しか遺しそうもありません。したがって、有機農業を見直し、それを早急に導入する必要があります。

淡水輸出事業


 農業には当然、水が必要です。しかし、これから先の時代には、人口爆発による需要の増大で、淡水は石油並みに貴重な資源となります。したがって、今後最も大きなニーズが期待できる商品は、安全な飲み水と農業用水です。特に、水不足に喘ぐ中国北部とインド南部は、淡水を販売すれば積極的に購入する事が予想されます。加えて、人口の増大が著しい中東や、地下水脈の枯渇が顕著な北米は将来有望な市場です。そのため、日本は海水の淡水化事業を国策として推進し、それを輸出する事業を外交戦略上の武器に位置づけるべきです。仮に、中国とインドが日本の製造した淡水を輸入する構造が出来れば、東アジア地域での安全保障にもつながます。なぜなら、武力ではなく、水禁輸処置という経済制裁によって、インドと中国の武力を抑止する事が出来るからです。そのため、淡水の販売事業が実現すれば、東アジアの安全保障と、水不足の解決が期待できます。
 この淡水輸出事業に、通貨制度をリンクさせる手が考えられます。つまり、水を購入する際にその通貨が必要となる水本位制を築くべきです。そもそも、通貨というものには、何か実体的な価値を持つ資源を担保にしなければ価値を保証する事が出来ません。そのため、過去には金がポンドの担保にされ、今では石油がドルの担保とされ、円では土地が担保とされて来たのです。特に、石油の購入の際にドルが必要とされる今の体制は、石油本位制だと呼ばれています。これからの時代の通貨は、水が担保とされるはずです。なぜなら、安定したニーズが期待できるからです。
 また、ユーロとは水本位制を既に目指している通貨であると私は推測しています。なぜなら、現在国際的な水の取引は、ネスレ、スエズ、ヴィヴィアンといった欧州の企業によってほぼ独占されているからです。そのため、国際市場から水を購入する際には、ユーロが必要になる体制が将来できあがるのではないかと推測しています。20世紀においては、米国が世界の石油取引を支配して、ドルを基軸通貨の地位にまで押し上げたのですが、21世紀においては、欧州が世界の水取引を支配する事で、ユーロを基軸通貨の地位にまで押し上げるのではないでしょうか。
 仮に、こういった新しい通貨体制の一翼を日本が担えば、日本は膨大な富を得る事が出来るはずです。また、現在欧州の年金基金は、水企業へ大量に投資しています。その結果、水企業が儲かれば年金基金も潤う仕組みが既に出来上がっています。そのため、水企業が稼げる構造を作れば、欧州と外交上の友好関係を築く事が期待できます。具体的には、日本はドイツと技術提携して、海水の淡水化事業を実現すべきです。それでつくった膨大な淡水を、水不足の顕著なインドと中国に円建てかユーロ建てで販売するわけです。
 この事業が本格的に軌道に乗れば、次には日本で製造した淡水を中国北部に送る淡水パイプラインの敷設計画を推進すべきです。淡水パイプラインと言えば仰々しく聞こえるものの、実際は水道管を巨大化したものに過ぎません。そのため、恐らく石油パイプラインの技術を応用すれば、淡水パイプラインの技術を容易に開発できるはずです。仮に、この計画が実現すれば、これは中国と朝鮮半島と日本の友好親善につながる国際的な建設事業となります。

第十節 資源安保策


対露石油外交


 対米従属脱却後、日本が国家として独立するためには、独自のエネルギー政策が必要になります。なぜなら、現在の日本はアメリカ系の石油メジャーから供給される中東産の石油に依存しきっているからです。実は、過去にも石油メジャーの支配から脱却するために動いた人々が日本にも数多く居ました。例えば、1978年のイラン革命の際には、米国政府の制止を押し切って、日本の石油会社がイランに出向いて石油買い付けを行った事がありました。また、田中角栄氏は独自のエネルギー外交を行い、中東から石油を輸入する道を模索していたと言われています。
 また、ロシアからの石油輸入のために奔走していたのが、あの鈴木宗男氏です。彼らが失脚した背後には、米国資本による隷属体質から脱却する事を志したため、米国政府から濡衣を着せられという説があります。私はこの説を支持する立場です。そのため、鈴木氏の構想を受継ぎ、豊富な石油資源を保有するロシアからの石油を輸入すべきであると主張します。もちろん、安全保障上ロシアから石油を輸入するのは極めて危険である事は百も承知です。しかし、石油の供給源はなるべく分散する事で、リスクヘッジを目指すべきです。
 しかし、ロシアとの交渉は一筋縄ではいきません。あの国から石油を輸入すれば、ロシア側は石油禁輸処置を外交手段として用いる事は間違いありません。既に東シベリアから日本にパイプラインを敷設する契約があるのですが、ロシアの側が一方的に契約を破棄して中国の側に優先的にパイプラインを敷設してしまいました。恐らく、日中を争わせる事で両国から譲歩を引き出すのがロシア側の狙いです。当然、日本の側はロシア政府の高官に徹底的に賄賂を送ったのでしょうが、中国の側の買収工作が上だった可能性があります。このように、ロシアや中国を相手として交渉をする場合、法的な契約などは何の意味もなしません。
 そのため、これは既に実行に移されている手段なのですが、競争相手である中国を懐柔するために、東シナ海の海底油田を共同開発し、利権を山分けするという交換条件で、中国側から譲歩を引き出させる手があります。これは日中戦争を回避する外交政策でもあるため、確かに日本側の取り分が減る事はありますが、一石二鳥の政策となりえます。

海底資源採掘


 また、日本列島は南北に長く広がっており、非常に広い排他的経済水域を持つ国です。そのため、この排他的経済水域の地下にある資源を採掘する道を模索すべきです。まず、排他的経済水域とは国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権がおよぶ水域のことを指します。沿岸国は国連海洋法条約に基づいた国内法を制定することで自国の沿岸から200海里(約370km)の範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる代わり、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負うとされています。
 そして、海底資源の中でも排他的経済水域の地下に眠っているメタンハイドレートは、かなり有望なエネルギー供給源になりうると言われています。このメタンハイドレートとはメタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質です。1立方メートルのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164立方メートルのメタンガスに変わります。このメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水です。石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーです。大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内、水深1000から2000メートル付近での、地下数百メートルに集中する、メタンガス層の上部境目に多量に存在するとされています。
 日本近海は世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられています。2006年東京大学や海洋研究開発機構の研究グループによると新潟県上越市直江津港沖合30km付近に海底上(水深約900メートル)に露出しているメタンハイドレートを確認しています。海底面上にあるのは東アジア初との事です。これは本来、新聞紙面で大きく取りざたされなければおかしいニュースです。恐らく、米国系の石油資本によって、この情報の公開にかなりの圧力がかけられているのでしょう。これが真実であるとすれば、メタンハイドレートは十二分に有望なエネルギー資源であり、この採掘に成功すれば日本は一躍資源大国に変貌を遂げる可能性を持つ事となります。
 しかしながら、採取方法には難題がつきまとっています。海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深海に存在し、また地層中や海底で氷のように存在するため、石油やガスのように穴を掘って簡単に汲み上げることも、石炭のように掘ることもできません。ゆえに高効率かつ大量に採取することは技術的に課題が多いです。そのため、現在のところ採掘にかかる費用が販売による利益を上回ってしまいます。また、採取方法によっては、大量のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散、地球温暖化に拍車を掛ける恐れもあり、慎重に検討すべきと指摘する研究者もいます。したがって、現段階では商売として成立せず、研究用以外の目的では採掘されていません。しかし、エネルギー自給の可能性を秘めたメタンハイドレートの採掘には、国家予算を投じて全力で行うべきです。日本政府は2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させるとしています。

新核技術開発


 この場で紹介する新核技術とは、原子力サイクル事業やレーザー核融合の事ではありません。一方で、核燃料サイクル事業は、高速増殖炉に技術的困難があるため、近年では研究が停滞しています。何より、原子力発電は核廃棄物の処理に問題が伴います。また、大量のプルトニウムは核兵器に転用可能ですので、諸外国から核保有の意志があるのかと疑念を持たれる原因になります。それ以前に、非常に毒性の強いプルトニウムの管理には、大きな危険が伴います。また、原爆の材料を求めているテロリストから狙われる可能性も高いのです。そのため、これ以上のプルトニウムを抱え込む事は、不利益が多いのです。一方で、レーザー核融合や磁場核融合は、そもそも発電には向かないものです。なぜなら、超高温・超高圧の環境をつくった場合、炉壁が溶解してしまうからです。連続的に核融合状態を維持するためには、超高温・超高圧に耐えうる炉壁の開発が必要ですが、それは化学的に非常に困難な技術です。
 核融合技術において最も有望なのは、常温核融合です。常温核融合は、一時は似非科学の類であると見なされて来ましたが、これは実現可能な技術であると近年見直され始めています。まず、この常温核融合とは、室温で水素原子の核融合反応が起きるとされる現象です。核融合が起こると、質量がエネルギーに変換されます。そのため、室温で核融合を起こす事が出来れば、水から無尽蔵にエネルギーを抽出する事が可能になるのです。1989年にイギリス・サウサンプトン大学のマルチン・フライシュマン教授とアメリカ・ユタ大学のスタン・ポンス教授が偶発的にこの現象を発見したと発表した。しかし、その後の追試で、同じ結果が得られないことや核融合反応で発生する中性子が観測されないことから、現在では、測定誤りによる誤認であったと一般には考えられています。
 しかしながら、日本の研究チームが常温核融合について研究を続け、この現象が現実に起こる事を究明しつつあります。特に、三菱重工の岩村康弘氏と北大の水野忠彦博士は、常温核融合の研究成果が認められ2004年には国際的なPreparata賞をともに受賞しています。水野氏は現在の常温核融合核融合研究の第一人者です。その他、阪大の高橋亮人博士、同志社大の山口栄一博士なども、常温核融合の研究で実績をあげているとの事です。また、現在の常温核融合研究の権威が終結して執筆した「固体内核反応研究 No.1」(高橋亮人他著、工学社)は、それらの研究成果の集大成です。常温核融合が実用化できれば、水から無尽蔵にエネルギーを取り出せるため、エネルギー問題は一挙に解決です。そのため、常温核融合の可能性を信じて、ここにも国家予算を投じるべきです。
 また、常温核融合が実用化されれば、水から無尽蔵にエネルギーを取り出す事が出来るようになります。当然、これは軍事転用が可能です。例えば、これまではオカルトの類であると見られてきた地震兵器が考えられます。近年では、地震の原因は地下における核融合爆発という説が提唱され始めています。これは、地下において地殻と地殻の隙間に水が入り込み、それが常温核融合で核爆発した結果、地震が起こるという仮説です。これが真実であるとすれば、人為的に地震を起こす事も技術的には可能であるのかもしれません。それ以外に考えられるのは、純粋水爆や常温核融合で動く潜水艦や航空母艦です。いわば、これは原子力潜水艦ならぬ、核融合潜水艦です。これは水から無限に発電する機構が搭載されるため、理論上は半永久的に潜水が可能です。また、軍事転用の次は宇宙開発への転用が考えられるのですが、ここから先は想像の私の範疇を超えているので、率直に申し上げると現時点ではどうとも評価しがたい所です。

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