部隊配置
部隊配置
エレメントからなる部隊同士の闘いにおいては、部隊編成や機動などの部隊戦術が重要となります。その部隊戦術を検討する前に、部隊同士の戦闘の特質を検討します。
部隊戦闘の特質
部隊同士の戦いは、エレメント同士の戦いの積み重ね、そして全体としての部隊同士の戦いにより勝敗が決します。したがって、1つのエレメントが勝利すれば、残りの全エレメントが敗北しても部隊としては防御に成功します。
例えば、
(審査官側)
A’B’C’
--前 線--
A B C D
(出願人側)
においては、審査官側が出願人側のエレメントDに相当するエレメントを有する部隊を構築できない限り、出願人側の部隊を打ち破ることはかないません。
しかしながら、エレメントDがエレメントA、B、Cとの連携がとれない場合(他のエレメントとの協同した作用効果を奏さない場合)、エレメントDの攻撃力が微小な場合(周知なエレメントの場合)、などにおいては審査官側部隊のエレメントが各個撃破され、出願人側部隊が敗北することがあります。
繰り返しになりますが、いちエレメントにおける勝敗は全体の勝敗には直接影響しません。
例えば
(審査官側)
a b C
--前 線--
A B c
(出願人側)
において、審査官側は攻撃力の高い下位概念のエレメントa、bを用意していますが、エレメントcを崩せないため、出願人としてはエレメントA、Bの敗北を気にする必要はありません。
以上のように、部隊におけるエレメントの前進(上位概念化)と後退(下位概念化)、エレメントの参加(限定の追加)と退却(限定の削除)は、エレメント単位で考えるのではなく、部隊全体を見渡して考える必要があります。
エレメント配置
次に、エレメント配置の一般的に性質ですが
横隊
A B C D E F
エレメントを横に配列していく隊形です。個々のエレメントの攻撃力が相加相乗されますので、部隊としての攻撃力は高いですが、権利範囲は狭くなります。
縦隊
A
a
a1
a11
エレメントを縦にならべて縦深を取ります。幾重にも亘る後退ラインが確保されます。
以上の横隊、縦隊がエレメント配置を考える上での基本となります。
次にエレメント間の連携を考慮します。
部隊構成が
A⇔B⇔C
となっており、AとB、BとCとに連携が認められるもののAとCとの連携がない場合を考えます。
斜行陣
A B c
部隊全体の連携について重要性があまり高くないエレメントCをキーエレメントとする陣形。発明の前提部分で特徴づけを行う、という戦術といえる。技術トレンドが変わり、先行技術中にエレメントcが記述されている可能性が低く、一方で今後は常套となることが予想される場合に有効な陣形です。
楔形陣
A b C
部隊全体の連携について重要性が高いエレメントBをキーエレメントとする陣形。あくまで発明としての質を重要視する戦術で、攻撃力が期待される半面、権利範囲は狭くなる虞がある。
凹角陣
a B c
部隊全体の連携について重要性が高いエレメントBの限定を避ける陣形。発明原理にかかわる部分の限定を避ける戦術で、非本質部分の限定は均等論でカバーするか、特許数でカバーする。
また、縦隊、横隊を組合わせることにより、次のような配置を行う。
梯隊配置
A B c
c1
エレメントCを主軸に突破を狙う。AとBはCをサポートする。cで突破できない場合に備えて、より下位概念のc1を用意しておく。
重畳配置
A B C
a b c
特許取得目的の変更に備えて、各エレメントが突破されても阻止できるよう、第二陣を用意しておく。
最終更新:2007年01月28日 19:10