炎術剣士まなみ第一話~第三話

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地球…青く美しく、緑の清々しい風が流れる美しいこの星は、影で遥か昔から数々の 侵略者に狙われてきていた。だが、それを退けてきた戦士達がいたのだ…。 *炎術剣士まなみ 第一話「見参!天下無敵の女侍!」 ―――東京。昨日は雨だったが、今日は気持ちのいい快晴である。 その青空の下、首都圏から少し離れた三鷹市を一台のバイクが駆け抜けてゆく。 コンビニの角を曲がったバイクはそのまま桜ヶ丘大学の校門をくぐり、駐輪場に止まる。 バイクに乗っていた人物がヘルメットを外すと中から黒髪のロングヘアーが現れた。 顔立ちは清楚でどことなく凛々しさがある少女、比較的細身の身体つき。 「まなみ~おはよう~!」 この少女に知り合いと思われる人物が声を掛けた。 「おはよう、今日も最初の講義寝るかも」 答えた少女の名は新堂まなみ。この物語の主人公である。一見、どこにでもいるような 女子大生である。しかし、彼女には秘密があった…。 ―――異次元世界。常に呻くような不気味な音声が流れ、闇が渦巻き嵐が起こる 我々の住む世界とは正反対なこの空間。そこに一つ、巨大な城が全てを圧倒するかのようにそびえ立っている。 城の中心に位置する広い部屋。そこには地球人とはかけ離れた容姿の者が多数並んでいる。 そして玉座のような物にどっしりと座っている威圧感を醸し出す文字通り悪魔と呼べる人物。 彼の前に巨大な剣を背負っている鎧姿の、そのような格好でなければ、まだ地球人に似ている人物が口を開く。 「我らが偉大なる皇帝ラデス様!地球侵略準備が整いました。いつでも作戦開始可能です」 「そうか、ご苦労であった将軍バルガンよ。カイマーズ博士よ、作戦に使用する ナイトメア怪人の姿を見せよ」 白髪の還暦程度の老人が口を開く。彼もまだ地球人に似て無くはない。 「はっ。現れよ!ボムスパイダー!」 中央の床から白い煙が発生し、中から蜘蛛のような怪人が現れた。 「ボ~ムスパイダー!皇帝陛下にお目に掛かれるとは光栄であります! 我らヘルスター帝国の栄華のため、今回の作戦、必ずや成功させて見せます」 「頼もしい限りだ、ボムスパイダーよ。参謀デリックよ、異次元通信回路を起動せよ」 ラデスは比較的、若い姿のやはり地球人に似て無くない人物に命令を下す。 「了解。戦闘員コザーよ、D回路を地球方面へ繋げろ」 「ギッー!」 奇声を発しながら作業を開始する戦闘員達。作業終了後、地球には異変が生じた。 地球の各地の空に立体映像のようにヘルスター帝国世界の様子が映る。 「ねえねえ、あの空に浮かんでるの何かな?」 「さあ?なんかのイベントじゃね?」 誰もが映像が映った瞬間はあまり興味を示さなかった。が、すぐに見入ることになった。 そこに皇帝ラデス、悪魔の姿が現れたからだ。そしてラデスの悪夢の宣言が始まる。 「地球人の諸君、我々の名はヘルスター帝国。わしはそれを統べる者、皇帝ラデスだ。 唐突ではあるが、今日よりこの地球は我々ヘルスター帝国が貰い受けることとする」 突然何を言い出すんだと人々は呆れ顔であった。まだイベントだと勘違いしてる者もいる。 「信じられないのであれば信じさせてあげよう。今から日本の東京に我々自慢の ナイトメア怪人を送り込む。楽しんでくれたまえ、はっはっは…!」 宣言が終わり、空に浮かんでいた立体映像も消える。それと同時に東京では 平和な日常が一瞬にして地獄絵図と変貌を遂げた。 「愚かな地球人ども!ボムスパイダー様の力を見よ!!」 東京に一瞬にして出現したボムスパイダーはすぐさま周りの人間をちぎっては投げ、 得意の爆発性蜘蛛糸でビルを破壊していく。警察が立ち向かうが、銃弾も軽く防ぐ ボムスパイダーには意味は無く蜘蛛糸で警察官達を爆破してしまった。 この危機を救うものはいないのだろうか?いや一人だけこの世界にはいるのだ。 それが冒頭に現れたきり、今まで出番が無かった新堂まなみだ。 今、まなみは再びバイクに乗り込み自宅へ向かっていた。大事な物を受け取るために。 一部通行止め状態の場所もあったがまなみは軽々とバイクごとジャンプし それを乗り越えていく。大学からそれほど離れていないまなみの自宅。 外観は和風のお屋敷と言ったところである。庭で掃除をしている女性のとこへまなみは 足早に近寄った。 「お母さん!さっきの放送聞いた!?久々の戦いが始まるってのに、掃除なんかしている 場合じゃないよ!」 「分かってますよぉ。今の私の力じゃ立ち向かえないからまなみちゃんが 帰ってくるまで待ってたのよ。私オバサンになっちゃったし」 まなみの母親、悠美はのほほんとした表情、着物姿。 もう40代だとは思えない若々しい姿である。そして先程までの 表情と打って変わって何もかもを見通すような引き締まった表情になった。 「まなみちゃん、着いてきて」 悠美が向かった先には小さな蔵があり、中に入ってみるとすっかり埃だらけ部屋の 一番奥の棚に小さな箱が。それを開けると中には炎のような形の模様が刻み込まれた 腕輪が出てきた。それをまなみに差し出し、悠美は告げる。 「これの出番も私が現役の頃以来か…正直私はまなみちゃんが傷付くのを 見たくはありません」 「お母さん、心配してくれるのは嬉しいけど、私はこの力で大事なものを守りたいんだ。 そのために子供のころから訓練してきたんだし。今がその時なんだよ」 「分かっているわ。私はあなたの無事を祈っています。さあ『炎輪』を」 まなみが炎輪を左手首に装着する。瞬間、まなみの頭の中では炎のイメージが弾けた。 それこそ、力を継承した証である。 「お母さん、行ってきます!」 新宿駅はほぼ全壊し、高層ビルが倒れ重なり合っている。人々は逃げ出し 人っ子一人いない。すでに殺された者も多数いるだろう。 「地球はなんて張り合いの無いのだ。もはやヘルスター帝国の物というのは確定だなぁ、 ギシェー!」 他愛の無さに大笑いするボムスパイダー。その時、彼の視界に走っている女の子の姿が 入った。逃さんとばかりに瓦礫を蹴り飛ばし女の子の動きを封じた。 「助けてー!ママー!!」 「誰も助けに来るものか!お前は俺に殺されるのだぁ!」 女の子は目を瞑り死を覚悟したが、その瞬間、遠くからエンジンの音が聞こえてくる。 音はどんどん近づいていき、ボムスパイダーに体当たりをかました。 「グオッ!な、なんだ!?」 「さあ、早く逃げて」 まなみは女の子を逃がしファイティングポーズを取る。 「おのれこしゃくな!やれぇ戦闘員よ!!」 すぐさままなみを取り囲む戦闘員達。次の瞬間、一斉に攻撃を仕掛けてきた。 まなみは攻撃を受け流し、投げ飛ばしていく。怯んだ戦闘員達をすかさず回し蹴りで 倒して、ボムスパイダーを睨み付ける。 「おのれ!爆破糸!!」 吐き出してきた糸をバク転で避わし、最後に倒れた高層ビルの天辺に大ジャンプ、 その場に立ち上がる。 「炎心変幻!!」 まなみが叫び、腕を回転させ、炎輪を天に掲げるとまなみを炎が包み込む。最後に 光が発生し、炎が止むとそこには素顔は丸出しだが、頭には白いはちまき、 袴と着物、赤い羽織、そして腰には刀を提げた侍風姿のまなみがそこにはいた。 新撰組のような姿を想像してもらえればいい。 「き、貴様ぁ~何者だ!?」 変身したまなみを見て驚愕するボムスパイダー。まなみが叫ぶ。 「闇を切り裂く正義の炎!新堂まなみ!!ヘルスター帝国!地球はあんた達の 好きにはさせない!成敗します!!」 新堂まなみは炎輪の力で炎心変幻する!ではその原理を説明しよう。 まなみの身体を包み込んだ聖なる炎が戦闘衣へと変化する。炎の中から生み出された 神刀・暁一文字が現れ腰に帯刀した瞬間、まなみは炎術剣士へと変身を完了するのだ。 「ヘルスター帝国、ボムスパイダー!街を破壊し人々を不幸に陥れる…その行い! 断じて許しはしない!!」 「おのれぇい!かかれ!!」 再び多数の戦闘員が現れ突撃してくる。まなみは暁一文字を抜き、八相の構えを取る。 戦闘員達をすれ違いざまに次々と斬りつけ、あっという間に倒していく。 それでも戦闘員の数は多い。遠くから銃撃してくる。だがまなみは前転、側転で 避わしていき、右腕を前に突き出した。 「炎流波!!」 光線状の炎が飛び、敵を焼きつけてゆき、消滅させた。 戦闘員を全滅させたまなみはボムスパイダーと対峙する。格闘戦を展開、まなみは 上手く攻撃を受け流し、懐に拳と蹴りを叩き込む。さらに暁で肩、腰を連続で斬りつけ ダメージを負わしていく。しかしボムスパイダーもやられっ放しではない。 まなみの腕を糸で絡めとったかと思うと、糸を蜘蛛の巣に変え爆発させた。 「どうだぁ~!俺様の力で木っ端微塵にしてやったぞ!」 ボムスパイダーは完全に勝利を確信した。だが、爆風が止むとそこにはダメージ皆無の まなみが暁を握り、堂々と立っていた。 「なに!?あの攻撃を受けて無傷なのか!」 「爆発が起こる直前に火炎障壁を張ったのよ。張るのが遅かったら危なかったわ…。 ボムスパイダー!これで終わりよ!暁一文字!!」 まなみが刀の名を叫びながら抜くと暁が光り輝きだし、同時に宇宙刑事よろしく、 どこからか宙明節が流れ出す。まなみは怒涛の斬撃で両腕を粉砕!そして空高く 飛び上がり、暁に炎を纏わす。 「火炎大破斬!!!」 回転しながら勢いを利用しボムスパイダーを一刀両断した! 「ぬっ!?ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 大爆発を起こし怪人は消滅した。まなみは暁を紙で拭い、それを空に投げ刀を納める。 戦闘の様子を本拠地で見ていたヘルスター帝国は驚きを隠せないでいた。 「おのれ!…新堂まなみ、思わぬ邪魔者が現れおった!!」 「フハハハハ…バルガン、そう憤るな。これからの地球侵略、面白くなりそうでは ないか!我々を相手にあのまなみという者がどれだけ戦えるか見物だな!!」 「はっ!必ずや新堂まなみの息の根を止めてごらんにいれます」 こうしてまなみとヘルスター帝国の戦いの火蓋が切って落とされた。奴らは手強い。 命の限り、戦え!新堂まなみ!! 「解説お姉さんコーナー!初めまして!このコーナーは私がまなみちゃんや ヘルスター帝国の秘密を教えちゃうよ!第一回はまなみちゃんのプロフィール。 新堂まなみ、桜ヶ丘大学心理学部に通う19歳。明るく優しく文武両道!だけど語学だけは 苦手でしょっちゅう居眠りしているの。彼女の家系は昔っから悪い連中と戦っていて お母さんの現役時代以来、何も問題は起きなかったけど、まなみちゃんの時代に ヘルスター帝国が現れたから久々に戦いの時が来たわけね。まなみちゃんは炎の術を 操る剣士に変身して戦うの。そして今回の怪人はボムスパイダー!記念すべき ナイトメア怪人第一号。爆発性の蜘蛛の糸で攻撃してくる危険な奴!最初は 蜘蛛の怪人って相場が決まっているのかも。それではまた!」 次回予告「ヘルスター帝国の秘密を暴くため、山奥に建設された帝国のアジトに侵入する まなみ。しかし、事前に察知していた帝国側の卑劣な罠がまなみを襲う!そして現れる 怪人カマキリレーザー!次回『突入!恐怖の秘密基地』こいつはすごっ!」 突如として地球を侵略し始めたヘルスター帝国だったが、炎術剣士の力を受け継いだ 新堂まなみによってそれを阻止される。だが、戦いは始まったばかりであり、 ヘルスター帝国は次の作戦を展開しようとしていた…。 *炎術剣士まなみ 第二話「突入!恐怖の秘密基地」 今日は休日。まなみは昼食を取ろうと行きつけの喫茶店・レイラへ向かう。 ここを切り盛りしている立川雪絵はまなみの良き相談相手であり、桜ヶ丘大学の 卒業生でもある。彼女は一つの話を切り出した。 「まなみもすっかり有名人だよねぇ、変身して名乗りあげちゃうなんてさぁ」 「あはは…」 初陣を華々しく飾ったまなみであったが一つ誤算があった。それは特撮ヒーローの如く 変身後の名乗りを挙げてしまったことである。まなみ本人としてもボムスパイダーの 攻撃によって既にその場には誰もいないと踏んでの行為だったが、実はまだ逃げ出せず 隠れていた人間が何人かいた。そしてその者達によって見事に正義の味方として 世間に公開されてしまうのであった…。 「あれはしまったと思いましたよ…絶対にゴーストタウンだと思ってたのに。 おかげでしばらくの間、テレビ局やら新聞社やら家に押しかけて来ちゃって…。 やっぱり、心から信頼できる人にしか正体は明かしちゃ駄目ですね、 雪絵さんみたいな」 「まあ、最初は私もびっくりしたけどね。それより正義の味方に話があるんだけど」 「なんですか?」 「私の友達が高岡山に野鳥観察に行ってから戻ってこないんだ。警察には連絡したけど 何も進展が無いのよ。だから調査に行ってもらえないかな?」 「分かりました。隼!!」 まなみの声に答えて愛車・隼がレイラの前に急行した。それに乗り込み高岡山に向かって まなみが突っ走る。その頃、ヘルスター帝国では…。 「カイマーズよ、高岡山で展開している毒ガス研究はどれほど進んでいる?」 皇帝ラデスは今回の作戦の具合を聞く。 「はっ、既に最終段階であります。あの山の鳥達は生きが良い…我がヘルスター帝国の 毒ガスを日本中にばら撒くため、鳥達を捕獲する計画であります。それに適した ナイトメア怪人・カマキリレーザーが行動を開始しています」 「カマキリレーザーが捕獲した鳥達を改造し、毒ガスを空からばら撒く…実に 面白い作戦だ!期待しているぞ」 高岡山に到着したまなみは隼を降りて捜索を開始する。 「雪絵さんの友人…名前は田無翔子さんだったかな。そんなに広い山じゃないのに 行方不明なんて、何か事件にでも巻き込まれたのか…?」 とにかく山を登ってみることにした。高岡山にはハイキングコースがあり、道に 迷うようなことは山慣れしているであろう翔子が遭難するとは思えない。 まなみはハイキングコースから外れ奥地へと向かう。 林を抜け、川原へと出る。ここはごつごつとした大きい岩だらけでちゃんと 備えていないと大怪我を負っても不思議ではない。 そこに一つの人影が現れた。 「誰!?」 「よかった…人がいた…」 「…!?もしかしてあなたは田無翔子さん?」 「何故私の名を?」 「立川雪絵さんのお友達ですよね。私は新堂まなみ、雪絵さんの後輩です」 「あっ、この前ニュースで、うっ…」 「大丈夫ですか!?とりあえずレイラに戻ろう…」 レイラに戻るとまなみは翔子の介抱を雪絵に任せた。しばらくすると雪絵が 何か引っ掛かるような顔をしながら戻ってきた。 「翔子さんは大丈夫ですか?」 「うん、しばらく休めば大丈夫だと思う。だけど翔子から聞いた話で 少し気になることがね…」 「それは一体?」 「高岡山に野鳥観察行ったのはいいけど、いつもより鳥がいなかったそうで、場所を 変えてみたそうなんだけど、奥地に行ったら怪しい格好の集団と蟷螂の化け物を 見たとかで。その集団に見つかって命辛々逃げて来たってわけらしいのよ」 「怪しい集団、蟷螂の化け物…ヘルスター帝国の仕業ね!雪絵さん、 もう一度高岡山に行ってきます。翔子さんのことをお願いします」 「分かった。気をつけて行ってきな」 まなみは高岡山奥地へと向かう。そこには明らかに最近建てられたと思われる綺麗な 建造物が。そして入り口らしき場所の前にはヘルスター帝国の戦闘員コザーがいた。 「やっぱりそうだ…ヘルスター帝国、何を企んでいるの?ともあれ潜入してみるか…」 素早く戦闘員の背後に回り、連続打撃で倒し潜入する。しかし… ヘルスター帝国のアジト内に声が響く。それは皇帝ラデスの通達だ。 「ヘルスター帝国の戦士諸君…我らの敵、新堂まなみがアジトへ侵入してきた。 発見次第、即座に処刑せよ。どんな手を使っても構わん」 潜入していることがヘルスター帝国に気付かれているとは知らず、まなみはアジトの 奥へと向かっていく。すると突然、鎖付き天井が落ちてきた。 「…!たぁ!」 間一髪、まなみはそれを避わし、次の部屋へ転がり込む。 「バレている?…こんな罠にやられちゃ堪ったもんじゃないわ」 長い通路へと出てしばらくすると、後ろから音が響きだし、段々大きく、近づいてくる。 大岩が転がってきたのだ。 「まったく…いろんな仕掛けがあるのね!」 とにかくまなみは通路を走り、途中横にあった部屋へと入り込む。 「驚いたかね?新堂まなみよ」 「…ヘルスター帝国の怪人!」 「その通り。俺の名はカマキリレーザーだ!」 「くっ…炎心変幻!!」 新堂まなみは炎輪の力で炎心変幻する!ではその原理を説明しよう。 まなみの身体を包み込んだ聖なる炎が戦闘衣へと変化する。炎の中から生み出された 神刀・暁一文字が現れ腰に帯刀した瞬間、まなみは炎術剣士へと変身を完了するのだ。 「カマキリレーザー!お前の目的は何!?」 「教えてやろう。この高岡山の鳥達を改造利用し、ヘルスター帝国の毒ガスを日本中に ばら撒かせるのだ。日本国民を死滅させた後も鳥達は我がヘルスター帝国の 空爆怪人として地球全土を恐怖で包むのだ!」 「そんなことはさせない!たぁぁぁぁ!!」 まなみがカマキリレーザーに飛び掛る。それを見たカマキリレーザーは目の前にある スイッチを押した。すると壁から青い光線が発射されまなみを拘束する。 「うぐっ!」 「まなみよ、ここは帝国のアジトだぞ?我らが有利になる仕掛けがあるのは 当然ではないか?」 「卑怯な…ああぁぁ!」 身動きが取れないまなみに対しカマキリレーザーの鎌からレーザー光線が発射され まなみを痛みつけていく。 「うあぁぁぁ…このままではやられてしまう、こうなったら…」 まなみは気を集中し、それを一気に開放した。 「火炎大津波!!」 「ぐわぁぁ!!」 まなみを中心に炎が部屋一帯を包み、まなみを拘束していた仕掛けもカマキリレーザーも 吹き飛ばされる。 「お、おのれ!ぐっ!」 「たあっ!」 暁を抜き、カマキリレーザーに反撃開始。素早く懐に入り込み、鎌を斬り落とす。 「があぁぁぁぁ!!」 「暁一文字!!」 炎が暁一文字に纏わり、宙明節がどこからか響く。連続で斬りつけたあと、 空高く飛び上がり一刀両断した! 「火炎大破斬!!!」 「カ~マカマ…ぐあああああ!!」 大爆発。まなみは捕まっていた鳥達を助け出し、アジトから脱出した。 「さあ、もう自由だよ」 鳥達は再び高岡山を飛び回った。自由を噛み締めるかのように。 「隼!!」 まなみは隼を呼び出し、装備されている破壊光線でアジトを爆破した。 後日、喫茶店レイラにて。 「まなみ、翔子がお礼言ってたよ。鳥達を助けてくれてありがとうって」 「いやぁ、そう言ってもらえると嬉しいですね」 日本を、鳥と鳥を愛する人を救った新堂まなみ。だがヘルスター帝国はこれからも 卑劣な罠で襲い掛かるに違いない。負けるな、まなみ!! 「解説お姉さんだよ!はい、今日はまなみちゃんの変身後の力を教えちゃうよ。 まず変身後は身体能力が飛躍的に上昇します。ジャンプ力が40m。 走力が100mを5.5秒で走りぬけ、変身前より多くの超能力が使用できちゃうのよ。 そして!今回登場したナイトメア怪人はカマキリレーザー!鳥さん達を 捕獲して改造しちゃおうとした悪い奴!鎌とそこから発射するレーザーが武器! でも卑怯者だから罠を利用してまなみちゃんを倒そうとするどうしようもない怪人ね。 それじゃまたねー!」 次回予告「ヘルスター帝国は、人類滅亡のため、吉川博士の発明品の秘密を暴こうとする。 それが博士の娘にあると踏んだヘルスター帝国は彼女を狙う!急げまなみ! 博士の娘を守れ!次回『帝国の魔の手!闘えまなみ!』こいつはすごいかもな」 日本全土に毒ガス空爆を企んでいたヘルスター帝国の作戦を阻止したまなみ。 だが、ヘルスター帝国は次の行動に移り出していた…。 *炎術剣士まなみ 第三話「帝国の魔の手!闘えまなみ!」 東京某所にある吉川研究所。ここでは吉川忠志博士を中心に数々の研究、発明が 行われていた。そしてまた新しい発明品が誕生したのだが…。 「博士、何故このエネルレイを発表しようとは思わないのですか?」 「鍋島君…これは私にとっても最高の発明ではあるよ。エネルレイは地球環境を 汚すことなく人類に必要なエネルギー資源を確保することが出来る…だがこれは 使いようによってはとても恐ろしい物に変わってしまう。特に今はヘルスター帝国が 地球を侵略しようとしているのだ。奴らの未知の科学力でエネルレイを下手に改造でも されてみたまえ…たちまち地球侵略兵器になりかねないぞ!」 「ではエネルレイは破棄してしまうのですか?」 「いや…自分の発明品を捨てるのは科学者にとってとても辛いことだ。まるで肉親を 捨ててしまうかのようで…だから私はとある場所に隠しておくことにした」 「それはいいアイデアですね。隠し場所は?」 「悪いがこれは君にも秘密だ。さあ、また新しい研究に取り組むとしよう」 ヘルスター帝国本部。デリック参謀は皇帝ラデスに次なる作戦の説明を行っていた。 「ラデス様。今回の作戦、吉川博士の発明したエネルレイを奪取し、 それを我々の破壊兵器に利用しようとするものです」 「しかし吉川はあの発明を封印してしまうようだ。隠し場所も分からない。 どう探すのだ?」 「心配御無用でございます。吉川一家の動きを張っていれば必ず…!」 「ハンマーカブトを連れてゆけ!奴を使い、作戦を実行せよ!」 数日後の昼下がり。客足のピークは収まり、今は特に忙しい時間帯ではない喫茶レイラ。 雪絵が皿洗いをしていると男性客が一人現れた。 「いらっしゃいませ、ご注文は?」 「いえ、今日は結構です。あの、新堂まなみさんはおりますか?」 「はあ、まなみは今出ていますけど…あの子に何か?」 「私は吉川忠志と申します。科学者を生業としております」 「あなたがあの吉川博士?それでまなみへの用件はなんです?」 「私の娘を助けてほしいのです!ヘルスター帝国と戦っている新堂まなみさんにそれを お願いしたいのです。それで彼女はよくこの喫茶店へ来ると聞いたものですから…」 その頃、まなみは隼でパトロールを兼ねて街をツーリングしていた。 吹き抜ける風を浴びながら進んでいく。しばらくすると彼女は奇妙な気を感じた。 「…っ!ヘルスター帝国!?」 その感じた気の方へ向かう。場所は多摩川中流付近。まなみが到着すると そこには女の子が、戦闘員コザーに取り囲まれていたのだ。 「いやー!助けてー!!」 「大人しくしろ!貴様の持っている携帯電話をよこすのだ!」 「待ちなさい!!」 まなみが叫び、コザーに飛び掛る。一人投げ飛ばし、後ろに回ってきたコザーを裏拳で 倒す。コザーではまなみの相手にはならなかった。しかしその時、赤いスモッグと ともに一人の怪人が現れた。 「あなた、新しいナイトメア怪人!」 「その通りだ、俺様はハンマーカブトだ!!新堂まなみよ、見てしまったからには 貴様を殺す!!」 右手のハンマーで襲い掛かり、まなみは紙一重で避わしていくも、さすがに劣勢。 「炎心変幻!!」 炎術剣士へと変身し、暁一文字でハンマーを切り払い、数回斬りつけ体勢を整える。 「おのれ、まなみ!だが、次に会うとき、貴様の命は無いぞ!!」 捨て台詞を吐き、姿を消すハンマーカブト。変身を解き、女の子に事情を聞くまなみ。 「大丈夫?」 「うん、ありがとう…あたし、吉川玲奈です」 「玲奈ちゃん、どうして襲われたか理由は分かる?」 「分かんない…だけど、誕生日にパパから携帯電話を貰った日から怪しい人たちが 私のことを着けまわして来るの」 「わかったわ。とりあえず安全なとこに行きましょう」 玲奈を連れ、喫茶レイラへ向かう。 ヘルスター帝国本拠地。任務を果たせなかったハンマーカブトに激昂するバルガン。 「ハンマーカブト!よくおめおめと逃げ帰って来れたものだ!!」 バルガンはハンマーカブトに怒りをぶつける。 「バルガン様!確かに新堂まなみにやられましたが、手は打っております」 「ほう…それはなんだ?」 「まなみは喫茶店レイラに向かったようです。そこで予めレイラに 時限爆弾と…」 「なるほど…いいだろう。面白い、我ら三幹部もその様子を見させてもらおう」 夕方。レイラもそろそろ店終いの時間であった。 「まなみの奴、どこでなにしてるのか…」 「すみません、長居してしまいました」 「いえ、そんな気に気にしないでください…あっまなみ!」 玲奈を連れ、店へ入ってくるまなみ。 「あっパパ!!」 「玲奈!!」 「この子が吉川博士の娘さん?まなみ、これはどういうこと?」 「玲奈ちゃんはヘルスター帝国に襲われていて、私がなんとか助けてきました。 吉川博士、彼女にあげた携帯電話に何か細工をしませんでしたか?」 「ええ…私はエネルレイという新エネルギーを開発しました。しかし、それが 帝国の手に渡るのを恐れ、玲奈の誕生日プレゼントの携帯電話にその秘密を 隠しておきました。ですが、それが仇になるとは…すまなかった玲奈」 「パパ…いいよ、大丈夫だから」 抱き合う親子。それを微笑ましく見ていたまなみ。…その時、奇妙な音に気付いた。 「…!時限爆弾!!どこだ!?」 音を頼りに爆弾を探し出すまなみ。音は観葉植物の後ろ側から出ていた。 「見つけた!!博士、この爆弾を解除出来ますか?」 「分かりました、こんなものの解除ぐらいなら朝飯前です」 吉川博士に爆弾を解除してもらう。解除は無事に終わった…だがすぐ次の瞬間、 爆弾本体から赤煙が噴射される。 「うっごほ…なに!?」 「きゃああ!助けてパパ!」 「玲奈!!」 どこからか玲奈の助けを呼ぶ叫びが響き、変わって不気味な声が鳴り響く。 「ふふふ…吉川博士。可愛い娘の命が惜しければ品川の第六ビルに来い!」 それを聞いた吉川博士はすぐに歩き出した。 「あっ博士!行っちゃ駄目です…あぐっ…!」 「まなみ、貴様はしばらくは動けんぞ。さっきの煙幕は貴様にだけ効力がある 神経麻痺ガスでもあるのだ」 まなみはただ見ているだけしか出来ず、煙幕が止むとそこに博士も玲奈も居なかった。 「うっ…博士…玲奈ちゃん…」 「まなみ!無理しないで!」 第六ビルに向かった吉川博士。そこにはハンマーカブトに戦闘員コザーの姿が。 「約束どおり来たぞ、娘を返してくれ!」 「返すのは構わんが…その前にエネルレイを十分に発揮できるようにこの機械を 完成させろ」 ハンマーカブトが取り出したある機械。見た目はバズーカ砲のようであった。 「これは…貴様達、エネルレイを兵器にする気だな!」 「その通りだ。さて博士、これをやらなければ娘の命は無いぞ…!」 娘の命には代えられない、仕方なく博士はエネルレイを使用したその兵器を完成させた。 「ははは!これでいい。さてさっそく…」 「そうはさせない!!」 驚くヘルスター帝国の面々。声のした方にはまなみがいたからだ! 「貴様!あのガスでしばらくは動けないはず!」 「そういつまでもお昼寝してるほど、暇じゃないのよ。炎心変幻!!」 新堂まなみは炎輪の力で炎心変幻する!ではその原理を説明しよう。 まなみの身体を包み込んだ聖なる炎が戦闘衣へと変化する。炎の中から生み出された。 神刀・暁一文字が現れ腰に帯刀した瞬間、まなみは炎術剣士へと変身を完了するのだ。 「暁一文字!!」 早々に決着を着けようとしたのか、火炎大破斬の体勢に入った。しかしいつもの宙明節は 鳴り響かくことはない。まなみはハンマーカブトを一刀両断しようと剣を振りかざす。 「火炎大破斬!!…なにっ!?」 「ぐははは!なんだそれは!!」 まなみの必殺技は効果が無く、吹き飛ばされてしまう。 「新堂まなみで新兵器エネル光線を試すのだ!」 「了解!」 ハンマーカブトの指示を受け、コザーはエネル光線搭載バズーカをまなみに発射する。 「ぐっ!?ああぁぁぁぁ!!」 「苦しいか、新堂まなみ!そのまま死ねぇ!!」 エネル光線を浴びせられ、徐々に消耗していくまなみ。勝利を確信し高笑いする ハンマーカブト。まなみの目が虚ろになっていく。しかし突然、光線は解除された。 「これはいったいどういうことだ!吉川!貴様何か細工をしたなぁ!?」 「その通りだ。それはしばらく発射すると止まるようにしておいた。そして…」 バズーカは大爆発を起こした。回りの戦闘員は全滅。ハンマーカブトも傷を負う。 突然のことで防御することが出来ず、ハンマーカブトはのたうち回った。 最後の力を振り絞り立ち上がるまなみ。 「今しかハンマーカブトを倒すチャンスは無い!たぁ!!」 「や、やめろ!!」 まなみは空高く飛び上がり、右足に炎の気を集中させた。 「火炎閃光キィィィィィック!!!」 「ぐわあぁぁぁ!!あと一歩のところで…!!」 大爆発。ハンマーカブトは木っ端微塵に吹き飛んだ。そしてまなみの目の前に 姿を現す三幹部。 「あんた達は!?」 「俺はヘルスター帝国の戦闘将軍、バルガン」 「わしはカイマーズ。ヘルスター帝国最高峰の科学者だ」 「そして私が参謀を勤めるデリックだ。新堂まなみ。貴様はよく戦えるものだ。 大人しくしていれば命だけは助かるものを…」 「黙りなさい!地球を蹂躙して人の命を虫けらのように扱うお前達と戦うのが 私の使命です!これからもどんな手を使ってきても倒してやるんだから!」 「勇ましいな。だが地球は必ず我々ヘルスター帝国が頂く。精々頑張りたまえ…!」 そう言い残し、三幹部は姿を消した。 玲奈は第六ビルの倉庫に閉じ込められていた。吉川博士は彼女に危険が及ばぬよう、 普通の携帯電話を改めてプレゼントすることにした。博士自身は、また新しい研究を 始めるようだ。そして喫茶レイラにて玲奈へ改めて誕生日会が開かれるのであった。 「良かったね、玲奈ちゃん」 「うん!」 「解説お姉さんコーナーだよ!今回はまなみちゃんの変身後の力その2! パンチ力、キック力はすごいパワーアップしてて、鉄柱も折れるとか! 炎を使った技が多いまなみちゃん。牽制技の炎流波という光線技に炎を身体の一部に 纏わせての格闘攻撃。最大必殺技は火炎大破斬だよ。 今回登場したナイトメア怪人はハンマーカブト!強力なハンマー攻撃に まなみちゃんの必殺技も効かない強靭なボディの持ち主です! 博士を脅して兵器を作らせるとにかく悪くて恐い奴!!」 次回予告「ヘルスター帝国はまなみを倒すために新たなナイトメア怪人である フリーザーゴリラを使い廃工場にまなみをおびき寄せ、処刑しようとする。 そして帝国の東京攻撃が始まろうとしている!まなみよ蘇れ!! 次回『まなみ処刑作戦!冷凍怪人の恐怖!』次回も見てね!」

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