炎術剣士まなみ第七話~第九話


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ヘルスター帝国のナイトメア怪人・キジバズーカの大爆撃により日本は壊滅へと
追い込まれていく。頼みの綱であったまなみもキジバズーカの空中殺法と
必殺のバズーカキャノンにより完膚無きまでに叩きのめされてしまう…。

炎術剣士まなみ 第七話「鶴ヶ城大決戦!倒せキジバズーカ!」


止むことを知らずに降り続く雨。その中に傷つきながらバイクを押していく
一人の少女。それはキジバズーカに破れ、ボロボロのまなみであった。
「はあ…はあ…あぐぅ…!」
肩に走る痛みに顔をしかめる。それでもなお悪路を進んでいく。

ヘルスター帝国本部。キジバズーカは三幹部とラデスに報告を始めた。
「クワァァラァ!新堂まなみはこの私めが倒しました!」
「さすがはわしの自信作だ…お前には幹部の椅子を用意せねばならんな?」
キジバズーカの戦績を聞き、ご満悦のカイマーズ博士。
「待て、新堂まなみはまだ死んだわけではないのだぞ。まだ油断しては…」
デリック参謀が口を挟む。しかしキジバズーカは余裕を見せる。
「デリック様、新堂まなみは私に敗れたことにより自信を喪失しています。
あの腑抜けた状態のまなみなど、いつでも消せます!」
「フフフ…よし気に入ったぞ、キジバズーカ。日本を全滅させた暁には貴様を
大幹部に取り入れてやろう」
ラデスの言葉を受け、キジバズーカは喜びをあげる。
「はは!では次は東北地方に攻め入ります」

喫茶レイラ。まなみの身を案じる雪絵は仕事に身が入らず皿を落としてしまう。
「あっ!…しまった。まなみは大丈夫かな…?」
その時、外から雨の音に混じり足音が聞こえてきた。そしてレイラの扉を開く。
「…雪絵さん、うっ…」
「まなみ!!」
その場に倒れこんだまなみを抱きかかえる雪絵。とにかく急いで看病をすることに。
次の日の朝。天気はとりあえず雨は止んだがどんより曇り空。
「…うんっ」
レイラのスタッフルームのソファで寝ていた目が覚めたまなみは起き上がろうとする。
「あうっ!」
しかしまだ完全に痛みは引いていなかった。そこに雪絵が入ってくる。
「まなみ、起きたの?昨日はビックリしたわ、入ってくるなり倒れこむし」
そう言いながらまなみのおでこのタオルを交換する。
「雪絵さん…私、負けちゃった…私じゃキジバズーカには勝てない…」
雪絵が見てきた中でもここまで落ち込むまなみの姿は初めてであった。
しかし雪絵は敢えて苦言を呈す。
「まなみ、あんたが負けるのは至極当然のことだったのよ。あの時、あんたは
気が立っていて冷静さがまるで無かった。そんな奴が地球を守るなんて出来るわけない!」
「雪絵さん…そうは言っても私じゃあいつには…っ!!」
瞬間、まなみの頬に衝撃が走り頬に手を当てた。雪絵の平手がまなみを叱責したのだ。
「まなみ、今のあんたじゃそりゃ勝てないわ。何一つ守れやしない、ただの腑抜けよ」
「くっ…!」
目を曇らせ思わず飛び出すまなみ。その姿をただ見つめる雪絵。
「本当のまなみを取り戻さないと、勝てないよ…」

失意のまま、街へと飛び出すまなみ。しかし飛び出した先、中野はキジバズーカに
よって壊滅状態。
しばらく歩いていると犬のヌイグルミを抱えた暗い表情で女の子が一人座り込んでいる。
思わず、まなみは声を掛けてみる。
「どうしたの?どこか痛い?」
「違うの、大丈夫。だけどお家無くなっちゃって…お姉ちゃん、
あの怖い鳥さんはいつ倒されるの?」
まなみは一瞬、言葉に詰まる。どうにか口を開くが
「ごめん、私のせいなんだ…。きっとあいつを倒して見せるから…!」
まなみは急ぎレイラに戻る。何をやっているんだと言い聞かせながら。

「雪絵さん!!いますぐ隼を改良してください!私はちょっと行くところが
ありますので…」
「まなみ…分かったわ。隼のことは任せておきなさい」
雪絵はもうまなみは大丈夫だと確信した表情を見せ、作業に取り掛かる。

まなみはとある山奥の滝に来ていた。そこで変身、おもむろに滝へ飛び掛り斬りかかる。
「キジバズーカに勝つためには強力な攻撃力と跳躍力を身につけなくては…!」
滝の力強さに何度跳ね返されようとまなみは斬りかかる。傍から見れば無意味な
行いのようにさえ思える。それでもただ黙々と滝を斬り続ける。
「心を落ち着かせて滝の流れを読み取れば…!たあああ!!」
澄んだ心を持ったまなみの暁一文字が滝を綺麗な一直線を描き真っ二つにした
「やったぁ…!キジバズーカ待ってなさい!!」

福島県会津若松。今まさにキジバズーカが街を破壊しようと上空から見下ろしていた。
「クワァァラ!さっそくこの鶴ヶ城を破壊してやる!」
鶴ヶ城目掛けてバズーカの火が吹いた!しかし砲弾は途中で爆発、鶴ヶ城は無傷であった。
「ど、どういうことだ…!?むっ貴様は!!」
爆風の中から現れたのは隼に跨るまなみの姿であった。
「キジバズーカ!私は今度こそお前には負けない!!」
「何度来ようと俺には敵わないことを教えてやる!」
以前と同じように超高速で飛び回り、まなみを攻撃してくる。だがそれをまなみは
斬り払いスピードにも難無く追いついてくる。
「な、何故俺様の攻撃が効かん!?」
「私はお前に負けないために特訓してきた!そして隼…雪絵さんありがとう」
隼も雪絵によって修復されただけでなく、パワーアップを遂げていた。
最大時速が400キロになり、なにより飛行時間が大幅に伸びて約1時間は
連続で飛行可能になった。
「火炎閃光キィィィィック!!」
隼から飛び降りそのまま攻撃体勢に。必殺キックはキジバズーカを鶴ヶ城の天守閣に
叩きつけた。
「ぐわぁぁ…!」
キック後、空中回転しながら隼へとまた搭乗するまなみ。そしてスピードをぐんぐん
上げてキジバズーカへと突撃する。キジバズーカはバズーカ砲を連続発射し
攻撃を逃れようとするがまなみは全ての砲弾を斬り払っていく。
「お、おのれぇぇ!!」
「火炎!隼スラァァァッシュ!!」
キジバズーカをすれ違いざまに斜めに斬り伏せる。ゆっくりと墜落して行き、
鶴ヶ城上空にて爆発が起きる。まなみが勝利を掴んだ瞬間であった。

数日後。キジバズーカの被害にあった街々の復興作業を手伝うまなみと雪絵。
「雪絵さん、今回も本当にありがとう!あのままだったら、今度こそ私はあいつらにやられていた」
「まなみ、あたしはあんたみたいな力は無いけど、少しでも力になれたら
あたしは本望さ。気にしない!」
まなみと雪絵は食料を支給したり子供たちと遊んでいた。街は破壊されても
心だけはそうはさせないと誓うまなみであった。

「解説お姉さんです!いやぁ~まなみちゃん大特訓の末に強敵を撃破!
すごかったねぇ。このまままなみちゃんが立ち直らなかったらどうしようかと思ったわ。
そして前回に続いて登場のキジバズーカ!今度は東北を狙い始めて手始めに会津若松を
襲おうとしたわ。だけど復活したまなみちゃんにバズーカが効かなくて
撃破されました!」
次回予告「健康のためには食事バランスをしっかりさせないと。そのためには
野菜も取らなくてはいけない。しかし野菜がどこにも無い!?これはもしやと
まなみが調査したさきにあった悪の野望!
次回『食生活崩れる!野菜強奪作戦』炎心変幻せよ、新堂まなみ!!」


一度はキジバズーカに敗れ、戦意喪失したまなみ。しかし特訓の末に戦う心を蘇らせ
まなみは今度こそ勝利を掴むのだった…。

炎術剣士まなみ 第八話「食生活崩れる!野菜強奪作戦」


近頃はテレビの健康番組の影響か、巷ではベジタブルブームだ。大型スーパーから
八百屋までいろいろな野菜が売れている。特にキャベツは人気のようだ。
そしてここ、喫茶レイラでも…。
「雪絵さん、サラダを一つ」
「ごめん、まなみ。キャベツきらせちゃってね…最近はサラダが
バカ売れするもんだから…」
各家庭のみならず、飲食店でも非常に売れているようだ。しかしある日のことである…。

―――青果市場。いつもどおりトラックに大量の野菜が詰め込まれ届けられる。
そこの職員たちが野菜を降ろしていく。一通り片付き、しばらく目を離していた間に
事件は起きた。
「おい!野菜が一つもないぞ!」
「なんだって!?…本当だ、確かにここに降ろして置いといたはずなのに…」
「早く探すんだ!数えきれない程の業者さんから注文が殺到しているんだからな!」
職員たちは市場の隅から隅まで走り回り、怪しいとこをくまなく探すが…。
「駄目だ、どこにもキャベツの葉一枚落ちちゃいねぇ」
「くそぉ、困ったことになったぞ…」
野菜が何一つ手に入らない状況に各地の八百屋、スーパーにデパート、飲食店で
トラブルが立て続けに起きる。喫茶レイラでもお客に料理を振る舞うことが出来なかった。
「えぇ~食べるものは出せない!?」
「申し訳ありません、野菜がいつまでも届かないので…」
「まあいいわ。今度はちゃんと用意しといてね」
客がいなくなると同時にまなみが店に入ってくる。
「雪絵さん、どうかしたんですか?」
「ああ、それがね、今日はうちも商店街の食品扱っているところ全てに野菜が
来ないのよ。配送所に問い合わせたら野菜が消えたとか言ってたけど、
そんな瞬時に消えちゃうなんてねぇ、どこかで見落としてるんじゃないのかな」
「…ヘルスター帝国の仕業だ!!雪絵さん、私が謎を暴いてきますよ!」
すぐさま隼で飛び出す。

どこまで暗い空が広がる異空間。ヘルスター帝国の本拠地がここにある。
「デスワームは野菜をエネルギーとしてパワーアップしていきます。そして
今、日本は野菜が大量に出回っている…その野菜をデスワームが食べていく。
これにより、日本の混乱とデスワームの強化を同時に行うことが出来、
じわじわと侵略していく…こうなっております」
バルガン将軍がラデスにそう説明する。そしてデスワームも口を開く。
「ズワァァァム!ラデス様、バルガン様、このまま全国の野菜を食い尽くし
あっという間に日本を壊滅させて見せます!では」
デスワームは再び、日本に向かう。

その頃、まなみは野菜が紛失した青果市場や野菜を取り扱っている店を回っていた。
どこも野菜が無くなったのは一瞬のことで、その瞬間を見た者はいないそうだ。
「手掛かり無しね…だったら…!」
いったんまなみは捜査を止めて、その場を立ち去る。
そして次の日の朝。青果市場ではトラックに野菜が積み込まれ、箱が仕分けされていく。
職員たちが作業中の時、人知れず黒い影が通り過ぎる。そして職員達がいないのを
見計らって野菜を瞬時にまる飲みしていく。それは…というか、デスワームの仕業である。
「ふははは!野菜が毎日大量に来るここは素晴らしい。俺様のエネルギーがどんどん
蓄積されていく!さあ次はあれを食べるとしよう」
そして目先にあったダンボール箱に手を掛ける。箱を取ると同時にデスワームに
顔面に突然の衝撃が走った。まなみの鉄拳がめり込んでいた。

「貴様!?新堂まなみ!」
「ヘルスター帝国のナイトメア怪人!やはりあんた達の仕業ね!」
「何故、俺がここに現れると分かったのだ!?」
「野菜を食い尽くすお前が、再び青果市場に来るのは分かっていたわ。
確実にお前と遭遇するにはこうして隠れる他、無かったわけよ」
野菜の葉を払うまなみ。ダンボールの中に付いていたらしい。
「くそぉ!だが、俺様は必ず更なるパワーアップをするぞ!その時が貴様の最後だ!」
言うと、煙幕を発生させて姿を消す。
「あ!?ここまで追い詰めたのに!」

まなみから逃れたデスワームは地中を移動しながら、多摩地方へと向かう。
直に野菜畑を襲って野菜を頂こうという魂胆だ。何故、最初からそうしなかったのかは
疑問に残るが。
見つけた畑には中年の男性が農作業をしていた。それをデスワームは背後から襲い掛かる。
「ズワァァァム!貴様の畑は頂いた!」
「うわっ!?何だお前は、うわあああぁぁ!!」
しばらくすると、まなみが隼に乗って畑へと到着した。畑はすっかり荒らされて
しまっている。まなみが畑に足を踏み入れると男性の呻き声が聞こえてきた。
「!…大丈夫ですか!?」
「ぐぁ…芋虫の化け物が蝶の化け物に…」
そのまま男は気を失ってしまった。ひとまず、まなみは彼を病院に連れて行った。
「蝶の化け物…まさか、デスワームが!?」
病院に送り届けるとすぐさま、街へと突っ走る。まなみが到着すると建造物は
特に破壊されてはいない。人々も特に傷ついた感じはしていない。
「確かにこっちの方に嫌な気があったはず…な、なに!?」
思考していたまなみの後ろから人々がまなみの身体を掴み抑えた。
「みなさん、やめてください!」
しかし、彼らに言葉は届かない。その時、不気味な笑い声が…。
「クカカ、いい格好だなぁまなみぃ?」
空から蝶のような姿の怪人が現れたのだ。
「お、お前は!まさか…」
「そのまさかだ。俺はデスワームから羽化し、誕生したデスバタフライだ。
俺の鱗粉を浴びたそいつらは俺の思うがままに動くのだ!
まなみ、お前も俺の鱗粉を浴びて俺の下僕にしてくれる」
動きを制限されているまなみに鱗粉が掛かっていく。
「うっ…そうはいかないわ!炎心変幻!!」
炎術剣士へと変身し、鱗粉を吹き飛ばした。操られた人々の拘束からも脱出。
スーパーの屋上で名乗りをあげる。
「全国の野菜を食べつくし、人々を操るヘルスター帝国!
炎術剣士!新堂まなみが、成敗します!」
「変身しても俺の鱗粉からは逃れることは出来ないぞ!次はこれだ!」
再び、羽を羽ばたかせ、まなみに鱗粉をふりかけようとする。
「そう何度も浴びはしない…あうっ!」
避けようとするが、デスバタフライに操られた一般人がまなみに飛びつき掴みかかる。
「ははは!まなみ、これでお前は俺の軍門に下る!終わりだ!」
先ほどよりも多く、そして速く鱗粉を掛けられていく。
まなみの意識も飛びそうになってきた。
「こ、こんなことで…ううっ…ああ!」
「ヘルスター最強の敵が最強の味方になるのだ。さあて、そろそろどうだ?」
鱗粉を掛けるのをやめ、まなみに話しかける。
「新堂まなみ、俺が分かるか?」
「…はい、あなたはデスバタフライ様…私はあなたの忠実な下僕、新堂まなみです」
鱗粉を浴び、まなみは洗脳されてしまったのだろうか。
「よし、まなみよ、そこの男を斬り殺せ。お前の最大必殺技の火炎大破斬でな」
「分かりました。暁一文字…!」
デスバタフライは操っている男を殺せとまなみに命令する。まなみもそれに答え
暁一文字を抜き、炎を纏っていく。
「デスバタフライ様のために死んでください。たあぁ!!」
空高く飛び上がり、暁一文字を掲げながら一気に飛び掛った。轟音と爆風が巻き起こる。
しかし、男は無傷。代わりにデスバタフライが炎に焼かれていた。
「うわぁぁぁ!!な、何故だ!?おのれぇ、まなみぃ!!」
焼かれながらも、まなみに憎しみの目を向けるデスバタフライ。それに息が上がっている
まなみが口を開く。
「はぁ…はぁ…危なかったわ…。デスバタフライ、実際お前の洗脳鱗粉はすごい性能よ…
だけど、私の意志の方が勝ったということよ」
爆発とともにデスバタフライは木っ端微塵に吹き飛んだ。

事件から数日後。日本全国の野菜は復活し、健康ブームがまだ消えてなかったため、
また飛ぶように売れていく。喫茶レイラでもサラダは無くなるばかり。
「雪絵さん、またカツだけサンドですかぁ?」
「しょうがないじゃない、野菜はまたきれちゃったし」
「これじゃあ、私が不健康になっちゃいますよ…」
嘆くまなみをよそにその後もレイラの野菜は足りない状態が続くのであった…。

「は~い!解説お姉さんです!何か久しぶりな気がするけど気のせいだよね。
今日はまなみちゃんの行動拠点の喫茶店レイラについて。立川雪絵さんが
切り盛りしているお店で、雪絵さんはまなみちゃんの大学の先輩なの。時に優しく、
時に厳しくまなみちゃんを引っ張る姉御肌お姉さんです。レイラは安くておいしいけど
駅から少し離れているのが難点なのです。そして、今日のナイトメア怪人は
デスワームと、デスワームから羽化したデスバタフライ!野菜を食べつくして
デスバタフライになったわ。羽の鱗粉は強力な洗脳粉になっていて、街の人々を
操ったり、不完全ながらもまなみちゃんも洗脳した恐ろしい怪人ね。
それじゃ、また見てね!」
次回予告「銀行強盗を行うヘルスター帝国の新たなナイトメア怪人ドクロマムシ。
銀行強盗を阻止しようとするまなみだったが、ドクロマムシの猛毒に倒れてしまう。
まなみを救うのは誰か!?そしてまたも強盗が行おうとするドクロマムシ。
次回『悪夢!ドクロマムシの大猛毒』見るとよか!」


ヘルスター帝国のデスワームは日本全国の野菜を食べまくり、デスバタフライへと
羽化した。デスバタフライの鱗粉は人々を操り、まなみをも洗脳し掛けたが、
まなみの強い意志が怪人に勝った。

炎術剣士まなみ 第九話「悪夢!ドクロマムシの大猛毒」

立て続けに各地の銀行が襲われる事件が発生している。これまでの警察やその他機の
調査によれば、犯人は蛇のような姿をした怪人だということが分かった。
当然、ヘルスター帝国の仕業だろう。まなみは次に襲われると思われる銀行へと
隼を駆り、向かう。
「ヘルスター帝国は何を考えているのかしら…そんなに資金が必要な作戦を
考えてるのかも…なら、絶対に止めなくちゃ!」
目的地の銀行へと到着し、銀行員と話をつけて待機することにした。
「貴様ら、この俺様の言うとおりにして金を全て差し出せ!」
しばらくしていると予想通りに蛇型の怪人が現れ、銀行から金を強奪しようとした。
「やっぱりヘルスター帝国のナイトメア怪人!炎心変幻!!」
待合所に座っていたまなみが立ち上がりすぐさま変身する。
「待ちなさい!罪無き人々を脅かし、お金を奪い取ろうとするヘルスター帝国!
炎術剣士!新堂まなみが成敗します!!」
銀行にいた人々から歓声が起きる。暁一文字を抜き、怪人に斬りかかる。
その攻撃を寸で避わし、体勢を整える。
「貴様が新堂まなみか。俺はナイトメア怪人のドクロマムシだ。
しかし、お前も不運な奴だ。俺と戦おうなどと考えなければ死なずに済んだものを…」
「減らず口を叩けるのも今のうちよ!炎流波!!」
まなみは火炎光線を浴びせて攻撃する。ドクロマムシはもろにそれを受けてしまった。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
炎流波を受け、その場で黒焦げになり倒れるドクロマムシ。
「あれ?やけにあっさり終わったわね…皆さん、お怪我はありませんか?」
とりあえず戦いは終わったと思い、まなみは周囲の人々に声を掛ける。
皆、無事なようでまなみも一件落着と思っていた…しかしその時!
「キシャァァァ…キシャアアアァァァ!!!」
なんと、先ほど倒した筈のドクロマムシが立ち上がり、まなみに飛び掛ってきた!
「…えっ!?あ、ああぁぁぁぁ!!」
突然のことでまなみは避けることが出来ず、首に噛み付かれてしまう。
「ふふふ、馬鹿な奴だな、まなみ。俺は蛇なのだ、脱皮して貴様の炎から
脱出したというわけだ」
「あうぅっ…くっあ!」
ドクロマムシの牙がまなみの首に深く沈んでいく。
「くうっ、ああ…」
牙が抜けるとまなみはその場に倒れこんでしまった。
「ぐははは!俺様の体内には猛毒があるのだ!それも人間の技術では毒を抜くことさえ
ままならないのだ!まなみの命は持ってあと三時間!まあ並みの人間なら
この場で息絶えるがな。さて、コザーよ金を回収して帰還するのだ」
戦闘員コザーが銀行の金という金を全て持ち出し、ドクロマムシとともに姿を消した。
毒が回り始めたまなみは変身が自然に解け、病院へと運ばれた。

ドクロマムシの言うとおり、解毒する方法は無くまなみは死へと近づいていく。
ベッドで寝ているまなみのもとに病室の扉を叩き割るかのように入ってきた
二つの人影。それは立川雪絵とまなみの母、新堂悠美である。
「まなみ!」
まなみに駆け寄り、眠りから覚めない彼女を思わず揺する雪絵。それをただ入口から
呆然と立ち尽くしながら見ている悠美。
「悠美さん、まなみを助ける手段は無いんですか!?」
涙で濡れ崩れた顔で悠美から聞こうとする。
「一つだけあります。私が、まなみちゃんの力を復活させます。そのために
私の炎術の力をまなみちゃんに与え、毒を浄化するのです」
そう救う方法はある。しかし
「悠美さん、あなたに影響は無いんですか?力を移すなんて」
「まなみちゃんに残っている力によります。もし、すでにほぼ身体を毒に犯されていたら
私もこの子も…だけど、まだまなみちゃんの命に火がついていれば…とにかく、
今まなみちゃんを救うことが出来るのは母である私しかいません」
そう言うとまなみの胸に手を当てた。途端、二人の体を炎の色の象徴である紅色の
オーラが包み込んだ。助かるのかどうか…雪絵はただ見守るしかない。
しかし、その時であった。病室の外が急に騒がしくなった。
雪絵が近くにいた看護婦に尋ねる。
「いったいどうしたんですか?」
「この病院のすぐ近くにある銀行でヘルスター帝国が…それで避難を
始めているとこなんです」
襲われている銀行も、そしてこの病院も危ない。まなみはまだ目覚めない。
雪絵は思わず飛び出した。
「雪絵さん!どこへ行かれるの!?」
まなみに力を与えながら悠美は問う。
「まなみが復活するまで、私があいつらの相手をしてやりますよ!」
言うと、走り出して姿を消した。
銀行では破壊活動を行いながら、金品を強奪していくドクロマムシと戦闘員の姿が。
「まなみがいないこの世界など、簡単に我々の思うようになるな!
戦闘員コザーよ、もっともっと金品を集めろ!」
「待て!」
声に驚き、辺りを見回すヘルスターの面々。そして窓ガラスを突き破りバイクが現れた。
「うわっ!これは隼!?しかし新堂まなみは動けんはずだ」
「まなみの代わりに私がお前達の相手をするわ!」
破壊されていた入り口から雪絵の姿が。
「立川雪絵か!まなみのように特別な力も無い、ただの人間の貴様に何が出来る!?」
「あまり舐めない方がいいわよ?」
コザーが次々と襲い掛かる。雪絵はそれを捌き、カウンターで投げ飛ばす。
「何をやっている!」
「それなりに護身術は身に付けているんだから。隼!」
途端、隼の前部からミサイル、レーザーが一斉発射される。コザーは次々と消滅していく。
しかし素早く雪絵の背後から首を絞めだすドクロマムシ。
「ぐっ、あ…くぅ、今の攻撃を避けたっての…」
「くくく…避けなくても耐えることは出来たさ…しかし、それではさすがにただでは
すまないからな。さて、舐めた真似をしてくれたな、立川雪絵…ここで死ねぇ!!」
ドクロマムシの牙が光り出す。雪絵にも毒を注入するつもりだ。
「(くっ…ここまでか…まなみ、仇を取ってね…)」
牙が雪絵の首へと落ちてくる。しかし、牙は横へと流れていく。炎と共に。
「ぐわぁぁぁ!…き、貴様は!!」
「ま、まなみぃ…!!」
夕焼けとともによりいっそうに映える赤き和服型戦闘衣。それに身を包んだ少女。
新堂まなみが復活した。
「雪絵さん、遅くなってごめんなさい。ドクロマムシ!再び銀行を襲い、
私の大事な人まで傷つけた罪、許さない…成敗するわ!」
怒りに燃えながら暁一文字を抜き、斬りかかる。怒涛の攻撃に反撃を行うことすら
ままならないドクロマムシ。なんとか毒牙で噛み付こうとするが
「二度、同じ手は食わないわ!てぇや!」
「うおおぁぁ!?」
一閃。牙は一瞬にしてドクロマムシから飛ばされ、離れる。
「お、おのれぇぇぇ!!」
「ドクロマムシ、あなたの企みもここまでよ!火炎大破斬!!」
炎を纏った暁一文字でドクロマムシを真っ二つに切り裂き、大爆発。
雪絵がまなみに近寄り、話しかける。
「本当に良かった、まなみ…」
「お母さんが、私の体内の毒を全て浄化してくれました」
「そうよ、悠美さんは?あんたを助けるために…」
「大丈夫です。…私と入れ替わりにベッドで寝てますけど…。雪絵さんも私の代わりに
戦ってくれたんですね。ありがとう…だけど、あまり無茶しないでくださいね。
もしも雪絵さんの身に何かあったら、私…」
「あたしはそう簡単にくたばらないわ。あんた以外に戦える戦士っていないんだし
私がいつでもあんたを助けるから」
雪絵は笑いながら言う。まなみは苦笑しつつも、その身を案じ、早く平和を
取り戻そうとよりいっそう決意を固めるのだった…。

「は~い、解説お姉さんです。今日は新堂家の宿命について!時は江戸時代前期。
島原の乱も終わり、太平の世となった頃に、まなみちゃんのご先祖様が、とある神社で
その炎術剣士としての力を手に入れたとされています。
詳しいことは分かるのかしらねぇ…?そして今回登場したナイトメア怪人は
ドクロマムシ!銀行で目的不明で金品を大量に奪おうとしたわ。そして
その体内で作られる猛毒は並みの人間なら即死!まなみちゃんでも三時間しか
耐えられない危険すぎるものよ!じゃあ、次回も見てね」
次回予告「幼稚園児を襲うヘルスター帝国と戦うまなみ。しかし園児を
人質に取られたまなみは思うように攻撃することが出来ない!
まなみの助っ人として現れた少女は一体!?次回「園児の危機!怒りの一撃!」
また見てね!」