炎術剣士まなみ第十話~第十二話


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ナイトメア怪人ドクロマムシの猛毒に倒れたまなみ。まなみに代わりヘルスターの
作戦を阻止しようとした雪絵であったが、力及ばず大ピンチ。しかし母の手により
復活したまなみによって、雪絵は救われ、ドクロマムシは倒された。

炎術剣士まなみ第十話「園児の危機!怒りの一撃!」


晴れ渡る青空。まなみは今日も隼に乗って街をブラブラしていた。もちろん
パトロールも兼ねて。飛ばしているうちに桜ヶ丘からそんなに離れてはいない
風月幼稚園に到着する。
「あー!まなみお姉ちゃんだ!」
園児がまなみを見つけると声を上げる。それに呼応して周りの園児も集まってくる。
お忘れかもしれないが、まなみは全国に炎術剣士として顔が割れている。
そのため、子ども達からするとまなみは悪を倒す正義の味方として憧れの対象であった。
「お姉ちゃん、せっかく来たんだから遊んでよ!」
「いいよ、何して遊ぶ?」
「じゃあ、かくれんぼ!」
そうして子ども達とかくれんぼを始めるまなみ。鬼役は受けたまなみは自身が
子どもだった頃のことを思い出しながら遊びに没頭していた。

子ども達との楽しい時間のなか、バイクの音がこちらに近づいてきた。
その音に子どもが気付き、振り向くと
「あ~裕奈お姉ちゃんだぁ!」
まなみの時と同じく、子ども達が近寄っていく。裕奈と呼ばれた少女は
近寄ってきた男の子の頭を撫でながら
「は~い、みんな元気してたぁ?」
「うん、今日はまなみお姉ちゃんが遊びにきたの!」
裕奈はまなみの方を向く。まなみは軽く会釈した。裕奈は瞬時に何者か理解すると
走って近づいてきた。
「もしかして、あなたが新堂まなみちゃん!?うわぁ~本人だぁ!」
「え、うん、そうだよ」
やたら明るく、ノリよく話す裕奈に少し戸惑うまなみ。
「あたしは、水無瀬裕奈だよ。ヘルスター帝国と戦ってるんだよね?」
「うん、私の使命だからね」
はっきりと言い切るまなみに感心したような表情で、突然突拍子も無いことを言い出す。
「ね、まなみちゃん。あたしもあなたに協力する!」
「え?いや、それは気持ちだけでいいよ。危険すぎるわ」
止めようとするまなみに見ていた園児が口を挟む。
「裕奈お姉ちゃんは、柔道とか拳法とかいろいろやってるんだよ!」
「すっごく強いんだからぁ!」
「でもね、やっぱりすごく危険だからね。だから裕奈、あなたの気持ちは嬉しいけど
それだけ受け取っておくわ」
「あはは、まなみちゃんにそこまで言われちゃしょうがないよね。応援してるから」
話をつけると、同時に園児を呼ぶ先生の声が。どうも帰りのバスの時間のようだ。
「それじゃ、みんなまたね」
「まなみお姉ちゃん、また来てね」
「裕奈お姉ちゃんも~!」
「オーケーオーケー!次はおいしいお菓子いっぱい持ってきちゃうから」
子ども達は笑顔で二人にさよならする。園児達はバスに乗り込み、まなみ達二人は
いつまでも手を振っていた。
しかしその夜に事件は起きた。園児達がいつまで経っても一人も自宅に帰って来ないのだ。
幼稚園からその知らせを受けたまなみは調査に乗り出した。
園長先生から渡された幼稚園バスのルート表を追いながら、行方を捜す。
一通り回っていくがこれといって手掛かりを得ることが出来ぬまま、
指定されたルートは終わろうとしていた。だが、バスが幼稚園へ戻るルートの途中で
隼が微弱な怪音波をキャッチした。
「こんな幼稚園からそう離れていない場所から…でも少しでも怪しいものは
なんでも見に行かなくちゃ…!」
まなみは電波を頼りに隼を走らせる。電波の発信地点は採石場の方からだ。
しばらく進んでいくと、そこには幼稚園バスが!バスの方から声が聞こえてくる。
「まなみお姉ちゃん助けてぇー!」
「今行くわ!みんな待ってて!」
バスに進路を向けて走り出すが、その途中に次々と隼の通る道は爆発していく。
「くっ!これじゃ、近づけない!」
悪戦苦闘しているまなみに笑い声が聞こえてきた。
「ふははは!新堂まなみ、どうだ?」
黒い光とともにバルガン将軍がバスの近くに現れる。
「バルガン将軍!みんなをどうするつもり!?」
「なに、ちょっと我々ヘルスター帝国の実験材料にするだけさ」
「ふざけないで!あなた達の実験のために幼い子ども達を利用するだなんて!」
さらりと言いのけるバルガンに怒りを表すまなみ。バルガンはさらに続ける。
「子ども達を救いたければ、このコウモリオンを倒してみろ!」
煙とともに、ナイトメア怪人コウモリオンが現れた。幼稚園バスをここまで連れたのも
こいつの仕業だ。
「フェェヤァ!新堂まなみ、来い!」
「行くわよ!炎心変幻!!」
炎がまなみの身を包み、炎術剣士の姿へと変える。
「子ども達を誘拐し、実験に使おうとするヘルスター帝国!新堂まなみが成敗します!」
隼から飛び降り斬りかかるまなみ。それを受け止め流すコウモリオン。周りから
戦闘員コザーが現れるが、まなみは連続打撃と斬撃で返り討ちにしていく。
「そこまでだ、まなみ。お前がこれ以上抵抗すると子ども達の命は無いぞ」
再びコウモリオンに斬りかかろうとするまなみだったが、コウモリオンの一言に
動くことが出来ない。
「くっ…卑怯な!」
「フェェヤァ!勝てばいいのだ!さて、どうする?」
「仕方ない…」
悔しさを滲ませながら暁一文字を地面に突き刺す。
「まなみお姉ちゃん!戦って!」
「黙れガキども!お前達の大好きなまなみはここで死ぬことになる。
やれ!コウモリオン!」
「フェェェヤァ!地獄音波!!」
「うぅぅ…うあああぁぁぁ!!」
「どうだ、まなみ。俺様の音波は貴様の脳波を狂わせて、いずれ破壊されてしまうのだ!」
音波攻撃に苦しむまなみに対し、さらにバルガン将軍が何度も斬りつける。
「さあとどめを刺してやろう!」
「うぅ…ここまで、なの…」
万事休す、そう思われた時、突如として地獄音波が止み、コウモリオンが吹っ飛ばされる。
「ぐわぁ!だ、誰だ!」
「まなみちゃんになんてことしてんの!許さない!」
「ゆ、裕奈…」
コウモリオンを蹴り飛ばした者は裕奈であった。敵が怯んだ隙を逃さず暁一文字を
取り戻し、バルガンを斬りつけ、炎流波で吹き飛ばす。
「ぐぉぉ!おのれ!コウモリオン、子ども達を殺せ!」
「おっと残念!子ども達はあたしがもう助けちゃった」
見るとバスの姿はそこには無かった。まなみを甚振るのに集中していたコウモリオンと
バルガン将軍はバスのことをすっかり忘れていた。裕奈はなかなか手回しが良いようだ。
「え~い、何者かは知らんが我々の邪魔をする貴様のような奴も処刑対象だ!
コウモリオン!やれ!」
「お前の相手はこっちよ!」
コウモリオンが裕奈へ飛びかかろうとするもまなみが割って入る。すぐに連続で斬りつけ、かかと落としで地面に叩き落す。
「火炎烈風パァァァンチ!!」
炎を纏った拳がコウモリオンに直撃し、断末魔も残さず消滅する。
「おのれ、新堂まなみ!次はこうは行かんぞ!」
捨て台詞を残し、バルガン将軍は姿を消す。

子ども達は無事家に帰宅。事件はまなみと裕奈の二人によって解決された。
朝日が顔を覗かせ、二人を照らす。
「裕奈、今回の事件はあなたがいなかったら最悪の結末になっていたわ。
ありがとう」
「いいよいいよ、あたしが偶然、まなみちゃんの姿を見たから着いていったら
あの場面に遭遇しただけだし。それにまなみちゃんが死んじゃったら
地球は大変なことになるし、幼稚園のみんなも悲しむし、あたしも悲しいし」
「裕奈、あなたって本当に思いやりのあるのね。でも無茶はしないで…」
「大丈夫、これからはまなみちゃんの言ったとおりに自重するから。
でも心だけはまなみちゃんと一緒だよ」
二人は微笑みながら、その場を去っていく。そしてまなみは改めて戦う気持ちを
強めていくのであった。

「はぁ~い!解説お姉さんだよ。今回は剣士の身体的なすごい特徴を。
炎術剣士として一度覚醒すると、なんと25歳以降、老化が抑制されるの!
だからまなみちゃんのお母さんも、亡くなったおばあちゃんも若々しい姿のままなんだね。
ぶっちゃけ羨ましい…そして今回のナイトメア怪人はコウモリオン!
音波を使って幼稚園バスを連れ去ったり、まなみちゃんを倒そうとしたわ。
だけど、裕奈ちゃんの割り込みは予想外だったみたいね。それじゃまたね!」
次回予告「ヘルスター帝国を追うのはまなみだけじゃない。当然、警察も
その行方を追っている。そんな中、喫茶レイラにやってきた、若き女刑事は
まなみに邪魔をしないように言ってきた!しかしまなみも使命だからと
一歩も引かない!次回『最強コンビネーション!ミサイル基地を破壊せよ』
次回もお楽しみに!」

台詞ばっかで我ながらうざったい…今回も次回も新キャラです。
サキュバスの作者さん、文だけじゃなく絵も描けて羨ましい。自分は絵は
どうしようもないし。


園児たちをバスごと誘拐し、幼き彼らを人質に取った卑劣なヘルスター帝国の
ナイトメア怪人コウモリオンに手出しが出来ず、いいようにされるがままであった
まなみを助けた水無瀬裕奈。まなみと裕奈の間に深い絆が生まれた。

炎術剣士まなみ 第十一話「最強コンビネーション!ミサイル基地を破壊せよ」


新堂まなみがヘルスター帝国を追っているように、この世界の警察機構も同じく
ヘルスター帝国の悪事を暴こうと調査を行っている。
しかしそれもまなみが全てを解決してしまうため、警察の役割と言えば専ら
民間人の避難誘導や街の警備ぐらいなものであった。
そのため、次第に警察内での対ヘルスター帝国への士気は低いものとなり
とりあえず新堂まなみに任せておけばいい、という考えを持つ者さえ現れるようになった。
そのような警察の中にも一人、打倒ヘルスター帝国の志しを持つ者がいた。

喫茶店レイラで、久々にまなみはゆっくり食事を取っていた。激しい戦いが続く中
このところは、比較的穏やかに過ごすことが出来た。雪絵の入れたココアを飲み
サンドウィッチを食べている。
「おいしい!やっぱり雪絵さんの作る料理は最高ですね」
「そう?ま、あたしも好きでこういうことやってるし、そう言ってもらえると嬉しいね」
談笑しながら時は流れていく。その穏やかな空気の中に入り込む者が現れた。
入り口の鈴が鳴らせ、一人の女性が入店する。服装は比較的ラフな格好で、
髪の長さはセミショート、きりっとした表情をしている。
「いらっしゃいませ、どうぞ好きな席に…」
「いえ、今日は結構です。私、七瀬明日香と申します」
と、ポケットから何かを取り出す。それは警察手帳だ。
「警察が何の用ですか?うちには警察沙汰になるような人はいないですよ?」
「分かっています。用があるのはあなたよ、新堂まなみさん」
女はまなみに近寄っていき、口を開く。
「まなみさん、あなたの話は警察内でも大評判よ」
「え?と、突然そんな…いや嬉しいですけど」
「おかげで、今の警察は腑抜け状態。ヘルスター帝国への対抗策なんか出やしない」
嫌味をいわれたようでまなみはムッとした。
「何が言いたいんですか?」
「単刀直入に言うわ!まなみさん、あなたヘルスターと戦うのを止めなさい」
「ちょっと何言い出すんですか!?連中と戦うのは私の使命です!」
「あなたの影響力は大したものよ。少なくともお偉いさんは、この世の平和は
新堂まなみに任せておけばいいと思っているわ。そしてその考えが下の者にも移って
警察全体の士気が下がっている。今はまだ、ヘルスターに対してだけでも、そのうち、
他の警察が対応しなければならないことにも影響が出るかもしれないのよ」
「そんなの根拠も何も無いじゃないですか。ヘルスターのナイトメア怪人は強力です。
普通の武器はとても通じない」
明日香は拳銃を取り出す。一見、警官なら誰でも持っていそうなものだ。
「これまで現れた怪人を研究、分析をして生み出された特殊弾丸を詰めた拳銃よ。
これなら奴らの良いようにはさせないわ」
「それでも危険です。私は戦うのを止めるわけにはいかない」
「…いいわ、今日は諦める。でも警察でも十分にヘルスター帝国と戦えるということを
近いうちに教えてあげるわ」
どうしても引かないまなみに、何を言っても無駄と判断して店から出て行く明日香。
「まなみ、どうするの?」
「私は平和な世が来るまで戦い続けます。あの人に何を言われて考えは変わりませんよ」

―――ヘルスター本拠地ヘルキャッスル。デリック参謀の新たな作戦が説明されていた。
「幽河山に建造中のミサイル基地。全国を破壊しつくすことが出来ます。
テストとして深夜0時に山梨県の森伏村を攻撃しましょう」
「デリック、まなみに嗅ぎ付かれた場合はどうする?」
「それは心配無用だ。基地の内部には多数の罠が設置している。しかも何重にも
なっている…例え一つ二つ罠を突破しても、まだまだ無数にある」
バルガン将軍の問いに答えるデリック参謀。
「デリックよ…ミサイルネズミを連れて行け。日本を、そして世界を我が物にせよ!」
皇帝ラデスに言われ光とともに現れたミサイルネズミ。
「ドュガァ~!全てを破壊しつくしてご覧にいれます」

人々はヘルスターの暗躍を知らずにいた。そして朝を迎える…。
いつも通りまなみは喫茶店レイラに向かうと、雪絵はテレビのニュースを見ていた。
「おはようまなみ。今、ニュースでやってたんだけど、山梨の森伏村が壊滅したそうよ」
「なんですって!?原因は?」
「大量の爆薬で壊滅。日本に侵入したテロリストか何かの仕業だって噂よ」
「テロリスト?テロリストがなんでそんなところを狙う必要があるの…私、ちょっと
森伏村に行ってみます」
あまりにも不自然な森伏村の壊滅の報せを受けて、まなみは隼を飛ばす。
現場に到着すると生存者から事情を聞こうとする。
「教えてください、村の壊滅理由は本当にテロリストの仕業なんですか?」
「だと私たちは思います。何故、こんなとこを目的にしたかは分かりませんが」
話を聞いて回るが皆、似たような意見ばかりであった。
「ヘルスター帝国の仕業じゃないの…?」
まなみもこれは本当にテロだと思い始めていた。しかしそのときだった。
「違うよ!大人は信じてくれないけど、幽河山からミサイルが飛んできたんだ!」
「ええ!君、それは本当?」
「うん。俺、夜眠れなくて外に出てたんだ。そしたら幽河山の方からミサイルが
飛んできたんだ。だから慌てて父ちゃんと母ちゃんを起こして逃げ出したんだ」
「分かったわ。私が幽河山に行ってみる」
「頑張ってお姉ちゃん!」
少年に手を振って別れる。幽河山に到着すると、警戒しながら奥へと進んでいく。
そして人工的な建造物を発見、案の定戦闘員コザーの見張りがいる。
忍び寄り、背後からコザーを倒す。基地内部へと潜入する。
「やはりヘルスター帝国…ん?あれは!」
潜入するや人影を発見する。それは見覚えのある者だった。
「明日香さん!」
「やはりあなたも来たわね。でも、ここを潰すのは私よ」
「そんなことを言ってる場合じゃないでしょう。ここは協力して戦った方が」
「結構よ。私は一人でやる」
そう言って先へ進んでいく。すると突然、天井から鉄球が落下してきた!
さらに壁から矢が発射される。しかし明日香はそれらを全て回避する。
「この程度でっ…うっ!?」
明日香の周囲から火花が発生する。爆発する前兆だ!
「危ない!たぁ!」
危険を察知したまなみが明日香に飛び掛り救出する。直後に明日香のいた場所は爆発した。
「大丈夫ですか!」
「まなみさん…今のはお礼を言うわ。ありがとう。それでは」
なんだか顔を赤らめながら明日香は先へと進む。まなみもそれを追っていく。
まなみが角に突き当たると、煙幕と光線が発射された!それを避けて、続けて発射された
手裏剣も回避。だが次の瞬間!足元からロープが伸び、まなみの足を縛り吊るし上げる。
「きゃあ!?くっこんなもので!」
脱出しようと悪戦苦闘するも、なかなかロープは外れない。その時、バキュンと銃声が
響いたかと思うとロープが切断され、まなみは受身を取り着地する。
「明日香さん!ありがとう」
「さっきの借りを返しただけよ。それよりもあそこの部屋が怪しいわ」
明日香が指差した方向の部屋は見張りが多い。ここが司令室か。
奇襲を掛けることにした二人は一気に見張りの戦闘員コザーを倒し、部屋に突入する。
そこにはデリック参謀とナイトメア怪人ミサイルネズミの姿が。
「やはり来たな新堂まなみ。今日は雑魚も引き連れてのご登場か」
「雑魚とは失礼ね。お前たちヘルスターの相手を私は出来るわ」
デリックの発言に静かに深く怒りながら、拳銃を突きつける。
「面白い!ミサイルネズミ、この女から消せ!」
「ドュガァー!分かりました!」
ミサイルネズミが前へ出てくる。明日香はすぐに発砲!しかし、命中するも
怯みすらしない。
「人間の作った武器如きに我々がやられるものか!死ねぇ!」
「くっ!」
ミサイルネズミの口から機関砲が発射された!
「明日香さん!炎心変幻!!」
炎のオーラが明日香の目の前に降り立ち、砲撃をすべて弾く。
「罪無き人々が住む村を破壊し、さらに私の仲間まで手に掛けようとする
ヘルスター帝国!炎術剣士新堂まなみが成敗します!」
紅き和服姿、炎術剣士に変身したまなみが明日香を救った。暁一文字を抜き、
周りのコザーを斬り捨て、ミサイルネズミとデリックに斬りかかる。
「おのれ新堂まなみ!ミサイルネズミ、やれぇ!!」
小型ミサイルを飛ばして攻撃してくるもまなみはそれを回避。行き場を失ったミサイルは
基地内を破壊していく。自分で自分の首を絞める羽目になったヘルスター帝国。
戦いは激化し、まなみとミサイルネズミは外に飛び出し、山中で戦いを続ける。
デリックは既に撤退し、明日香はまなみの後を追う。
「火炎光波!!」
ミサイルネズミを吹き飛ばし、まなみは体勢を整える。しかし次の瞬間、
「まなみ!これを見よ!」
なんとミサイルネズミの背部から大型ミサイルがせり出した。
「俺は貴様に倒されても、代わりにこのミサイルでどこかの街を吹き飛ばしてやる!」
「くっ…!やめなさい!」
「どうする?俺を倒すのか?それとも降伏するか?」
まなみにはどちらを選ぶことも出来ない。怪しく笑いながらまなみを
追い込むミサイルネズミ。その時、明日香が崖の上から現れた。二人は明日香には
気が付いていないようだ。
「まなみさん!あのミサイルを…食らえ!」
明日香はミサイルを狙って発砲。命中しミサイルネズミは大爆発する!
「ぎゃああぁぁ!!」
「!…明日香さん!」
「まなみさん、今よ!」
のたうち回るミサイルネズミに向かって走るまなみ。そして暁を水平に構え高速回転する。
「火炎!!竜巻落とし!!」
目にも留まらぬ速さで連続で斬りまくり、火炎を纏った竜巻でミサイルネズミは
分解されていく。
「ドュガァァァァ!!」
そして再び大爆発。ここにヘルスター帝国の野望は潰えた。

基地跡で向かい合う二人。表情はどちらも穏やかだ。
「ありがとう明日香さん。今回、あなたがいなかったら私は…」
「いいのよ。あなたに助けられて、私分かったのよ。ヘルスターのような邪悪な連中を
倒すには協力しないとどうしようもないということが。それにまなみさん、あなたは
私のことを仲間って言ってくれた」
「だって、私を罠から救ってくれた後すぐに、一緒に突入しようとしたから
口には出さないだけで、共闘してくれるって分かったから。あと私のことは
まなみって呼び捨てでもいいですよ」
「じゃ、じゃあ、まなみ。これからもよろしく」
日も暮れていき、二人は東京へと戻る。まなみにも心強い味方がまた一人。
しかし、ヘルスター帝国はまた新しい手で攻めてくるに違いない!負けるな新堂まなみ!

「は~い!解説お姉さんです。今回は七瀬明日香さんについて!明日香さんは
若き女刑事として頑張っているの。射撃の腕前は百発百中ですごいのよ。
厳しい感じだけど、本当はとても心優しい良い人。ナイトメア怪人の相手は
大変でも戦闘員ぐらいなら楽勝で倒します。それじゃまた次回ね!」
次回予告「ヘルスター帝国はコピーシェルを使い、まなみの能力を利用しようとした。
これまでのどんな凶悪作戦よりも恐ろしいことがまなみに降り掛かろうとしている!
誘き寄せられたまなみが目にしたものとはいったい!?
次回『まなみ危うし!悪夢の対戦』お楽しみに!」


ミサイル基地を建造し、日本中にミサイルを放ち日本壊滅を目論んでいたヘルスター帝国。
しかし、まなみと女刑事七瀬明日香によってミサイル基地は破壊され、
ナイトメア怪人ミサイルネズミも撃破された。

炎術剣士まなみ 第十二話「まなみ危うし!悪夢の対決」


雲に隠された満月が浮かぶ静かな深夜。二つの走る音が街に響いている。影が入り混じり
ガキンと何かがぶつかりあう音が鳴る。雲が動き満月の姿を見せる。月明かりが二つの
影の正体を告げる。一つは紅い和服姿の凛々しい少女。そう新堂まなみ。
そしてもう一つがヘルスター帝国の新たなナイトメア怪人、コピーシェルだ。
「ナイトメア怪人コピーシェル!無差別に人々を襲うあなたを成敗します!」
「ダグァァ!まなみ、貴様はもうすぐ地獄に落ちる。俺は貴様を誘き寄せるのが
目的だったのだ!」
「私を誘き寄せためにですって!そのために何人もの人を傷つけるなんて…!
許さない!たあぁ!!…火炎閃光キィィィィック!!」
怒りの必殺キックがコピーシェルに炸裂し、火花が飛び散る。
「ぐああぁぁぁ!!…ステータスコピー!!」
「くっ!な、何!?」
苦しむコピーシェルの目から突然光が発生し、まなみを包む。しかし、特に何の影響も
無いようだ。いったい何をしたというのか。
「ダグァァ…まなみ、俺はお前に倒される。しかし、お前は近いうちに死ぬことに
なるのだ…!」
「黙れ!私はヘルスターの野望を食い止めるまでは死ぬわけにはいかないわ!
火炎大破斬!!」
とどめの一撃がコピーシェルを吹き飛ばし、大爆発を起こしながら消滅した。
「ヘルスター帝国…私を地獄に落とす…そうはなってたまるか!」
変身を解き、隼に乗りその場を去っていく。

―――異次元空間のヘルキャッスル。研究室だろうか、カイマーズ博士が何やら
モニターを眺めている。そこにバルガン将軍が現れる。
「カイマーズ博士、どうだコピーシェルが死ぬ寸前に送ってきた新堂まなみのデータは?」
「うむ…新堂まなみの能力は確かに素晴らしい。高い身体能力に加え、
高度で強力な技を揃えている。我々にとって改めて最大の脅威であることが分かったな」
「ええい!関心している場合か!しかし、確かにこれ程の能力では我がヘルスターが誇る
ナイトメア怪人達では真っ向からでは歯が立たない。対抗策はあるのか?」
「…方法はある。このデータをあるものに移し変えることだ。そうすれば新堂まなみと
同じ能力の者が生まれる。しかも属性を変えることが出来る。奴の炎術を無効化させる
ために水の属性に変えると良いだろう」
「なるほど、それをナイトメア怪人達に移せば、まなみと互角、しかも奴が対抗しにくいうえに複数で襲い掛かれば…」
しかしカイマーズはここで注意点を話し出す。
「しかし、データ移し変えは一度きりしか出来ない。しかもまなみと同じ、
人間でなくてはならない」
「なんだと!?では一体しか生み出せんうえに、地球人を使えということか…
まなみに対抗できるような人間が、果たしているのか?」
「バルガン将軍。以前、コウモリオンを使った作戦をまなみと共に妨害してきた小娘が
いたな。あの小娘がいい」
「水無瀬裕奈とか言っていたな…では奴を連れてくることにしよう」
そしてバルガン将軍は裕奈拉致のために出向くことになった。

夕方に近い夜。水無瀬裕奈はバイクに乗り帰路に着いていた。
しばらく疾走していると、黒尽くめの集団が目の前に突然現れた。
裕奈は急ブレーキをかけ、停止する。
「なんなのよ!」
集団は答えることなく裕奈に襲い掛かる。それを次々と返り討ちにしていく裕奈。
「何者かは知らないけど、あたしの相手じゃないんだから!」
そう言ってさらに襲い来る敵を投げ飛ばしていく。小柄な外見に似合わないパワーだ。
しかし、死角から迫った光球が裕奈を吹き飛ばす。
「くっ、ああぁぁ!!」
突然のことで受身も取れず、その場に倒れ伏す裕奈。直後、彼女の目の前に
バルガン将軍が現れた。
「くっくっく…いつぞやは貴様に邪魔されたが、今回はそうはいかん」
「あうっ…!殺すなら、さっさと…」
「何を馬鹿な。貴様は我がヘルスター帝国に連れて帰る。ぬん!」
バルガンの掛け声とともに、周りが黒いオーラに包まれていく。次の瞬間に
オーラに包まれた者は消えた。無論、裕奈も。

裕奈が目を覚ますと、紫色の光が充満した怪しげな部屋であった。裕奈はベッドか
何かに寝かされており、身動きが取れない。そこへカイマーズ博士が現れた。
「お目覚めかね?水無瀬裕奈」
「こんなとこに連れてきて…あたしをどうするつもりよ!」
怒号を挙げる裕奈。カイマーズ博士はそんなことは気にせず、話を続ける。
「水無瀬裕奈。お前を我がヘルスター帝国の戦士にスカウトしたい」
「はっ?急に何言ってんの!?あなた達のような悪党に手を貸すような
裕奈じゃないんだから!まなみちゃんが必死に戦ってるってのに!」
「残念だが、お前の答えがはいでも、いいえでも関係ないのだがね。君はそのまなみを
倒すための戦士となる。そしてヘルスター帝国に忠誠を誓うこととなる」
「あたしがまなみちゃんを裏切るわけないじゃない!」
「まあ、どうでもいいことだ。それでは君を戦士に仕立てよう」
天井から何やら機械が下りてくる。そして間を置かずに裕奈に電撃を走らせる。
「うわぁぁぁぁ!!や、やめ…くああぁぁ!!」
「我々が手にした新堂まなみの能力をお前に移し変えているのだ。まなみとは
逆にお前は水の力を使う戦士になる」
裕奈の悲鳴を気にすることなく淡々と述べていく。その作業は数時間に及び
終始、裕奈の悲鳴は止むことが無かった。
「はぁはぁ…!」
常人ならば最悪の場合、発狂してもおかしくなかったが、裕奈は意思を保っていた。
素体選びは間違いなかったようだ。
「これでお前は新堂まなみと互角になった。あとは帝国への忠誠だけ…」
機械から波状のオーラが裕奈を包み込む。まなみと互角の能力を持っても
先ほどの作業での疲労が溜まっており、抵抗することが出来ない。カイマーズは
このことも見越していたということか。
「くぅああ…!」
裕奈の心を闇が黒く、邪悪に染めていく。心は必死で抵抗するが、闇のオーラはどんどん流れ込んでいく。
次第に裕奈の目から光が消え、虚ろになっていく。そしてゆっくりと目を瞑る。カイマーズは怪しく笑っていた。

数日後。まなみは裕奈が行方不明と聞き調査をしていたが、これといって手掛かりは
掴めなかった。明日香も同じだ。二人はレイラで作戦会議をしている。
「裕奈はどこに行ったのか…やっぱりヘルスター帝国が絡んでいるのかも…」
「その可能性が高いと私も思うわ。だけど、ヘルスターの動きがどこにも
見えないから警察でも調べようが無くってね…」
悶々としている二人。その時、レイラの入り口を開け、郵便局勤めと
思われる青年が入ってくる。
「こんにちは、新堂まなみさん宛てにお手紙です」
「えっ誰からだろ?…!これはヘルスター帝国!!」
すぐさま振り返るが、青年は消えていた。とにかく手紙を読んでみることにした。
『新堂まなみ、ご機嫌いかがかな?貴様の親友である水無瀬裕奈は我がヘルスター帝国に
いる。返してほしくば、新宿地下にある我らのアジトへ来い。そこで
貴様にはある者と戦ってもらう。貴様が勝利すれば裕奈は返してやろう。
必ず一人で来るように。楽しみにしているぞ。 バルガン将軍』
手紙と一緒にアジトへの地図も入っていた。
「まなみ、これは罠よ。どんなことが待ち受けているか…!」
「明日香さん、裕奈を取り返すためには、罠だと分かっていても行かなくちゃ
行けないんです。明日香さんはここで待っていてください。それじゃ行ってきます!」
言うや店を飛び出し、隼で新宿へと向かう。
明日香はそれを見ていることしか出来なかった。

新宿へ到着すると、まなみは指定された場所・石川第三ビルへと向かう。
いつ何が起きてもいいように既に変身済みである。石川第三ビルの裏側に回ると
ヘルスターの戦闘員であるコザーが二人ほど待機していた。
「来たな新堂まなみ。アジトはこっちだ、着いて来い」
ここは指示に従い、コザーの後ろを着いて行く。ビル内のエレベーター脇の壁が
開き、そこから地下へと続く階段があった。それを降りていくと、
文字通り悪の研究所と言えるような場所へと出る。ボコボコと泡立つカプセルや
試作のナイトメア怪人と思われる者が眠っている。そこを通過すると、ただっ広い、
コロシアムのような場所へと出る。そこはバルガン将軍と裕奈の姿が。
「よく来たな新堂まなみ!」
「バルガン将軍!裕奈を返して!」
「そのためには、お前はこちらが指定する対戦相手に勝たないと駄目だ」
「じゃあ早くそいつを出しなさい!」
「もう対戦相手ならいるぞ…お前の目の前にな!」
まなみの思考に最悪のパターンが生まれた。もしや…と思いつつも聞かずにはいられない。
「まさか…!」
「そうだ、水無瀬裕奈がお前の相手だ!さあ、親友同士の悲しき戦いを
存分に楽しむとするか。裕奈、お前の力を見せ付けてやれ!」
そう言うとバルガンは場外へと飛び出す。
「分かりましたバルガン様…水心変幻!!」
裕奈の左腕に装着された腕輪から水のオーラが発生し、裕奈はそれに包み込まれていく。
纏った水のエネルギーが戦闘衣へと変化していく。その形はまなみのそれと極似している。
だが、炎のように紅色をしているまなみの戦闘衣と違って、裕奈のそれは海のような蒼色である。
「新堂まなみ!以前、貴様が倒したコピーシェルが貴様に浴びせた光。お前には何も
無かった。しかしあの光はお前の能力を手に入れるためのものだ。手にした能力を
お前を倒すために使うことにした。そのために水無瀬裕奈が必要だったのだ」
「まなみちゃん、私ね、すごく嬉しいんだ。だって大好きなまなみちゃんと同じ力を
手に入れてそれでまなみちゃんを殺すことが出来るんだから…村雨長光!!」
腰に帯刀していた神刀・村雨長光を抜き、まなみに飛び掛る。
とっさに暁一文字を抜き、防御するまなみ。
「くっ…裕奈!目を覚まして!」
「まなみちゃん、本気で来ないと死んじゃうよ?」
鍔迫り合いが続く中、まなみは裕奈を正気に戻そうと必死に語りかけるが、裕奈は
聞く耳を持たず、まなみを倒そうとする。鍔迫り合いが終わると同時にまなみは
炎流波を裕奈に飛ばす。少し手荒な真似をしないとどうしようもないと感じたようだ。
「うあっ!」
炎流波が裕奈を包み、姿を見せなくする。が、直後に炎は一瞬で止んでしまった。
「な、何!?」
「まなみちゃん、あたし達が子どもの頃、流行ってたゲームがあったじゃない。
あれの属性関係でさ、水は火に強いっていう現実でも当たり前の設定あったよね」
「水…裕奈は水術を手にしたということ…くっ、剣術だけで裕奈を抑えることが出来るの…!?」
そうだ、裕奈はまなみの炎術とは違う、水術の使い手なのだ。まなみの炎は
全て無効化されてしまうだろう。炎術無しで、まなみに勝機はあるのか?
そして水無瀬裕奈は本当に悪の戦士へと堕ちてしまったのか!?

「解説お姉さんだよ。ええ~!!裕奈ちゃんが水術剣士に!?しかもヘルスター帝国の
戦士になっちゃうなんて…まなみちゃん、なんとかして裕奈ちゃんを救ってね!!
今回のナイトメア怪人はコピーシェル!秀でた能力は無いけど、相手の能力をコピーして
味方を有利に働かそうとするわ。まなみちゃんの能力がコピーされちゃったがために
今回の事件も…うう、次回はどうなっちゃうのかしら…?」
次回予告「捜し求めた裕奈はヘルスター帝国の戦士と化していた。裕奈の繰り出す
水術と強力なパワーに大苦戦のまなみ。そして襲い来る大軍団と
新ナイトメア怪人ロックラス。新堂まなみ最大最凶の危機!
次回『ヘルスター大軍団!まなみの危機と救いの光』まなみはここで倒れるわけにはいかない…!」