「イセエビ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

イセエビ」(2013/07/09 (火) 21:48:47) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*イセエビ 伊勢海老 &FURIGANA(きんめたい) 海老の一種。 エビ目イセエビ科に分類される。 **概要 房総半島以南から台湾までの太平洋沿岸と、九州、朝鮮半島南部の沿岸域に分布する。 外洋に面した浅い海の岩礁やサンゴ礁に生息する。 昼間は岩棚や岩穴の中にひそみ、夜になると獲物を探す。主に貝類やウニなどいろいろな小動物を主に捕食するが、海藻を食べることもある。 天敵は人間の他にも沿岸性のサメ、イシダイ、タコなど。 [[ウツボ]]と共に生活していることもあり、これはイセエビは天敵のタコから守ってもらえ、ウツボの方も大好物のタコがイセエビに吊られて自分から寄ってきてくれるという双利共生となっている。 体長は通常20から30cmほどで、まれに40cmに達するものもいる。 重さは大きなもので1kg近くになる。 体型は太い円筒形で、全身が暗赤色で棘だらけの頑丈な殻におおわれ、触角や歩脚もがっしりしている(まれに青色の個体も存在する)。 エビ類の2対の触角はしなやかに曲がるものが多いが、イセエビ類の第二触角は太く、頑丈な殻におおわれる。根もとには発音器があり、つかまれると関節をギイギイと鳴らし威嚇音を出す。 腹部の背側には短い毛の生えた横溝がある。 オスメスを比較すると、オスは触角と歩脚が長い。メスは腹肢が大きく、第5脚(一番後ろの歩脚)が小さな鋏脚に変化している。 古くは、鎌倉蝦、具足海老などとも呼ばれていた。 また、日本語の「エビ」は、長い触角をしたイセエビを「柄鬚」と表記したのが始まりという説がある。 イセエビという名の語源としては、伊勢がイセエビの主産地のひとつとされていたことに加え、磯に多くいることから「イソエビ」からイセエビになったという説がある。 また、イセエビが太く長い触角を振り立てる様や、鎧をまとったような姿が武士を連想させ、「威勢がいい」を意味する縁起物として武家に好まれており、語呂合わせから定着していったとも考えられている。 三重県の県の魚に指定されている。 **漁業 生息域沿岸では、イセエビはどこでも重要な水産資源とされている。 日本国内での県別漁獲高は[[千葉県]]が最も多く[[三重県]]が次ぐ。 漁期は10月から4月にかけてで、5月から8月の産卵期は資源保護を目的に禁漁としている地区が多い。 漁法は、夕方に仕掛けた刺し網を早朝に上げる刺し網漁。海女が手づかみで採取する潜水漁、一方の竿の先にイセエビの天敵のマダコをくくりつけて水中で振り驚いて逃げたところを網ですくう蛸脅し漁がある。 姿造りなどで供されることから、姿形が厳格に評価されるため、「角」と呼ばれる2本の触角や、脚が破損しないよう慎重に扱われる。 ショックを与えると自切するため、輸送中に脚が脱落することもある。 角の折れた海老や小型の海老が市場に出荷されることは少なく、漁港付近で消費されることが多い。 しかし近年では不況のあおりで、ワケあり食材として安価で流通することもある。 水揚げ後、暗所で毛布・籾殻等で保温すれば1週間くらいは生きているので、この状態で出荷・流通が行われる。寒さに弱いので冷蔵すると死んでしまい、却って商品価値が下がる。 1898年頃には日本でイセエビのフィロソーマの飼育が試みられていた。1988年には三重県の水産技術センターと北里大学において別個に稚エビまでの飼育に成功しているが、幼生期間が長くその間の死亡率も高い事など、減耗率を抑え稚エビまでの成長を管理する上で問題も多く、事業化には至っていない。 **食材としての特徴 江戸時代、1642年の『料理物語』にはイセエビを茹でる、あるいは焼くといった料理法が記されていた。 現在ではさらにさまざまな方法で調理されている。 ---- **関連項目 #RELATED ・タグ  &TAGS() ----
*イセエビ 伊勢海老 &FURIGANA(きんめたい) 海老の一種。 エビ目イセエビ科に分類される。 **概要 房総半島以南から台湾までの太平洋沿岸と、九州、朝鮮半島南部の沿岸域に分布する。 外洋に面した浅い海の岩礁やサンゴ礁に生息する。 昼間は岩棚や岩穴の中にひそみ、夜になると獲物を探す。主に貝類やウニなどいろいろな小動物を主に捕食するが、海藻を食べることもある。 天敵は人間の他にも沿岸性のサメ、イシダイ、タコなど。 [[ウツボ]]と共に生活していることもあり、これはイセエビは天敵のタコから守ってもらえ、ウツボの方も大好物のタコがイセエビに吊られて自分から寄ってきてくれるという双利共生となっている。 体長は通常20から30cmほどで、まれに40cmに達するものもいる。 重さは大きなもので1kg近くになる。 体型は太い円筒形で、全身が暗赤色で棘だらけの頑丈な殻におおわれ、触角や歩脚もがっしりしている(まれに青色の個体も存在する)。 エビ類の2対の触角はしなやかに曲がるものが多いが、イセエビ類の第二触角は太く、頑丈な殻におおわれる。根もとには発音器があり、つかまれると関節をギイギイと鳴らし威嚇音を出す。 腹部の背側には短い毛の生えた横溝がある。 オスメスを比較すると、オスは触角と歩脚が長い。メスは腹肢が大きく、第5脚(一番後ろの歩脚)が小さな鋏脚に変化している。 古くは、鎌倉蝦、具足海老などとも呼ばれていた。 また、日本語の「エビ」は、長い触角をしたイセエビを「柄鬚」と表記したのが始まりという説がある。 イセエビという名の語源としては、伊勢がイセエビの主産地のひとつとされていたことに加え、磯に多くいることから「イソエビ」からイセエビになったという説がある。 また、イセエビが太く長い触角を振り立てる様や、鎧をまとったような姿が武士を連想させ、「威勢がいい」を意味する縁起物として武家に好まれており、語呂合わせから定着していったとも考えられている。 三重県の県の魚に指定されている。 **漁業 生息域沿岸では、イセエビはどこでも重要な水産資源とされている。 日本国内での県別漁獲高は[[千葉県]]が最も多く[[三重県]]が次ぐ。 漁期は10月から4月にかけてで、5月から8月の産卵期は資源保護を目的に禁漁としている地区が多い。 漁法は、夕方に仕掛けた刺し網を早朝に上げる刺し網漁。海女が手づかみで採取する潜水漁、一方の竿の先にイセエビの天敵のマダコをくくりつけて水中で振り驚いて逃げたところを網ですくう蛸脅し漁がある。 姿造りなどで供されることから、姿形が厳格に評価されるため、「角」と呼ばれる2本の触角や、脚が破損しないよう慎重に扱われる。 ショックを与えると自切するため、輸送中に脚が脱落することもある。 角の折れた海老や小型の海老が市場に出荷されることは少なく、漁港付近で消費されることが多い。 しかし近年では不況のあおりで、ワケあり食材として安価で流通することもある。 水揚げ後、暗所で毛布・籾殻等で保温すれば1週間くらいは生きているので、この状態で出荷・流通が行われる。寒さに弱いので冷蔵すると死んでしまい、却って商品価値が下がる。 1898年頃には日本でイセエビのフィロソーマの飼育が試みられていた。1988年には三重県の水産技術センターと北里大学において別個に稚エビまでの飼育に成功しているが、幼生期間が長くその間の死亡率も高い事など、減耗率を抑え稚エビまでの成長を管理する上で問題も多く、事業化には至っていない。 **食材としての特徴 江戸時代、1642年の『料理物語』にはイセエビを茹でる、あるいは焼くといった料理法が記されていた。 現在ではさらにさまざまな方法で調理され、刺身、汁物、鉄板焼き、鬼殻焼き、フライ、テルミドール等にされる。 ---- **関連項目 #RELATED ・タグ  &TAGS() ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: