旧JR大社駅

きゅうJRたいしゃえき


島根県出雲市にあるJR西日本大社線(1990年4月1日廃止)の駅。


廃止後もホームや駅の掲示などもすべて当時のまま残されている。
2004年に重要文化財に指定された。

所在地 島根県出雲市大社町

  • 起工:1923年(大正12年)9月末
  • 上棟:1923年(大正12年)12月8日
  • 竣工:1924年(大正13年)2月13日
  • 設計:丹羽三雄、監督官 川久保嘉市、現場監督 荒川稲美
  • 施工:鉄道省神戸鉄道局米子保線事務所
  • 構造:木造
  • 階数:平屋
  • 屋根材:桟瓦葺
  • 面積:441.23m2

山陰本線の出雲今市駅と大社町を結ぶ大社線が1912年(明治45年)6月1日に開通した。
大社駅は、大正期に入ると山陰本線の延長、瀬戸内側と結ぶ山口線との接続によって乗降客が大幅に増加にともない、ここを起点とする列車が増発し、駅施設の増改築が計画された。
現存する旧大社駅本屋は、手狭となった明治45年開業当時の建物を、建築面積で約二倍にして建て替えたものである。

正面中央に車寄を突出した中央棟を中心に、両翼を延ばした南北に細長い左右対称の構成。
屋根は、中央棟を一段高い切妻造、両翼の南北側面及び短く突出させた両端部正面側を入母屋造、車寄は妻面を正面に見せた切妻造とし、中央棟正背面及び両翼背面に千鳥破風を設ける。
正面の下屋を含め全体を桟瓦葺とし、中央棟及び両翼の大棟には鴟尾を置く。
内部は、中央に三等待合室、左(南)翼端部正面側に一・二等待合室、その裏手ホーム側に手小荷物扱室、荷物保管室を配し、右(北)翼端部は大半を事務室とし、正面側に皇族等の貴賓室としても使用された応接室を備える。三等待合室のプラットホーム寄中央には、四角形の両隅を落とした平面の出札室を設け、その両脇に改札口を開く。
事務室は当初右(北)翼端突出部のみだったが、のちに三等待合室側に約2.7m拡張されている。これにともない北側の改札口は縮小されたが、南側の改札口は当初のまま残っている。

軸部は、柱を腰長押、内法長押で固め、側廻りでは柱上に舟肘木を載せ桁を受けるが、車寄の柱上は大斗肘木とし、正面桁上に独特の形式の蟇股を置く。軒は一軒疎垂木で、小屋組はキングポストトラスである。
内外ともに壁は漆喰仕上げ(木摺下地)真壁で腰部を縦板張とし、天井は、一室の大空間である三等待合室は、中央部の高い位置に折上格天井を張り、貴賓室、一・二等待合室及び三等待合室両端部は格天井、その他の部屋は合板張とする。出札室は柱上に舟肘木を置き、頂部に高欄を廻し、装飾的な扱いとし、五か所の窓口は小屋根を付けて厨子風につくる。
旧大社駅本屋は、出雲大社参詣の表玄関として和風の意匠でまとめられた特徴ある鉄道駅舎である。変化に富んだ屋根を戴き、軸部と漆喰壁や窓が織りなす対比で、左右対称の厳格な構成の中にも華やかな外観を構成し、優れた意匠の木造和風鉄道駅舎として我が国を代表する建築である。廃線後も旧地にほぼ建築当初の姿のまま良好に保存され、我が国鉄道興隆期の地方駅舎の姿をよくとどめる例としても貴重である。


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