くに


奈良時代から明治時代初期まで使われた、日本の地方区分。
66個設けられた事から、「六十六国」「六十余州」と総称する事もある。

現在の国と区別するため「旧国」「旧国名」ともよばれる。
歴史学上は律令制に基づいて設置されたので令制国(りょうせいこく)とも呼ばれる。

律令制下の「国」

中央政府から派遣される国司が任務を行う国衙(こくが)という行政機関をおき、地方を国ごとに統治した。
国衙が置かれた都市を府中(または国府)とよんだ。

近世の国

戦国時代
「国」単位の行政は滅び、戦国大名によって地方は統治された。

江戸時代

地方は大名・それに準ずる領主によって統治された。
「国」を単位とする行政はなかったが、地理的な区分や名称としては、依然として「国」の名称が用いられていた。

明治時代

明治政府は、陸奥国を5国に、出羽国を2国に分割し、北海道に11国を新設したが、行政区分としての設置ではなかった。
府県が行政区分となったが、当初は小さく、地理的な区分としては「国」の名称が用いられた。
府県統合が落ち着き、府県が「国」に並ぶような大きさとなると次第に廃れていった。
府県の境界が国のものと重なるものも多い。

現代

都府県の別名や、細分してよぶ際、旧国名が用いられる事も多い。
旧国名を市町村名とする所もある。

また、同一の名が複数存在する場合、市町村名や駅名の頭に旧国名がつけられる。



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最終更新:2011年07月14日 02:22