地区計画

ちくけいかく



都市計画法に基づく都市計画のひとつ。
住民の合意に基づいて、それぞれの地区の特性にふさわしいまちづくりを誘導するための計画。
一般の都市計画は、用途地域の指定などの土地利用に関することや大規模な都市施設などを計画するが、地区計画ではきめ細かな土地利用と小規模な都市施設を一体的に計画する。

ドイツの地区詳細計画(Bebauungsplan, Bプラン)制度などを参考に、1980年(昭和55年)の都市計画法・建築基準法の改正により創設された。


定めるべき事項

  • 名称
  • 位置
  • 面積
  • 地区計画の目標
  • 区域の整備、開発及び保全に関する方針
    • 土地利用の方針
    • 地区施設整備の方針
    • 建築物等の整備の方針
    • その他の整備の方針


  • 地区整備計画(区域の全部又は一部について地区整備計画がないこともある)


方針はまちづくりの全体構想を定めるものである。
地区整備計画は、まちづくりの内容を具体的に定めるもので、方針に従って地区計画区域の全部または一部に、道路・公園・広場などの配置や建築物等に関する制限などのうち必要なものを詳しく定める。


地区計画の種類


  • 一般型地区計画



特例的な活用
  • 誘導容積型

  • 容積適正配分型

  • 高度利用型

  • 用途別容積型
住宅と非住宅別で容積率を変えることで、人口減少の見られる中心部への人口流入の促進や、木造の密集地域の居住環境の向上を誘導する為に用いられる。

  • 街並み誘導型地区計画
前面道路幅員による容積率の制限と斜線制限を緩和し、建物の高さや壁の位置がそろった街並みを誘導することを目的とする。

  • 立体道路制度
一定規模以上の宅地開発を行うときの開発許可や、小規模の開発の場合の道路位置の指定の基準に地区計画の内容が加えられる。


関連制度


  • 地域地区と地区計画
用途地域景観地区などの地域地区と関連する制度であり、併用しつつ運用することになる。

  • 建築協定と地区計画
建築協定も地域の住環境に対して細かな計画と規制を行うため、似ている部分も多い。
建築協定では締結されるために100%の合意を必要とするため、合意しない敷地を外す(歯抜け)ことがある。地区計画では100%の合意でなくても制限をかけることは可能である。
特に大きな違いは、地区計画の強制力である。地区整備計画が定められた地区において、土地の区画形質の変更、建築行為等を行なう場合にそれを市長に届け出て、その届け出に係わる行為の内容が地区整備計画の内容に適合していない場合には、市長が設計の変更等必要な措置を講じるよう勧告することができる。この届出・勧告制度は強制力を伴わないが、建築基準法68条の2に基づく条例が策定されている場合、強制力を伴った規制(建築確認の要件)とすることもできる。

  • 景観協定と地区計画
景観協定は、景観法に基づく新しい制度である。高さなどが制限できるのは地区計画と同じであるが、意匠などは地区計画よりも制限できる項目が広い。


地区計画を実現する仕組み


  • 届出・勧告
工事着手の30日前までに市区町村に届出し、地区計画に適合しているかチェックする。
適合しない場合は勧告。

  • 建築条例
地区整備計画の建築物の形態に係る内容について、条例を定めることができる。
条例として定められることで、建築確認の必要条件となり、内容に適合しない場合は建てられない。

  • 予定道路
地区計画で定められた道路を予定道路に指定すると、そこに建物を建てることができない。

  • 開発行為などについての指導・規制



関連項目

タグ:

都市計画法
最終更新:2011年07月11日 19:19