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政治的党派性とマクロ経済政策Ⅰ

政党の政策がマクロ経済政策、そして経済実績にどのような影響を及ぼすのか?


■選挙とマクロ経済の古典的枠組み
  • 先進諸国における、政権交代はマクロ経済政策どう影響するのか
  • 政権党の違いは、政策の変化をもたらすのか

政治学と経済学の学際領域:マクロ政治経済学---1970年代に大きく発展
○タフト-------Tufte,Edward R "Political Control of the Economy" Priceton Univ Press
  • 「選挙と経済政策」
 政治家・公職者・利益集団などの行動が経済政策を決定することに着目
 →経済を理解するには政治を理解しなければならないという立場をとる

政治家に関し重要な点
①選挙で選出される点 ②再選を望む点

☆資本主義デモクラシーの経済政策と経済実績を理解するため
 ↑
 経済政策の政治理論が必要

選挙と政党がどのようにマクロ経済実績に影響を与えているのか
政治領域において「だれが、何を、いつ、いかに」手に入れるのか

1.政権にある現職者は再選を望み、選挙前に経済ブームを創出しようとする。
  Ex.アメリカ大統領選での経済争点など
  なぜなら選挙民は経済が良ければ現職者を再選させ、悪ければ落選させると考え   るから。
2.現職者は迅速かつ容易に経済を上昇させ、できるだけ多くの投票者やグループに対  して明確で素早い経済便益を供給を行う
  ↓
  Ex.移転支出、減税、公共事業、公的雇用の増大

政策決定者は選挙前に景気上昇を有権者に実感させ、景気下降のはじまりを選挙後まで引き延ばそうとする。
現職者は、自分自身や所属する政党の繁栄を促進する経済便益を与える場所やタイミングを決定しようとするという仮説をタフトは提示

○ノードハウス--Nordhaus,William 1975 "Political Business Cycle" Review of Economic Studies
「政治的景気循環理論」
1970年代に先進各国を覆っていたスタグフレーションに着目し、政治的枠組みにおける意思決定のシンプルな公共選択モデル。インフレ率と失業率のトレードオフ関係=フィリップス曲線が認識されており、有権者は選挙時にインフレと失業に敏感であると考えられていた。これを前提に民主的システムにおける政策選択モデルを提示

○ノードハウスは、インフレ・失業・政治的選択の関係を検討するにあたって、失業を、経済システム内で政策策定者がコントロールできる変数、として捉える。同時に、経済状況の相違が個人の選好にどのような影響があるかを分析、個人の選好とは高失業率・高インフレ率よりも低失業率・低インフレ率を選好することを指す。

○ノードハウスは、有権者が政党の過去の行動から期待を形成することに着目。
有権者は政権担当者を評価するために現在の行動を過去の行動と比較する。
 ■■経済状態が期待されたものよりも悪い時(良いとき)
 ↓
 有権者は政権担当者に投票せず(投票する)

政権担当者の期待された実績
 ↓
 ↓
有権者は経済システムをよく知らなくても、景気が良いか悪いかはわかる。そして政党の能力や好みを現在と過去の経済実績を比較することで判断する。

一方政党は議会における多数派形成に関心をもち、選挙結果のみに関心を持ち、有権者の選考を完全にしているものと仮定される。
 ⇒次期選挙での得票最大化を狙い経済政策を選択
 ⇒得票率は失業率とインフレ率が高くなればなるほど低下
 ⇒有権者は選挙前後の経済実績で与党を評価

◇典型的なPolitical Business Cycleでは選挙直後にインフレ率↓失業率↑、直前は失業率↓となる。
 ⇒ノードハウスのPBCによれば選挙前にマクロ経済政策は拡張方向へと向かい、実質所得と雇用が良くなる。