Qtの使い方
Qtの開発はコマンドラインでコンパイルを行う形式です。開発の流れとしては以下のようになります。
- ソースファイル作成
- プロジェクトファイル作成
- プロジェクトファイルからMakefileを作成
- コンパイル
一度Makefileを作成すると、次からはプロジェクトファイルを書き換えても自動でMakefileを作成してくれます。
開発を行う前設定
Qtは開発を行う際に少々の設定を必要とします。
コンパイル、インストールを行った後、以下の設定が必要になります。
- 環境変数QTDIR
- Qtのディレクトリを指定します。
- 環境変数PATH
- 実行ファイルの位置を設定します。
- 環境変数QMAKESPEC(任意)
- コンパイルの設定ファイルの位置を指定します。
- 環境変数LD_LIBRARY_PATH(任意)
- Qtのライブラリ位置を指定します。
通常は上2つを設定しておけばコンパイル、起動など出来るようになっています。以下のように設定してください。
(Windows、インストールディレクトリがC:\Qt\4.4.0の場合)
set QTDIR=C:\Qt\4.4.0
set PATH=%QTDIR%\bin;$PATH
(Linux、Mac OS XなどのUnix系、Bash、インストールディレクトリが/usr/local/Trolltech/Qt-4.4.0の場合)
export QTDIR=/usr/local/Trolltech/Qt-4.4.0
export PATH=$QTDIR/bin:$PATH
なお、Windowsの場合はインストールの際にスタートメニュー内にQtのエントリが出来、その中に環境変数を設定してくれるコマンドラインがありますので、そちらを使う方がいいでしょう。
ソースファイルの作成
QtはC++を使用したクラスライブラリ形式になっています。ソースファイルは通常のファイルで構いません。好きなエディタでファイルを作成してください。
プロジェクトファイル作成
プロジェクトファイルを作成する方法は自分でプロジェクトファイルのテキストを作成するか、もしくは自動で作成する方法があります。
自分でテキストを作成する場合は以下の項目に従ってファイルを作成してください。
- プロジェクトを内包しているディレクトリと同じ名前のファイル名にする
- 拡張子は.proにする
つまり、testというプロジェクトのプロジェクトファイルを作る場合、
test/test.pro
というファイルを作成してください。
自動でプロジェクトファイルを生成する場合、以下の項目に従ってファイルを格納してください。
- 実行ファイルにしたい名前のディレクトリを作成する
- 上記のディレクトリ内のどこかにソースファイルを置く
ディレクトリとファイルが出来上がったらコマンドラインで作ったディレクトリに移動し、以下のコマンドを入力します。
qmake -project
これでそのディレクトリ以下のサブディレクトリ内にあるソースファイルを探しだし、ディレクトリ名.proの名前でプロジェクトファイルが作成されます。
プロジェクトファイルからMakefileを作成
プロジェクトファイルが出来上がれば、コンパイルです。
コマンドラインから上記で作ったディレクトリに移動し、以下のコマンドを入力します。
qmake
これにより、機種用のMakefileが作成されます。
コンパイル
通常のmake用のコマンドを実行するだけです。実行ファイルが出来上がります。
最終更新:2008年06月18日 15:23