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「この場所 ~ "死"と"戸惑い"と"全ての始まり"」(2006/01/03 (火) 00:25:18) の最新版変更点
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-この場所 ~ "死"と"戸惑い"と"全ての始まり"
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─「幸せな時間は、そう長く続かない」
ドラマ、アニメ、漫画や小説等で聞くような台詞。
実在の世界でこの台詞が…頭の中で…何度も…何度も。
何度この台詞が頭をよぎったコトか
口には出さない…いや、口に出しても仕方ないのだ。
いつもの公園のベンチに座ってるのは
…俺一人
いつもベンチで俺の隣に座っていた彼女は
もう一週間もココへ来ていない。
俺は相変わらず、毎日ココへ来ている
来ない理由はわかっている。
彼女の今いる場所も大体は見当がつく
けど…俺には…。
彼女はとても重い病だった。
放っておけば死に至る、治療を施しても治るかどうか…
恐らく…彼女は今…病院だ。
けど、場所がわからない、聞き損ねたのだ。
この話を聞いたのは丁度、彼女がココへ来なくなった前の日
俺はその話を聞いた時、呆気に取られていた。
病に侵されているから呆気に取られていたのではなく
彼女は…その話をしている時は、俯き…悲しい顔をしていた。
しかし、その話が終わり、俺の顔を見るなり
微笑んだ…──
なぜ…なぜ笑っていらるんだ?
俺は今にも泣いてしまいそうなのに
自分のコトだぞ?なぜ笑っていられるんだ…。
そんな呆気に取られている俺に彼女は微笑みつつ…
「そろそろ、暗くなってきました、帰りましょうか」
「ぇ…ぁ…はい、そ…そうですね」
俺の頭の中は真っ白だった。
かける言葉が見つからない
そのまま俺達は帰って行く。
そして、その翌日
いつも通りの公園のベンチに行ったが
彼女はいなかった。
今日は来るのが遅いだけかもしれない
そう思って…いつも帰る時間帯まで待ってみたが…
彼女は来なかった。
今日はたまたま来れなかったのかもしれない
そうだ、きっとそうだ。
病院で手術の準備…それか…
今もう既に、手術を受けているかもしれない
そんなコトは頭の中ではもうわかっている
けど、俺は…
ココへ来て彼女が来るのを待つコトしかできない。
上手くいったとしても、またココに彼女が来るとは限らない。
それでも、俺はこの場所で待つ
幸せな時間が続かないのならば
終わってしまうのならば…
その終わりから…始まりに繋げばいい
俺は繋げる為に…
いつまでも…待ってる─
数ヶ月が経ち…
木の葉が舞い落ちる季節…冬
息を吐けば白くなる。
手を外に露出すれば指先が凍える。
あの時とは真逆な環境
そして俺の同じ行動
俺はまた、いつものベンチに座る…
そして…いつもと同じ様に待つ。
ポケットに手を入れ
空を眺め…あの日々を思い出す
そんなコトをしていると…。
─足音が聞こえる
もう、誰かはわかっている
足音がコツコツと、じょじょに近づいてくる
隣でその足音は止まった。
俺は空を眺めたまま、微笑つつ
「遅かったね」
俺は立ち上がり、足音の主の方を向く
目の前には…彼女がいた。
彼女は困り顔でこう言った。
「ごめんなさい…待たせてしまいましたか…」
俺は軽く笑い、こう言い返す
「冗談だよ、そんなに待ってない」
彼女は少しムっとした顔で俺を見るが、すぐに微笑みに変わった。
俺は彼女が座るスペースを空け、ベンチに座る
彼女は空いたベンチのスペースに座る
前より距離は近い
そして、俺が先に口を開く
「今日は、どこ行こうか?」
「このままココで…いいですか?」
俺は微笑んだまま黙って頷く
そして、あの時…あの夏の日々の様に話し合い、笑う
彼女といる『時』が楽しい、そして…嬉しい
何よりも素敵な時間になる
この幸せな時が始まったのは…
公園のベンチ
隣に座る彼女
そして…
───…この場所
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-"死"と"戸惑い"と"全ての始まり"
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─「幸せな時間は、そう長く続かない」
ドラマ、アニメ、漫画や小説等で聞くような台詞。
実在の世界でこの台詞が…頭の中で…何度も…何度も。
何度この台詞が頭をよぎったコトか
口には出さない…いや、口に出しても仕方ないのだ。
いつもの公園のベンチに座ってるのは
…俺一人
いつもベンチで俺の隣に座っていた彼女は
もう一週間もココへ来ていない。
俺は相変わらず、毎日ココへ来ている
来ない理由はわかっている。
彼女の今いる場所も大体は見当がつく
けど…俺には…。
彼女はとても重い病だった。
放っておけば死に至る、治療を施しても治るかどうか…
恐らく…彼女は今…病院だ。
けど、場所がわからない、聞き損ねたのだ。
この話を聞いたのは丁度、彼女がココへ来なくなった前の日
俺はその話を聞いた時、呆気に取られていた。
病に侵されているから呆気に取られていたのではなく
彼女は…その話をしている時は、俯き…悲しい顔をしていた。
しかし、その話が終わり、俺の顔を見るなり
微笑んだ…──
なぜ…なぜ笑っていらるんだ?
俺は今にも泣いてしまいそうなのに
自分のコトだぞ?なぜ笑っていられるんだ…。
そんな呆気に取られている俺に彼女は微笑みつつ…
「そろそろ、暗くなってきました、帰りましょうか」
「ぇ…ぁ…はい、そ…そうですね」
俺の頭の中は真っ白だった。
かける言葉が見つからない
そのまま俺達は帰って行く。
そして、その翌日
いつも通りの公園のベンチに行ったが
彼女はいなかった。
今日は来るのが遅いだけかもしれない
そう思って…いつも帰る時間帯まで待ってみたが…
彼女は来なかった。
今日はたまたま来れなかったのかもしれない
そうだ、きっとそうだ。
病院で手術の準備…それか…
今もう既に、手術を受けているかもしれない
そんなコトは頭の中ではもうわかっている
けど、俺は…
ココへ来て彼女が来るのを待つコトしかできない。
上手くいったとしても、またココに彼女が来るとは限らない。
それでも、俺はこの場所で待つ
幸せな時間が続かないのならば
終わってしまうのならば…
その終わりから…始まりに繋げばいい
俺は繋げる為に…
いつまでも…待ってる─
数ヶ月が経ち…
木の葉が舞い落ちる季節…冬
息を吐けば白くなる。
手を外に露出すれば指先が凍える。
あの時とは真逆な環境
そして俺の同じ行動
俺はまた、いつものベンチに座る…
そして…いつもと同じ様に待つ。
ポケットに手を入れ
空を眺め…あの日々を思い出す
そんなコトをしていると…。
─足音が聞こえる
もう、誰かはわかっている
足音がコツコツと、じょじょに近づいてくる
隣でその足音は止まった。
俺は空を眺めたまま、微笑つつ
「遅かったね」
俺は立ち上がり、足音の主の方を向く
目の前には…彼女がいた。
彼女は困り顔でこう言った。
「ごめんなさい…待たせてしまいましたか…」
俺は軽く笑い、こう言い返す
「冗談だよ、そんなに待ってない」
彼女は少しムっとした顔で俺を見るが、すぐに微笑みに変わった。
俺は彼女が座るスペースを空け、ベンチに座る
彼女は空いたベンチのスペースに座る
前より距離は近い
そして、俺が先に口を開く
「今日は、どこ行こうか?」
「このままココで…いいですか?」
俺は微笑んだまま黙って頷く
そして、あの時…あの夏の日々の様に話し合い、笑う
彼女といる『時』が楽しい、そして…嬉しい
何よりも素敵な時間になる
この幸せな時が始まったのは…
公園のベンチ
隣に座る彼女
そして…
───…この場所
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