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この場所 ~ "死"と"戸惑い"と"全ての始まり"
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匿名ユーザー
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─「幸せな時間は、そう長く続かない」
ドラマ、アニメ、漫画や小説等で聞くような台詞。
実在の世界でこの台詞が…頭の中で…何度も…何度も。
ドラマ、アニメ、漫画や小説等で聞くような台詞。
実在の世界でこの台詞が…頭の中で…何度も…何度も。
何度この台詞が頭をよぎったコトか
口には出さない…いや、口に出しても仕方ないのだ。
いつもの公園のベンチに座ってるのは
口には出さない…いや、口に出しても仕方ないのだ。
いつもの公園のベンチに座ってるのは
…俺一人
いつもベンチで俺の隣に座っていた彼女は
もう一週間もココへ来ていない。
俺は相変わらず、毎日ココへ来ている
来ない理由はわかっている。
彼女の今いる場所も大体は見当がつく
けど…俺には…。
もう一週間もココへ来ていない。
俺は相変わらず、毎日ココへ来ている
来ない理由はわかっている。
彼女の今いる場所も大体は見当がつく
けど…俺には…。
彼女はとても重い病だった。
放っておけば死に至る、治療を施しても治るかどうか…
放っておけば死に至る、治療を施しても治るかどうか…
恐らく…彼女は今…病院だ。
けど、場所がわからない、聞き損ねたのだ。
けど、場所がわからない、聞き損ねたのだ。
この話を聞いたのは丁度、彼女がココへ来なくなった前の日
俺はその話を聞いた時、呆気に取られていた。
病に侵されているから呆気に取られていたのではなく
彼女は…その話をしている時は、俯き…悲しい顔をしていた。
しかし、その話が終わり、俺の顔を見るなり
俺はその話を聞いた時、呆気に取られていた。
病に侵されているから呆気に取られていたのではなく
彼女は…その話をしている時は、俯き…悲しい顔をしていた。
しかし、その話が終わり、俺の顔を見るなり
微笑んだ…──
なぜ…なぜ笑っていらるんだ?
俺は今にも泣いてしまいそうなのに
自分のコトだぞ?なぜ笑っていられるんだ…。
そんな呆気に取られている俺に彼女は微笑みつつ…
俺は今にも泣いてしまいそうなのに
自分のコトだぞ?なぜ笑っていられるんだ…。
そんな呆気に取られている俺に彼女は微笑みつつ…
「そろそろ、暗くなってきました、帰りましょうか」
「ぇ…ぁ…はい、そ…そうですね」
俺の頭の中は真っ白だった。
かける言葉が見つからない
そのまま俺達は帰って行く。
かける言葉が見つからない
そのまま俺達は帰って行く。
そして、その翌日
いつも通りの公園のベンチに行ったが
彼女はいなかった。
今日は来るのが遅いだけかもしれない
そう思って…いつも帰る時間帯まで待ってみたが…
彼女は来なかった。
いつも通りの公園のベンチに行ったが
彼女はいなかった。
今日は来るのが遅いだけかもしれない
そう思って…いつも帰る時間帯まで待ってみたが…
彼女は来なかった。
今日はたまたま来れなかったのかもしれない
そうだ、きっとそうだ。
そうだ、きっとそうだ。
病院で手術の準備…それか…
今もう既に、手術を受けているかもしれない
そんなコトは頭の中ではもうわかっている
けど、俺は…
ココへ来て彼女が来るのを待つコトしかできない。
上手くいったとしても、またココに彼女が来るとは限らない。
それでも、俺はこの場所で待つ
幸せな時間が続かないのならば
終わってしまうのならば…
その終わりから…始まりに繋げばいい
俺は繋げる為に…
いつまでも…待ってる─
今もう既に、手術を受けているかもしれない
そんなコトは頭の中ではもうわかっている
けど、俺は…
ココへ来て彼女が来るのを待つコトしかできない。
上手くいったとしても、またココに彼女が来るとは限らない。
それでも、俺はこの場所で待つ
幸せな時間が続かないのならば
終わってしまうのならば…
その終わりから…始まりに繋げばいい
俺は繋げる為に…
いつまでも…待ってる─
数ヶ月が経ち…
木の葉が舞い落ちる季節…冬
息を吐けば白くなる。
手を外に露出すれば指先が凍える。
あの時とは真逆な環境
そして俺の同じ行動
俺はまた、いつものベンチに座る…
そして…いつもと同じ様に待つ。
ポケットに手を入れ
空を眺め…あの日々を思い出す
そんなコトをしていると…。
木の葉が舞い落ちる季節…冬
息を吐けば白くなる。
手を外に露出すれば指先が凍える。
あの時とは真逆な環境
そして俺の同じ行動
俺はまた、いつものベンチに座る…
そして…いつもと同じ様に待つ。
ポケットに手を入れ
空を眺め…あの日々を思い出す
そんなコトをしていると…。
─足音が聞こえる
もう、誰かはわかっている
足音がコツコツと、じょじょに近づいてくる
隣でその足音は止まった。
俺は空を眺めたまま、微笑つつ
足音がコツコツと、じょじょに近づいてくる
隣でその足音は止まった。
俺は空を眺めたまま、微笑つつ
「遅かったね」
俺は立ち上がり、足音の主の方を向く
目の前には…彼女がいた。
彼女は困り顔でこう言った。
目の前には…彼女がいた。
彼女は困り顔でこう言った。
「ごめんなさい…待たせてしまいましたか…」
俺は軽く笑い、こう言い返す
「冗談だよ、そんなに待ってない」
彼女は少しムっとした顔で俺を見るが、すぐに微笑みに変わった。
俺は彼女が座るスペースを空け、ベンチに座る
彼女は空いたベンチのスペースに座る
前より距離は近い
そして、俺が先に口を開く
俺は彼女が座るスペースを空け、ベンチに座る
彼女は空いたベンチのスペースに座る
前より距離は近い
そして、俺が先に口を開く
「今日は、どこ行こうか?」
「このままココで…いいですか?」
俺は微笑んだまま黙って頷く
そして、あの時…あの夏の日々の様に話し合い、笑う
彼女といる『時』が楽しい、そして…嬉しい
何よりも素敵な時間になる
この幸せな時が始まったのは…
彼女といる『時』が楽しい、そして…嬉しい
何よりも素敵な時間になる
この幸せな時が始まったのは…
公園のベンチ
隣に座る彼女
そして…
───…この場所