自由にゃんこ同盟正統政府 大神聖巫女巫女党

ダン2話

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sayosayo

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両手に短刀。
時代遅れ、鋼鉄製――
さっと振り払う――飛び散る赤の液体。

「……」

無言でたたずむ女。
足元には数十秒前までは人であったもの。
幾許かの間、女はそれを見ていたが、短刀を仕舞うと、踵を返し部屋
の外へ。

「終わったか?」外で待っていいたと思われる男の声。
「ああ」
「どうだった?」
「どう、とは?手筈通りに進められたか、という意味なら行ったと思う」
「そうか」
「ああ」

その日交わされた会話はそれが最後であった。

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ガーディアンズ本部。
クライズシティの最上階。
クリスマス一色のこのご時世だが、流石にここにクリスマスの飾りつけ
は無い。

EUROPE_03:はいっ、それではみなさんお邪魔様です!!
受付:、来ましたか。レンゾさん、セスカさん
受付:ええっと、无謂さんと、エウロペさん、ですね。
セスカ・セトラージェ:#頷く
EUROPE_03:私が来たからにはなんでもかんでもリッチ解決!!
受付:は、はぁ……

やけにテンションの高い女キャスト、エウロペ。

レンゾ・アヴァタノ:ええ、来ましたよっと
受付:あ、えっと、今日はユウホウさんの依頼です。
レンゾ・アヴァタノ:……なんか騒がしいのが居るなあ
受付:実は、ユウホウさん、今年なんでしたっけ
受付:クリスマスのナントカという……ものが起こるといいだしまして
EUROPE_03:はい!! 名が似合う探偵エウロペとは、私の事ですよ~
EUROPE_03:さぁ、みんなで握手!!!!
セスカ・セトラージェ:……

うれしそうに手を差し出すエウロペ。
エウロペ、受付の話、聞かず。

レンゾ・アヴァタノ:なんとか?
受付:クリスマスの……神隠し、でしたっけ?都市伝説の。
受付:総裁や同盟軍にパトロール強化をお願いしたらしいんですが
受付:まぁ、証拠も何も無いので、無視されてしまったようですけど。
レンゾ・アヴァタノ:ああ――こないだのアレか

皆、エウロペの話聞かず。
ただセスカのみが顔は受付を向いてはいるものの、一応差し出された手をとる。

セスカ・セトラージェ:ふぅむ
レンゾ・アヴァタノ:そりゃそうだよねぇ
EUROPE_03:はいっ、これで私と貴方トモダッチィのごっちゃんこ!! 覚悟!

うれしそうに(?)大きく手を上下に振るエウロペ。
セスカのほうといえばされがまま、気に留めた様子も無く話を聞いている。

レンゾ・アヴァタノ:国家権力は忙しいしな
受付:#エウをこまったように見つつ
レンゾ・アヴァタノ:そしてこっちは騒がしいな……
セスカ・セトラージェ:根拠はないでもないけれど――それでも
受付:本当は、レンゾさん、セスカさん、ダンさん、アクシアさん
受付:に頼むべきなんでしょうけど、ダンさんとアクシアさん、
セスカ・セトラージェ:難しいでしょう、ね
受付:連絡取れないんですよね……。ですので、無作為にメンバーを
受付:選ばせて貰いました。
EUROPE_03:む、むむむ…
受付:で、ですね。納得しないユウホウさんが、じゃぁ、巡回を
受付:我々でやると言い出しまして。
EUROPE_03:やーるですねぇ。だけど私も負けません!! 至上主義は伊達じゃ
EUROPE_03:ないです!! えいっ!!!
レンゾ・アヴァタノ:ははぁ
受付:なたたちに協力をお願いする、ということになったのです。
受付:で、エウロペさん、なにやってるんですか?
EUROPE_03:にゅ?

いま、まさに(何故か)回り始めんとするエウロペを、さすがに受付嬢が
見咎める。

セスカ・セトラージェ:そう……まぁ、あの二人もちょっと変わっているしね
EUROPE_03:親睦を深めるためのカウンターパンチャーさん、ですよ?
EUROPE_03:きょとん
レンゾ・アヴァタノ:……貴方も変わってますけどね……
受付:は、はぁ……
受付:ま、まぁ、とりあえず
受付:パトロールのようなものをしてほしいんだそうです
セスカ・セトラージェ:……#ちらりとだけレンゾを見、また前を向く
レンゾ・アヴァタノ:ふうん
EUROPE_03:パトロールですか!! パトロールですね!!
受付:何事も無ければそれでよし、と仰ってましたから
受付:こういうのもなんですが、気楽にやってもいいんじゃないですか
セスカ・セトラージェ:パトロールと言われてもね……
レンゾ・アヴァタノ:なるほど、趣旨はわかりました……無論乗りかかった船だし
レンゾ・アヴァタノ:協力するのは吝かではないのだけれど、雲を掴むような話だなあ
EUROPE_03:真っ赤に背を預けてください!! 隠密さんは大の得意です! 私

意味不明――
少なくとも、隠密行動からは一億光年は離れているだろう。

受付:真っ赤に……なんですって?
EUROPE_03:む……気楽に…ですか
セスカ・セトラージェ:そうね
セスカ・セトラージェ:そもそも、何処へ行けばいいものかしらね?
EUROPE_03:はい、真っ赤は赤く背中は後ろ!!
受付:そこまでは……皆さんで決めちゃっていいんじゃないですか?
EUROPE_03:背中で至上を語る孤高のキャストに無理難題は少ししかないです!
EUROPE_03:だから、平気!!
EUROPE_03:えっへん
レンゾ・アヴァタノ:大雑把だなあ……まあ、パトロールしかないのか
受付:そ、それは、なんというか、心強いですね
受付:え、ええ。
EUROPE_03:はい!! 穴が開いても推進するお船が私です!
セスカ・セトラージェ:……コロニー内に絞って考えるとしても
EUROPE_03:だから、気楽にいちってくださいよー
EUROPE_03:ぐっ
レンゾ・アヴァタノ:……それって沈むんじゃ……
セスカ・セトラージェ:絶望的に広い気がするのだけれど……
EUROPE_03:はい! でも深度2000まで平気な私の体に不可能は忘れちゃい
EUROPE_03:ましたのです!!
EUROPE_03:私、強い!!
レンゾ・アヴァタノ:は、はぁ、なるほど……
受付:は、はぁ……ああ、で、では、その
受付:受諾いただけるということでいいのでしょうか?
EUROPE_03:ご納得ですね! 納豆イケましたね!!
レンゾ・アヴァタノ:オレは構いませんよ
EUROPE_03:はい!! 受けてたつます!!
セスカ・セトラージェ:……まぁ、ワタシも構わないけれど。
レンゾ・アヴァタノ:ウーちゃんは?
EUROPE_03:我らが英知!! 英和辞書の名に懸けて!!
无謂:ほえ?
无謂:よく分からないなのですが、分かったなのです。
无謂:#こくこく

事態に全くいていけないちみっこいニューマン、无謂。
何とかそう答える間、エウロペ、自分の親指をかじる。
にじみ出る血液。
それを、受付カウンターへと押し付ける。

EUROPE_03:ボイーン、です!!
セスカ・セトラージェ:……黙らせた方が?#コードを手に、レンゾや受付を見る
EUROPE_03:ぐりぐり
受付:は、い、いえ、その、へ????

余りのことに、ついて行けぬ受付。
今まで変わったガーディアンズはたくさん見てきた。
だが、目の前のこれは、超越しているといってよい。

EUROPE_03:血判証明一蓮托生阿鼻叫喚!!
受付:、と、とりあえず、その、ミッションかいしです
レンゾ・アヴァタノ:……
EUROPE_03:さぁさ、大船に乗った気で待ぁつでーすよぅ
受付:星霊の加護がありますように
EUROPE_03:えっへん
セスカ・セトラージェ:……まぁ、いいわ
无謂:ふ~む
EUROPE_03:はい、星の幽霊は私が排除します!!
无謂:で、なにを捜すなのです??
レンゾ・アヴァタノ:うん、(深く考えないほうが)良いね
EUROPE_03:きょとん
セスカ・セトラージェ:捜す、というよりは――
EUROPE_03:宇宙の平和を護る、違うですか?
レンゾ・アヴァタノ:ま、かいつまんで話すとだね
无謂:平和なのです??
无謂:#レンゾ見、エウ見
EUROPE_03:はい!! 概略はそこの劣等種が話しますよー
EUROPE_03:さぁ、みなさん拝聴!!!
EUROPE_03:えっへん
レンゾ・アヴァタノ:かくかくしかじかで、20周年周期に起こっている誘拐事件を
レンゾ・アヴァタノ:防ぐために、パトロール、みたいなことをすれば良いみたいだよ
无謂:ふ~む
EUROPE_03:はい、宇宙の平和を護るですね!!
无謂:ふむふむ
EUROPE_03:かぁっくいいです!! 私、誹謗さんです!!
レンゾ・アヴァタノ:う、うん、大体あってる
EUROPE_03:?ぽわわわわ~
セスカ・セトラージェ:……会話が成り立っているような気がしないわね……
无謂:ふ~む
レンゾ・アヴァタノ:まあ、ガーディアンズの仕事って、突き詰めると平和維持活動だし
EUROPE_03:さぁさ!! 理解しましたか劣等種!!
レンゾ・アヴァタノ:あながち外れては無い、と思う、んだけど……自信がないな
セスカ・セトラージェ:……まぁ、それは解るけれど
无謂:それで、どうしましょうなのです
EUROPE_03:なんと!! そんな弱気はダメです
セスカ・セトラージェ:かといって、その子が現状を正しく認識しているかというと……
セスカ・セトラージェ:……疑問だわ#エウ見て
EUROPE_03:自分を信じるですよ!
无謂:ふむ
レンゾ・アヴァタノ:う、うん、努力するよ
EUROPE_03:信じた自分のあとに自信は周回遅れでついてきちゃいます!!
EUROPE_03:はい!! 私を見本にして努力するです!!
EUROPE_03:えっへん#胸そらし
无謂:ふむふむなのです
无謂:わかったなのです!
セスカ・セトラージェ:……で、まあ
レンゾ・アヴァタノ:う、うん。……で、具体的に何をするかだけど
无謂:はい、そこなのです
レンゾ・アヴァタノ:ま、正直雲を掴むような話なので
レンゾ・アヴァタノ:街中のパトロールくらいしか思い浮かばないんだよねえ
无謂:ふぅむ。
セスカ・セトラージェ:街と言ってもね……
无謂:まぁ、とにかく、本部をでましょうなのです
セスカ・セトラージェ:……そういえば
EUROPE_03:はいです
EUROPE_03:?
EUROPE_03:  
无謂:?
レンゾ・アヴァタノ:うん、このコロニーだけでも人口数十万の大都市だしなあ
セスカ・セトラージェ:過去の事件の発生場所の傾向くらいは
セスカ・セトラージェ:掴めないものかしらね
EUROPE_03:なにを弱気な劣等種
EUROPE_03:一人十万倒せば、40万退けですよ?
レンゾ・アヴァタノ:キミはムダに強気だね、優等種
レンゾ・アヴァタノ:あと倒すわけじゃないし
EUROPE_03:はいっ、私、不可能の辞書はおいてきちゃいました!!
EUROPE_03:えっへん
EUROPE_03:む、倒す違うですか……
レンゾ・アヴァタノ:ついでに常識も置いてきてない?
无謂:ふむむむ?
无謂:えぇと、事件に関しては、調べてみればいいと思うなのです
EUROPE_03:無理を通して道理を押し込め!!
无謂:ふむむ
EUROPE_03:これがキャストの至上主義なのです!!
EUROPE_03:えっへん
无謂:!
レンゾ・アヴァタノ:いや、調べた事は調べたんだけどさ
无謂:そうだったなのですかっ
EUROPE_03:?
EUROPE_03:はい、そうだったなのですです!!
レンゾ・アヴァタノ:場所については――どうなんだろね。記述があったかな
EUROPE_03:それで、調べてどうしたですか?
セスカ・セトラージェ:……ま、確かめてみればいい話ね
EUROPE_03:はいです!
无謂:ふむむ?
EUROPE_03:どーしても困っちゃったらUFOさんに調べた状況押収するですよ
セスカ・セトラージェ:……資料室の使用許可を。すぐに済むわ
EUROPE_03:ですよ? すよすよ?
受付:は、はぁ、ど、どうぞ
セスカ・セトラージェ:ありがとう。#さっさと資料室に入り、端末起動
EUROPE_03:はい、では苦しゅうないのでご許可確認私の署名あげちゃいます!
EUROPE_03:#またデスクに血判状の横領で
无謂:紙の本がいっぱいなのです……
EUROPE_03:ぐりぐりぐり
受付:いえ、あの、それはいいですか……
セスカ・セトラージェ:#そして前回調べた事件についての資料を呼び出し
レンゾ・アヴァタノ:先日の調査ログでいいですよね
EUROPE_03:ではサラバ!!!
EUROPE_03:ぶはははははははは
EUROPE_03:#調査室へ向かう

端末、起動。
いつも変わらぬ迎えの言葉。
「検索したいキーワードを入力、または発言してください

セスカ・セトラージェ:そうね。……一連の事件の発生場所について。#端末に

「事件の発生率 惑星パルム25% 惑星ニューデイズ25%
「惑星モトゥブ25% ガーディアンズコロニー25%

セスカ・セトラージェ:……
EUROPE_03:なんと、これは古色蒼然私唖然!! 電子化できない屑の山です…
セスカ・セトラージェ:……さて、今のワタシ達にとっては最悪の結果ね
EUROPE_03:きょろきょろ
无謂:えぇっと、もしかして全部回る必要あるです?
セスカ・セトラージェ:到底無理ね
レンゾ・アヴァタノ:全ガーディアンズが投入されても無理です
セスカ・セトラージェ:……
EUROPE_03:?
EUROPE_03:どしました? 顔がメギトッチィですよ?
セスカ・セトラージェ:……まあ、どだい無理な話であるなら
セスカ・セトラージェ:どこかに絞ってしまいましょう
EUROPE_03:はい!!
无謂:わかったなのです。
EUROPE_03:ではサンタさんの発生予想はどーこですか!!
EUROPE_03:#端末に
EUROPE_03:わくわく

「完全にランダムの予想。想定できません。
意味不明の質問に、律儀に答える端末。

EUROPE_03:むむむ
无謂:サンタ、なんなのです?
EUROPE_03:偶発の奥の必然を見出せないですか……
EUROPE_03:はい
无謂:それで、何処をさがすなのです?
セスカ・セトラージェ:……さすがに、ガーディアンズのお膝元、クライズ・シティは
セスカ・セトラージェ:無いような気がするのだけれど……まあ、何とも言えないわね
EUROPE_03:サンタとは、規定の月日に子供に夢を与える勇者さまなのです!!
无謂:つ、強そうなのです!
EUROPE_03:勇気は自分で鍛えろ質し書き、ですよ?
无謂:む~
EUROPE_03:はい!! ティマゴラスも一応打尽なのです!!
レンゾ・アヴァタノ:あ、えーと、過去の事件、発生した順番を教えて#端末に
レンゾ・アヴァタノ:場所ごとにね

端末に流れるたくさんの地名。
知らぬなの地名も数知れず。
たとえ法則があるにせよ、突き止めるには時間がかかるだろう。

レンゾ・アヴァタノ:うっひー
レンゾ・アヴァタノ:だめだこりゃ
EUROPE_03:じー
EUROPE_03:#端末に
无謂:?
无謂:何をするつもりなのです?
セスカ・セトラージェ:もう、本当に適当に決めてしまうしか無さそうね
EUROPE_03:アミダクジです
EUROPE_03:しーっ
无謂:え???
EUROPE_03:うむむむむ
EUROPE_03:うむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ
无謂:????
无謂:うーも手伝うなのですよ?
EUROPE_03:しりとりさんの手掛かりがあとちょっとなのです……
无謂:しりとり??
EUROPE_03:はい!!
EUROPE_03:どこかにつながる細い糸!! 連綿と、脈々と
无謂:ふむふむ
EUROPE_03:偶発の奥に隠れた……むむむ…
无謂:#わくわく
EUROPE_03:ハッ
无謂:?
EUROPE_03:ええと…
EUROPE_03:じー
无謂:どうしたなのです?
EUROPE_03:はい!! ちょっとヒューマンさんのお乳を拝借です!!
无謂:??
EUROPE_03:サンタの到来を狙うことに意味、あるですか?
无謂:#とりあず、エウの動向を見守る
EUROPE_03:ちゃんと考えるですよ?
EUROPE_03:苦しみ松の木に事件が起こる
EUROPE_03:それはつまり畢竟、犯人はひとつです!!
无謂:・x・???
EUROPE_03:それは――
EUROPE_03:勇者サンタ!! 貴方です!!
EUROPE_03:#空を指差し
EUROPE_03:びしぃ
无謂:#上見上げ
レンゾ・アヴァタノ:……
レンゾ・アヴァタノ:さ、いこか
EUROPE_03:私の推理、凄い!!

ああ――凄いとも。

无謂:え?空なのです?
EUROPE_03:ああ、どこいくですか劣等種!!
レンゾ・アヴァタノ:もうちょっと建設的な作業をしにね
EUROPE_03:納豆の食わず嫌いはエンドルフィンの現象ですよ?
EUROPE_03:むむむむむむ
セスカ・セトラージェ:……この子に付き合っていたら、そのまま日が暮れてしまいそう
セスカ・セトラージェ:だしね……
无謂:ふむふむ
レンゾ・アヴァタノ:ええ
EUROPE_03:わかったです待つです!! いまからサンタの素性洗うです!!
无謂:何処へいくなのです?
EUROPE_03: サンタ、まーつでーすよぅ
EUROPE_03:えいっ
レンゾ・アヴァタノ:あ、うん、じゃあそっちたのむわ
レンゾ・アヴァタノ:さ、オレたちは仕事をしましょう
セスカ・セトラージェ:了解

エウロペ、何を思ったか紙の書類を手に取ると、無造作にめくり始める。
読んでいるのか、いないのか。

无謂:はいなのです。仕事するなのです。
レンゾ・アヴァタノ:とはいえ
レンゾ・アヴァタノ:やっぱヤマをはるしかないのかなあ
セスカ・セトラージェ:……結局何処へ行くかは決まっていないのだけれど
无謂:ふーむ
无謂:はいなのです。
セスカ・セトラージェ:絞るべき要素が見当たらない以上、考えても仕方が無い気がするわ
无謂:ふむむ
无謂:じゃぁ、クライズシティでいいなのです?
无謂:手近なのです
レンゾ・アヴァタノ:かなあ
セスカ・セトラージェ:さすがにガーディアンズ本部のお膝元は、という気もするけれど
レンゾ・アヴァタノ:いや、それいったらホルテスシティのほうが厳しいでしょ
无謂:軍があるなのです
レンゾ・アヴァタノ:あっちは同盟軍のお膝元ですよ
セスカ・セトラージェ:それはそうなのだけれど、ね
レンゾ・アヴァタノ:確かにガーディアンズは異能集団だけど、だからといって万能じゃ
レンゾ・アヴァタノ:ありませんし
セスカ・セトラージェ:ま、データ上では偏りがあるようには見えなかったし
セスカ・セトラージェ:結局は何処だろうと同じなのかしらね
レンゾ・アヴァタノ:というか、偏りが無いことが気持ち悪い
无謂:ふむむ
レンゾ・アヴァタノ:例えば、モトゥブを根城にするローグスの仕業だとしましょう
无謂:ふんふん
レンゾ・アヴァタノ:だったらフツー、モトゥブに偏るのが当たり前ですよね
无謂:まぁ、地理を知り尽くしているわけなのですから、
无謂:そうなるなのです
レンゾ・アヴァタノ:なのに、惑星間の比率が測ったように均等なんて
レンゾ・アヴァタノ:作為的なものを感じますよ
无謂:なるほどなのです
セスカ・セトラージェ:まぁ、偶然とは考えにくいわね
セスカ・セトラージェ:――まぁ、今はそれを考えるときではないし
セスカ・セトラージェ:取り敢えず決めてしまいましょう。クライズ・シティなら
セスカ・セトラージェ:それはそれで、ワタシは異論はないわよ
レンゾ・アヴァタノ:ええと、把握している中で、もっとも発生数の少ない惑星は?
レンゾ・アヴァタノ:って、25%だから全く均等なのか

「発生率は四惑星とも同じです。

レンゾ・アヴァタノ:それとも1件レベルでズレが生じているのか

「人口密度を考慮に入れるとすれば、惑星パルムが最も少ない、
「とはいえます。

レンゾ・アヴァタノ:――まったく同数?

「YES

レンゾ・アヴァタノ:うは、だめだこりゃ
セスカ・セトラージェ:……細かいことを考え出すと
セスカ・セトラージェ:この事件そのものが、数世紀前から起こっているのよね
セスカ・セトラージェ:けれど、このコロニーは、そんな大昔には存在していなかったはず
无謂:#首を傾げ
レンゾ・アヴァタノ:ガーディアンズの資料室職員の努力の賜物ですね
无謂:ふーむ
レンゾ・アヴァタノ:よくぞ戦乱中の資料まで回収したわ
レンゾ・アヴァタノ:ま、それはさておき
无謂:まぁ、あの紙の山を見れば納得なのです
レンゾ・アヴァタノ:だあね
レンゾ・アヴァタノ:もうこうなったら
レンゾ・アヴァタノ:賭けるしかないね
无謂:ふむふむ
レンゾ・アヴァタノ:まあ、クライアントもそのあたりは納得してくれるでしょう
レンゾ・アヴァタノ:あまりにも判断材料が無さ過ぎる
无謂:ところで、エウロペは何かわかったなのです?
レンゾ・アヴァタノ:あ、すっかり忘れてた
EUROPE_03:む、むむむむむむむ
レンゾ・アヴァタノ:なんかわかった?
EUROPE_03:ここでこの伏線ですかぁ…
无謂:……
EUROPE_03:?
EUROPE_03:どしましたか?
EUROPE_03:きょとん
セスカ・セトラージェ:……何を読んでいたの?
无謂:調べ物、してたのじゃないなのですか?
EUROPE_03:ええと……
EUROPE_03:はっ
EUROPE_03:ついつい興味が瞑想御免の真相推理さんでした……
EUROPE_03:恐るべし劣等種の娯楽……
无謂:とり合えず、ここにいても仕方ないなのです
レンゾ・アヴァタノ:……
レンゾ・アヴァタノ:そだね
EUROPE_03:はい!!
EUROPE_03:クリスマスの後にハツモーデ! ジュワーの鐘なのですっ
无謂:むむむ
无謂:キャストの発言は良く分からないものが多いなのですが、
EUROPE_03:む
无謂:エウロペは特にわからないなのです
EUROPE_03:むむむ
EUROPE_03:食事でも
无謂:まぁ、ええっと、でるなのです?
EUROPE_03:急ぐと同じ時間で多くのペロリーいただけるですよ?
EUROPE_03:はいっ
レンゾ・アヴァタノ:ん
レンゾ・アヴァタノ:資料室に居ても仕方ないな
EUROPE_03:ハツモーデを過ぎるとゴリラが霧中になるのです
无謂:はいなのです
EUROPE_03:では決まりましたか!? 決まりましたね!!
无謂:闇雲にまわるにしても、ここにはきっと犯人はいないなのです。
EUROPE_03:さぁ、自信を続け周回遅れ!!
EUROPE_03:そんな私の名前はエウロペなのですっ
无謂:ふむふむ
EUROPE_03:負けない泣かない僻まない!!
レンゾ・アヴァタノ:素敵な優等種ですね
EUROPE_03:真実よ!かーくごするですよぅ
无謂:うむむ
EUROPE_03:はい!! 伊達じゃないです至上主義!!
EUROPE_03:えっへん
セスカ・セトラージェ:……#疲れ切った表情で眉間をぐりぐり
レンゾ・アヴァタノ:世間一般の至上主義と大分乖離してるみたいだけどさ
EUROPE_03:それで……決まったですか劣等種?
レンゾ・アヴァタノ:うむ、結局闇雲にパトロールするしかないみたい
无謂:それじゃぁ
EUROPE_03:なるほど!!
无謂:シティーをぐるーっと回ってみるなのです
EUROPE_03:はいです!!
EUROPE_03:さぁさ、一人10万殺!!
EUROPE_03:がんばるですよー
EUROPE_03:えいえいおー!!!
无謂:十万人は無理なのです
EUROPE_03:む
EUROPE_03:ではサーチアンドデストロイヤーの心意気です!!
无謂:むむ
EUROPE_03:どりゃああああああぁぁあああ
レンゾ・アヴァタノ:デストロイヤーて。市民皆殺しですかね・・・…
EUROPE_03:#絶叫と土煙を残して彼方に消えていく
レンゾ・アヴァタノ:ま、いいや(どうでも

勢い良く本部を飛び出すエウロペ。
偶然入り口近くにいた男、不幸な、に危うく衝突しかける。
男の容姿、禿頭、片腕。その腕の中に女の子が寝ている。

EUROPE_03:どぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
EUROPE_03:む
男:おおっと、お嬢さん、走ると危ないですよ

車は急に止まれない。
エウロペも急に止まれない。
緊急停止、不可。
エウロペ、跳躍。
男の頭上を越えてゆく。

EUROPE_03:はい!! この程度の速度と爺は観測予定制御済みです!怪我皆無
EUROPE_03:えっへん
男:えぇっと、なんですって?
EUROPE_03:はいっ、つまりは私が優等……種…?
EUROPE_03:……じー
EUROPE_03:#子供見る
男:は、はぁ、キャストの中にはそのように思う人が多いようですね
レンゾ・アヴァタノ:どったん?#おいつき
EUROPE_03:ばったん私が聞きたいですぅ……
レンゾ・アヴァタノ:……うーん、うさんくさいハゲオヤジだなあ……

追いかけてたレンゾを見て、男は軽く頭を下げる。

EUROPE_03:む
セスカ・セトラージェ:#レンゾの後からついて行く
男:いやなに、危うくぶつかりそうになった、それだけですよ
EUROPE_03:禿げと誰かを蔑視は劣等の証です!!!
レンゾ・アヴァタノ:なんのこっちゃ
EUROPE_03:禿げには禿げのプライドあるです!! うーさんが臭くもないです
男:#男は意味不明とばかりにエウを見つめる
EUROPE_03:む
セスカ・セトラージェ:……それはごめんなさいね、この通り落ち着きのない子だから
男:えぇっと、このキャストさんは何を言ってるんでしょうね?
セスカ・セトラージェ:#観察しつつ、男に
EUROPE_03:はっ
男:はぁ……
EUROPE_03:そうですそうですそれより禿げさんどうしたですか?
EUROPE_03:はっ
EUROPE_03:じゃない……むむむ
男:どうしたもなにも、私はリニアラインへ向かっていただけですよ
EUROPE_03:リニア……ですか
EUROPE_03:うむ、うむ、うむ
レンゾ・アヴァタノ:へ? なんでまた? 今あそこは危険区域ということで封鎖されて
レンゾ・アヴァタノ:いるじゃないですか
男:帰るところなんですよ。
男:一部の路線が復旧したらしくて。
レンゾ・アヴァタノ:へぇ
レンゾ・アヴァタノ:……そんな話聞いてないけどなあ……
男:ふむ。ニュースでやっていましたけどね。
男:なんでも、クリスマス前だから、ガーディアンズで
男:掃討戦をやったそうですよ。
男:ま、クリスマス前に帰る事ができて、助かってはいますがね。
レンゾ・アヴァタノ:凄い理由だな、ガーディアンズ……自分の所属とはいえ
セスカ・セトラージェ:……
男:さてと、私はこの辺で失礼しますよ。
EUROPE_03:はい!!
EUROPE_03:それでは、私に任せろです!!
EUROPE_03:#手をとろうとする

男は女の子を抱えなおす。
セスカ、本部に問い合わせ。
リニアラインの掃討作戦について/応え、YES。

男:えっと、なにをまかせるですって?
EUROPE_03:はい!! 一人10万殺の大監視パトロール強化習慣!!
男:は?
EUROPE_03:だけど闇を雲にするつかみ所のないこの応え!!!
EUROPE_03:つまり
男:はぁ……
EUROPE_03:どみからはじめてもみな同じ!!
レンゾ・アヴァタノ:いやね、なーんかこのじきに年端の行かない女の子の誘拐事件が
EUROPE_03:だから、私リニア案内護衛の末路に感謝される予定なのです!!
EUROPE_03:えっへん
レンゾ・アヴァタノ:多発しているんですよ、で、今私たちその調査およびパトロールを
レンゾ・アヴァタノ:やってるんですがね
EUROPE_03:む
男:なるほど、それはお勤めご苦労様です
EUROPE_03:翻訳は不要ですよ? えーと
EUROPE_03:じー
男:しかし、誘拐事件とは穏かじゃありませんね
レンゾ・アヴァタノ:ちょうど。そちらのお嬢さんくらいの女の子がですね
EUROPE_03:レンゾ・アヴァタノ28歳独身。
男:え?
男:脅かさないでくださいよ。
レンゾ・アヴァタノ:誘拐の標的になってるみたいなんです
男:こりゃ早めに家に帰ったほうがいいかな……
EUROPE_03:はい!! この顔にピーーーンときたらガーディアンズ、です!!
EUROPE_03:#びしぃ/指差し
男:ピーンもなにも、目の前にいるじゃないですか。
EUROPE_03:はっ
レンゾ・アヴァタノ:なんでしたら、私たちが御家まで護衛しましょうか
レンゾ・アヴァタノ:ってなんでオレが指名手配なのさ
EUROPE_03:しかもガーディアンズ所属とは一石二兆!!
男:いえ、そこまでして頂かなくても大丈夫ですよ。
男:リニアラインはすぐそこですし。
EUROPE_03:勢いとノリと流れと空気嫁なのです!!
EUROPE_03:えっへん
レンゾ・アヴァタノ:ああ、ハイハイ#エウに
男:流石に人が多い中、堂々と奪っていったりはしないでしょうし
EUROPE_03:そうです遠慮は会釈で流して快諾のみがこれ上々!!
男:は、はぁ……
EUROPE_03:なんと!? 人が盛りだくさんですか!!
レンゾ・アヴァタノ:しかし、かわいらしい女の子ですね……娘さんですか?
EUROPE_03:ではではさらに一人10万の面目躍如です!!
男:ええ。こんな見た目の私でも、好きだといってくれる人が
男:いましてね。
男:忙しくて両親にはみせてなかったんですが
男:クリスマスの休暇を貰ったので、この機会に、とね。
レンゾ・アヴァタノ:なるほど
レンゾ・アヴァタノ:ま、何かと物騒な世の中ですし、充分お気をつけてください
男:はい。あなた達も。それでは。
EUROPE_03:なるほど!! 遺伝子に訴えかける魂の震えがいまここに!!!
レンゾ・アヴァタノ:お引止めして申し訳ありませんでした
男:#男は軽く頭をさげ、リニアラインと向かっていく
EUROPE_03:感動です!! 祝砲です!! ハラショー!!
无謂:??

エウロペ、ナノトランサーから銃を取り出す/構える/狙う=男。

无謂:え?
无謂:ちょ、まつなのです!
EUROPE_03:じゃき
レンゾ・アヴァタノ:って、なにやってんの!?
EUROPE_03:ハラショー!!

男は異変を感じたのか、振り向く、驚く、視線の先には銃。
娘に当たらぬよう、半身をひねって娘を守る。

男:ちょ、ちょっと、何をするつもりですか!?
レンゾ・アヴァタノ:こ、こら!#取り押さえようとする
レンゾ・アヴァタノ:……
EUROPE_03:む…なにするです?

響く炸裂音。
男、横にステップ。
素早く、そして最小限の回避行動。

男:へ?
男:#男、唖然

見る、エウロペの銃。
あたりに散らばる花びら、恐らく造花。
銃口から出るは四惑星のシンボル――国旗。

EUROPE_03:私言ったです祝砲御免なのです!!
男:は、はぁ、それは、どうも
EUROPE_03:だからお祝いの花と平和国旗をプレゼンツ!!
レンゾ・アヴァタノ:なんて紛らわしい……
EUROPE_03:ぐっ
男:き、きっとこの子も喜んでいると思いますよ、ええ。
EUROPE_03:けど……せっかくの祝砲かわされちゃいました……
EUROPE_03: 
EUROPE_03:しゅん
男:は、いや、おもわず、ね
レンゾ・アヴァタノ:しかし凄い身のこなしでしたね
男:え?あ、ああ、私は昔ガーディアンズだったんですよ。
男:事故で腕をなくして、内勤になっちゃいましたけど。
男:体が覚えていることというのは、忘れないものなんですねぇ
レンゾ・アヴァタノ:なるほど
男:さてと、時間だ。もう行かなければ。
男:祝砲、ありがとう、お嬢さん。
男:しかし、こんどはもっとおもちゃと分かるもので、
男:お願いしますね
EUROPE_03:むむむ…私の精度の確度は転嫁御免さんなのはずなのですのに…
EUROPE_03:ぶつぶつぶつ
EUROPE_03:む
EUROPE_03:はい!!
男:それでは……
EUROPE_03:真っ赤に背を預けろです!!
无謂:#男、リニアラインへと消えていく
EUROPE_03:……と
EUROPE_03:ではでは
レンゾ・アヴァタノ:ええ、お気をつけて
EUROPE_03:一人10万殺人ダーツの旅!! ただいまより誤解約なのです!!
EUROPE_03:ぐっ
无謂:な、なんかどんどんすごいことになっていくのです
EUROPE_03:はぃ!! むしろ私のスケールの偉大に合わせろ世界の至上主義!
EUROPE_03:なのですよぅ

そのとき、着信を知らせる音、通信機。

レンゾ・アヴァタノ:お?
EUROPE_03:ファイト!!
EUROPE_03:ぐっ
EUROPE_03:ム
セスカ・セトラージェ:……#通信ON

受付:「み、みなさん、大変です! たった今、娘がさらわれたという
受付::女性からの通報があったんです。
受付::本当に誘拐されたのかはわかりませんけど、ちょっと、
EUROPE_03:む、むむむむむむ
受付::例の話もありますから、お知らせしようと思って……
受付::まぁ、迷子、だとは思いますけど。
レンゾ・アヴァタノ:なんと
受付::今から写真を転送するので、見回るついでに捜してあげて
受付::ください。
EUROPE_03:サンタに消えたおちゃこもの顔は判るですか?
受付::さ、さんた?おちゃこ??
レンゾ・アヴァタノ:ええ、わかりました

通信機に現れる女の子。
先ほど見た顔。
同時にエウロペの口から紙、女の子の写真。

无謂:く、口からでてきたです!
EUROPE_03:ふぁー、ふぁっふぉーふぅ、ふぉふふぇふ!!
セスカ・セトラージェ:……これは
EUROPE_03:#こくこく
无謂:#ピッと紙を取る
EUROPE_03:はい!! 転送完了私、凄い!!
EUROPE_03:えっへん
无謂:あれ、この子って……さっきみたなのです
レンゾ・アヴァタノ:って
EUROPE_03:む…
EUROPE_03:確かに目も二つ鼻も一つに口元孤独……
レンゾ・アヴァタノ: この女の子には見覚えがあります! さっき片手の禿頭の男に
レンゾ・アヴァタノ:抱かれてリニアラインのほうにいきました!#端末に
EUROPE_03:はい、かくかくじかじかなのです!!
EUROPE_03:#端末に、そのまま
受付::え?その女性はご主人を亡くして未亡人のはず、もしかして……
EUROPE_03:む
レンゾ・アヴァタノ:ビンゴか……兎に角隻腕の禿頭男です、特徴的だから判りますよね
セスカ・セトラージェ:……#視覚情報から得た男の風貌を映像化し、本部へ送信
受付::分かりました、こちらも通達を行います。
受付::セスカさん、たすかります。
EUROPE_03:#スタートの合図を待つよう、構える
受付::レンゾさん達は、その人を追ってもらえますか?
レンゾ・アヴァタノ:今からこちらも追いかけます!
レンゾ・アヴァタノ:ええ、わかりました
受付::お願いしますっ
セスカ・セトラージェ:……了解。
EUROPE_03:ではでは
EUROPE_03:いっきますよぅ
レンゾ・アヴァタノ:おう!
EUROPE_03:待つの木劣等種!!
无謂:ふむ、じゃぁ行くなのです!
EUROPE_03:サンタより私強いです!!
EUROPE_03:どぉぉぉぉぉぉぉぉ
EUROPE_03:む
EUROPE_03:……真っ暗です!!

リニアライン。
入り口付近で困惑気味の駅員、通行禁止と書かれた通路の奥を見ている。

レンゾ・アヴァタノ:どうしたんですかっ
EUROPE_03:?
駅員:、さっき女の子を抱えた男がね、こっちにはしっていって
駅員:しまってさ。
駅員:こっちはエネミーを駆除してないから危険なのに……
EUROPE_03:なんと!?
レンゾ・アヴァタノ:むむ!
セスカ・セトラージェ:……ふむ
EUROPE_03:そこは私の出番ですね!!
レンゾ・アヴァタノ:オレたちその男を追っているんです!
駅員:え?
EUROPE_03:まっかせろです!!
レンゾ・アヴァタノ:誘拐犯なんです、そいつ!
駅員:なんですって!?
EUROPE_03:あっちですね、あっちですね!!
駅員:じゃ、じゃぁ、お願いします
EUROPE_03:#助走構え
レンゾ・アヴァタノ: こっちでいいんですね?
駅員:私は駅長にしらせてきます。
駅員:はいっ
レンゾ・アヴァタノ: ええ、お願いします
EUROPE_03:ではでばでばでは
无謂:ふーむ
EUROPE_03:どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
レンゾ・アヴァタノ:恐らくガーディアンズが援軍で来ると思いますのでそれも宜しく!
レンゾ・アヴァタノ:では!
EUROPE_03:むむ
EUROPE_03:邪魔なのです!!
EUROPE_03:#パンチ
无謂:あ、あの
EUROPE_03:キック
无謂:エウロペ、武器はないなのですか?
EUROPE_03:とぉぉぉぉ
EUROPE_03:はい!! この元凶なボディが全身武器なのです!!
无謂:!
EUROPE_03:私、つーよいですよぅ
EUROPE_03:えっへん
无謂:なるほどなのです
セスカ・セトラージェ:……
レンゾ・アヴァタノ:その割りにダメージあたえてないみたいだけど
EUROPE_03:む
レンゾ・アヴァタノ:ってか、今はそれどころじゃないんだった
EUROPE_03:おかしいです……
レンゾ・アヴァタノ:いそがないと!
EUROPE_03:はいです!!
セスカ・セトラージェ:……早く追いましょう
无謂:はいです
EUROPE_03:とお
EUROPE_03:#飛び降り
EUROPE_03:べしゃ
EUROPE_03:なんの!!
无謂:……
EUROPE_03:カバリ
レンゾ・アヴァタノ:意味のない事をすな!
EUROPE_03:む
レンゾ・アヴァタノ:うう、居ない……かなり先にいってるのか
无謂:そうみたいなのです
セスカ・セトラージェ:……あの身のこなしからして、腕は立ってもおかしくないし、ね
レンゾ・アヴァタノ:ええ
无謂:むぅ、いないなのです
EUROPE_03:えいっ#頭突き
EUROPE_03:むぅ
无謂:……
无謂:ふぅむ。
レンゾ・アヴァタノ:なにやってんの、キミ……
无謂:武器を使わずに戦うとはやるなのですけど……
EUROPE_03:はいっ!!
无謂:パノン全然平気そうなのです
EUROPE_03:むむむ……
レンゾ・アヴァタノ:全然こたえてないよね
セスカ・セトラージェ:……しかし、まだ敵の排除も済んでいない区画に入り込んで
セスカ・セトラージェ:どう逃げおおせるつもりなのやら……
レンゾ・アヴァタノ:この先に仲間が居るとか?
EUROPE_03:対SEED用武装はまだf配備されてないです……
无謂:なるほどなのです
EUROPE_03:ふむふむ
无謂:じゃぁ、仲間のところにたどり着く前に捕まえないとなのです!
レンゾ・アヴァタノ:うん、そうだね
セスカ・セトラージェ:結論は、急ぐしかない、か……
EUROPE_03:はい!! 仲間を一応打尽です!!
EUROPE_03:はい!!
无謂:いくです
レンゾ・アヴァタノ:それをいうなら一網打尽ね
EUROPE_03:む
EUROPE_03:アチョー
レンゾ・アヴァタノ:むう、分かれ道
EUROPE_03:むむむ
无謂:二手にわかれるです?
レンゾ・アヴァタノ:そうだね
セスカ・セトラージェ:……では、ワタシはこっちへ行くわ
EUROPE_03:はい!!
レンゾ・アヴァタノ:じゃ、オレはこっちへ
EUROPE_03:ではこっちです!!
无謂:セスカについていくなのです
EUROPE_03:ハラショー!!!
レンゾ・アヴァタノ:何かあったら互いに連絡を!
レンゾ・アヴァタノ:よしいこう
无謂:はいです!
EUROPE_03:はい、真っ赤にゼロです!!
EUROPE_03:アチョー
无謂:行き止まりなのです
セスカ・セトラージェ:……行き止まり……
EUROPE_03:むむむ
EUROPE_03:えい!!!
EUROPE_03:ぐりぐりぐり
无謂:行き止まりだったなのです
レンゾ・アヴァタノ:……なにやってんのさ
レンゾ・アヴァタノ:むむ
EUROPE_03:む
レンゾ・アヴァタノ:じゃあこっちか
无謂:はいです!
EUROPE_03:はい!!!

最終区画。
禿頭の男が、壁を背に座り込んでいる、一つしかない腕は、女の子を
守る盾のごとく抱きしめる。

EUROPE_03:む
EUROPE_03:見つけたです!!
セスカ・セトラージェ:……あれは
レンゾ・アヴァタノ:おう!
EUROPE_03:さぁさ、いっくですよぅ
EUROPE_03:#腕ぐるぐる
レンゾ・アヴァタノ:――ってなんか様子へんじゃね?
レンゾ・アヴァタノ:まあいい、いってみよう
EUROPE_03:アチョー
セスカ・セトラージェ:ええ
EUROPE_03:む…
男:くっ、まだ居たのか……
レンゾ・アヴァタノ:おいおっさん! よくも謀ってくれたな!? って
男:?
男:お前達は……
レンゾ・アヴァタノ:なんで怪我してんのさ
レンゾ・アヴァタノ:――まあいいや、それより誘拐した女の子を返せ!
EUROPE_03:む
EUROPE_03:なにです?

レンゾの問いに、男は後方に顎をしゃくる。
そこにあったもの。、エネミーの山、死体。

EUROPE_03:……
レンゾ・アヴァタノ:これ、アンタが?
男:ああ……
セスカ・セトラージェ:……なるほど、元々片腕のうえに、女の子を抱えて
男:この俺が、こんなところでしくじるとは……
EUROPE_03:腕一本一人82殺ですぅ……
レンゾ・アヴァタノ:よくもまあ、倒しも倒したり、ってとこだな
セスカ・セトラージェ:良くここまでやったものね
EUROPE_03:はい!! 褒めてつかわます!!

何かに納得したのか、男は黙って手をどける。

EUROPE_03:む
レンゾ・アヴァタノ:なんか随分物分りが良いじゃないか
EUROPE_03:???
男:ふむ、まぁ……俺はもうたすからんだろうしな……
男:助かる気も、ないが
EUROPE_03:故郷に返って見せにいく違うですか?
レンゾ・アヴァタノ:人攫いには当然の末路だ
男:は、全くだ。
セスカ・セトラージェ:……アナタはどこの何者で、何のためにこの子の誘拐を?#男に
男:それは、知らないほうが、身のためだと、おもうがな
セスカ・セトラージェ:……
レンゾ・アヴァタノ:そんなヤクいネタなんか
男:……ああ。

うなづく男にセスカは用心深く男に近づき、女の子を男から取り上げ、その腕に抱く。

男:俺が言うのもなんだが、その子、よろしくな
EUROPE_03:むむむ
EUROPE_03:劣等は親を選ばないです?
レンゾ・アヴァタノ:おいおい、誘拐犯のセリフじゃないぜ、それは
セスカ・セトラージェ:……#男の顔をじっと見つめる
EUROPE_03:じー
男:……俺は、こうなることを……望んでいたのかもしれんな
EUROPE_03:#セスカに抱えられた子供の様子/見る
男:#女の子はぐっすりとねむっている
EUROPE_03:むむむ
男:ああ、その子には少し眠ってもらっている
男:一時間もすれば……目がさめるだろう
EUROPE_03:ふむふむ…
EUROPE_03:けど、サンタが居なくなると次のサンタができないです
EUROPE_03:それでいいのですか?
レンゾ・アヴァタノ:なんのはなしだよ、それ
EUROPE_03:きょとん
男:……なん、だって?
男:……君は……面白いな、実に
EUROPE_03:資料の屑の山にあったですよ?
EUROPE_03:#レンゾに
EUROPE_03:同じ技術を子に託すサンタのお話です
EUROPE_03:漫画形式で楽しく読んだです!!
レンゾ・アヴァタノ:どんなサンタだ、どんな
EUROPE_03:えっへん

なんと言うことの無いいつもの電波発言、ブロードキャスターエウロペ。
だが、男のほうは、何か違う視線をエウロペに向ける。
驚き、疑惑。

EUROPE_03:むむむ
EUROPE_03:サンタはハツモーデの前に
セスカ・セトラージェ:……一つだけ教えて#男に
EUROPE_03:弟子を見つけてサンタにする違うですか?
男:……いいとも、なんだね
レンゾ・アヴァタノ:なんかいろいろごっちゃになってるよ、それ
レンゾ・アヴァタノ:ん?
EUROPE_03:え~
セスカ・セトラージェ:なぜ、自分の命を危険に晒してまで
セスカ・セトラージェ:この子を守ろうとしたの
男:……俺が聞きたいくらいだ
セスカ・セトラージェ:……
男:……或いは、贖罪のつもりだったのかも……しれんな
男:浚っておいていうのもなんだが……
セスカ・セトラージェ:……アナタ一人なら、ここで倒れることはなかったはずなのに
男:そうだな、そうかもしれん
男:#ゴフ 血を吐き
EUROPE_03:むむむ
EUROPE_03:待つですサンタ!!
男:だがまぁ……何故か満足しているよ,俺は
男:……サンタ? 俺の事か?
EUROPE_03:はいです!!
男:よくわからん……奴だな
EUROPE_03:サンタは夢とプレゼントを子供に配るが仕事です
EUROPE_03:……じゃあ、勇気はどこであげるです?
男:だとしたら、俺は絶対にサンタにはなれんな
EUROPE_03:むむむ……
男:……そういや、お前達は……ガーディアンズ、だな?
EUROPE_03:はい!!
セスカ・セトラージェ:……えぇ
EUROPE_03:これから配属ご予定ガーディアンズ、エウロペとは私の事です!!
EUROPE_03:えっへん
男:……Dans La Nuit、という奴に会ったら、伝えてほしい事
男:がある……頼まれてくれるかな
レンゾ・アヴァタノ:む!?
レンゾ・アヴァタノ:おっさん、知り合いなのか!?
EUROPE_03:それが挙げられずに終わった勇気の事ですか?
EUROPE_03:きょとん
EUROPE_03:む
男:知り合い……ああ、まぁ、そうなるか
セスカ・セトラージェ:……
男:その様子だと……会ったことが……あるのか?
レンゾ・アヴァタノ:まあね
男:そうか……元気そうにしていたかい?
レンゾ・アヴァタノ:しかし、どういうつながりなんだ。誘拐犯とだなんて
レンゾ・アヴァタノ:ん、ああ
男:……
セスカ・セトラージェ:……何度か、任務を共にしたことがある程度だけれど
男:ダンに、伝えてくれ
男:先に逝っている。封筒を開けろ、お前は自由だと……
セスカ・セトラージェ:……アナタの、名は。
EUROPE_03:………
男:俺はBlue Nui……いや、
男:俺の名は。エリック。エリック・ニーンベルグだ。
セスカ・セトラージェ:……ふ、む
セスカ・セトラージェ:そう言えば、彼女には通じるのね?
男:奴には、Blue Nuit、と言ってくれ。
男:?

自由と聞いて、エウロペ、銃を取り出し、空に発砲。
舞う国旗。

セスカ・セトラージェ:……了解。
EUROPE_03:平和です!! 自由です!! なんびとたりとも侵されざる領域!
男:……ああ……まったくだな……そのとおりだ
EUROPE_03:……それは、サンタも同じですよ?
男:ン、ああ。
男:もう少しで……俺も自由になれそうだ……
EUROPE_03:なので少しのお待ちの火事場をうんこで満たすです!!
男:ダンのこと……たのんだ、ぞ
EUROPE_03:いまいまいま、救護の人たち通信お隠れお呼びしてくるです!!
男:すまないが……少し……やすませてくれ
EUROPE_03:さぁ、サンタ!!
レンゾ・アヴァタノ:……
EUROPE_03:根性見せるですよぅ
EUROPE_03:ファイト!!
男:たのむ……このまま……
EUROPE_03:む
EUROPE_03:元気ないですか
EUROPE_03:では
EUROPE_03:元気が出る私の応援歌、熱血100番勝負編スタートです!!!
男:もしお前たちが……危険を覚悟で……さらに首を……
男:突っ込む気なのであれば……ダンに……話を……聞……
EUROPE_03:劣等種!! レスタです!! 私は激励!! このダブル!!!
レンゾ・アヴァタノ:おいこらおっさん!
EUROPE_03:あーああー♪
レンゾ・アヴァタノ:何勝手に盛り上がってんだよ! おい!
レンゾ・アヴァタノ:――つっ
セスカ・セトラージェ:……#男の様子を、じっと見つめ続ける
EUROPE_03:真っ赤ななんとかのぉ栗が待つの木ぃ~♪
レンゾ・アヴァタノ:くそっ、なんだってんだ……
EUROPE_03:サンタのおぢさんはぁ、言いましたぁ♪
无謂:……
EUROPE_03:お前はじーゆーう、どーこーにゆーくぅぅぅぅ

意味不明の歌、踊りだすエウロペ。
无謂、わけもわからずレスタ。
男、沈黙、応え無し。

EUROPE_03:おーいーらーもぉじーゆーぅ、どこにいーこぅ、ヘイ♪
无謂:どうするなのです、レンゾ
レンゾ・アヴァタノ:俺が知るか
EUROPE_03:#延々歌い続けてる
レンゾ・アヴァタノ: っと、ごめん
レンゾ・アヴァタノ:そうだなあ
レンゾ・アヴァタノ:ひとまず、この子を親御さんに返そう
无謂:はいなのです
EUROPE_03:まーしーたぁぁぁぁあぁぁぁ♪ 
EUROPE_03:……
レンゾ・アヴァタノ:このおっさんも――まあ、そうだな
无謂:えぇっと…
セスカ・セトラージェ:……差し当たって、ありのままを報告して
セスカ・セトラージェ:後の処理は本部に任せるしかないんじゃないかしらね
EUROPE_03:……
レンゾ・アヴァタノ: ま、そうですよね
无謂:分かったなのです

物言わぬ男、物言うエウロペ。
何を思ったのか。背におぶる。

レンゾ・アヴァタノ:――おっさん、根は悪い奴じゃなさそうだったしな
无謂:うーにはさっぱり分からないなのです……
セスカ・セトラージェ:……贖罪、か#呟き
EUROPE_03:……サンタの帰る場所は空なのです
无謂:そうかも、なのです
无謂:それじゃぁ戻るなのです?
EUROPE_03:そして博士に聞けばどこがお空がきっとわかっちゃいます
EUROPE_03:私、泣いてません。泣いてませんよぉぉぉぉ
EUROPE_03:ファイト!!
无謂:エウロペは元気なのです
EUROPE_03:はい!!
EUROPE_03:元気が世界の推進力!!
无謂:ふむむ
EUROPE_03:そんな私は世界の推進力なのです!!
无謂:なるほどなのです
EUROPE_03:だから、しからば、これにて…ごめんなのです!!
无謂:ふむ。
EUROPE_03:名探偵エウロペここにてサラバ!!
无謂:まぁ、うーも帰るなです。
无謂:はいなのです
EUROPE_03:あとの厄介ごと、真っ赤に背中を預けるです!!
无謂:え、え?
セスカ・セトラージェ:……ワタシとレンゾは本部へ行くわ。報告と――
セスカ・セトラージェ:#腕の中の子を見て
セスカ・セトラージェ:この子を、返してあげなければね
EUROPE_03:はい!! さぁさ、うーさん、競争ですよーぅ
无謂:あ、は、はいなのです
无謂:その子と、報告お願いしますなのです~
EUROPE_03:とーーーーーぅ!!!!
EUROPE_03:#ドドドドドと土煙
无謂:#たたたた
EUROPE_03:#去っていく
无謂:#後追い
セスカ・セトラージェ:……さ、レンゾ、行きましょ
レンゾ・アヴァタノ:――そですね

やかましい二人を見送りつつ、レンゾはそうつぶやいた。
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